双葉小太郎
市川君と別れてから、自分の部屋でYouTubeの編集をしている。
あとちょっとで撮影か…
編集中は集中して取り組める僕だが、その後、眠くなってしまう事が多い。
撮影前にこんなに編集しちゃって眠くなったらどうしよう…
そんなことを不安に思いながら、編集を進めた。
双葉小太郎
よし、あとはBGMを入れるだけだ。
切り取りもテキスト入力も終わり、もう少しで編集が終わるという時。
市川慶一郎
双葉小太郎
市川君が部屋に入ってきた。
市川慶一郎
双葉小太郎
僕の膝の上に置いてあるパソコンを見て、そう言った。
双葉小太郎
市川慶一郎
市川君がドアを閉め、突然そんな質問をしてきた。
双葉小太郎
双葉小太郎
なんで突然そんなこと…
あ、もしかして、僕が編集してるから申し訳なくなったのかな。
市川慶一郎
市川慶一郎
双葉小太郎
双葉小太郎
双葉小太郎
双葉小太郎
双葉小太郎
市川君の声を遮ってそう言った。
僕が言っても説得力があるかは分からない。
だけど、少しでも市川君の中に響いたらいいな。
市川慶一郎
双葉小太郎
双葉小太郎
双葉小太郎
双葉小太郎
双葉小太郎
僕はパソコンを閉じ、市川君の目を真っ直ぐ見つめた。
さっきまで床を見ていた市川君が僕の目を見た。
市川慶一郎
市川慶一郎
双葉小太郎
この距離だと分かりずらいけど、市川君の目は異様にキラキラしていた。
そのキラキラは次第に強くなっていき頬を流れた。
双葉小太郎
市川慶一郎
市川君はそれだけ残して部屋を出ていった。
泣いてた…よね。
俺はすぐさま部屋を出た。
市川君の部屋の前に立った。
双葉小太郎
ドアノブを捻ろうとしたが、中から押さえられていて入ることが出来ない。
市川君は泣き顔を見せるのが好きじゃない。
泣くのは、恥ずかしい事じゃないのに、人間は自然と隠してしまう。
変な生き物だ。
コンコン
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
双葉小太郎
双葉小太郎
双葉小太郎
双葉小太郎
ドアに頭をつけ、目を閉じた。
その数秒後。
ガチャッ
ドアが開いた。
ドアに体重をかけていた僕は、部屋の中に倒れていった。
双葉小太郎
薄暗い部屋に倒れていった僕は、目を開けた。
目の前で市川君が泣いている。
双葉小太郎
市川慶一郎
あれ…これって…
僕が市川君のことを押し倒してるみたいになってる…?
市川君は顔を背け、涙を見せないようにしている。
それを僕が押し倒して、襲ってる感じになっている…
双葉小太郎
ようやくその状況を理解した僕は、急いで市川君から離れた。
市川慶一郎
僕が避けた途端、市川君は身体を起こし、3角座りになり、顔を伏せた。
双葉小太郎
しばらく気まづい空気が流れた。
市川慶一郎
双葉小太郎
沈黙の中、市川君は口を開いた。
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
市川慶一郎
双葉小太郎
双葉小太郎
双葉小太郎
双葉小太郎
双葉小太郎
双葉小太郎
双葉小太郎
市川慶一郎
なんだか、しんみりした雰囲気になってしまった。
市川君は服の袖で涙を拭い、僕の方を見た。
市川慶一郎
双葉小太郎
市川慶一郎
双葉小太郎
市川君は今度はキラキラした笑顔を見せた。
僕もその笑顔に応えるように笑顔を返した。
市川慶一郎
双葉小太郎
双葉小太郎
市川慶一郎
双葉小太郎
市川君はそう言って、階段を降りていった。
市川君、あんなに溜め込んでいたなんて、思わなかったな。
気持ちが楽になって良かった。
それにしても、さっきの体勢、
ちょっとドキドキしちゃった…
編集を終わらせ、リビングに行き、撮影を終わらせた。
そして突然、きよに手を引かれ、リビングを出た。
連れてこられたのは僕の部屋だった。
双葉小太郎
双葉小太郎
六花清春
僕ときよは2人でベッドに座った。
双葉小太郎
双葉小太郎
撮影中、寝てしまっていた。
まだ頭がぼーっとしている。
六花清春
きよがベッドに目を向ける。
眠いし、このままじゃ次の撮影も集中出来ないだろう。
双葉小太郎
双葉小太郎
六花清春
リビングで“寝たら?”だけ言ってくれても良かったのに。
六花清春
双葉小太郎
双葉小太郎
六花清春
双葉小太郎
ベッドに横になり、布団を被った。
仰向けになった途端、腰がボキボキとなった。
編集中、変な姿勢をしてしまったのだろう。
双葉小太郎
六花清春
目を閉じた途端、きよの足音が聞こえてきた。
部屋を出ようとしてるのかな?
双葉小太郎
双葉小太郎
六花清春
僕は眠くなると可笑しくなる。
なんでこんなに甘えちゃったんだろ?
そしておいでおいでーと手招きした。
六花清春
ちょっと面倒くさそうだなあ…
双葉小太郎
六花清春
さっきも少し冷たい感じがしたんだよなあ…
僕が撮影前に眠くなってしまって、きよに“一緒に寝よ?”と誘ったときも、少し冷たかった。
最近、前よりきよの行動や言葉が冷たく感じる。
僕はいつも通り接してるつもりなんだけどな…
何かしたっけ?
そんなことを考えながら目を瞑っていると、
六花清春
双葉小太郎
きよが、俺の唇にキスしてきた。
双葉小太郎
まだ寝ていなかった僕は、驚きが隠せなかった。
だけど、今目を開けたらダメな気がする…
きよはきっと、僕が寝ていると思っているから。
じゃないとキスとかしてこないだろうし…
というか何でキスしてきたの!?!?
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