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怖い…そして切ないですね…本当に…シグレだってルカを突き放したのは…彼にもなんかプライド的なものがあったんでしょうかね…それとも そして〇体処理が…感情という壁を超えずに済んで良かった アマラさんは今一体何を…?そういや何か言ってた様な…(ん?)
無理無理無理!ちょっと怖すぎません?!あの鬼島も色んなやつ引き出されるなんてグロすぎる… ルカとシグレ仲直りして欲しい、なんて甘い考え方をしています
シグレっ……シグレぇっ! なんだよ……なんなんだよ……結局考えの根っこは中級兵と一緒なの……!?レッドを助けたのはなんで?結局裏切ってるじゃん……あっさりと「侵入者だ」って……レッドにルカと会うように仕向けたのもシグレじゃん…… 本当は生きて欲しかったんじゃないの……? レッド君途中で恐怖の限界突き抜けかけたよね……ギリギリのところでルカの声に気づいて良かった……あのままだったらきっと中級兵達と同じように日々おかしな仕事をこなすだけのドールになってたかもね……感情を失ったドールにならなかったのは良かったけど別の意味でやばいよ……💦 お願いだから……助けたなら最後まで助けてよ……他の人と比べてまだ僅かに人の心残ってるでしょ?穢らわしい穢らわしい中級兵の元って言ってるから……かつてルカさんとも遊んだ仲なら…… 色々な状況の中で揺れ動く人間関係の描写が最高です!
自身の周りに立つ中級兵は次々と地面に倒れる下民の元へと歩いて行く
そんな中、レッドは動く事もできずにただ茫然としていた
ミスターレッド
ミスターレッド
目の前を行き交う中級兵は皆無表情のままそれぞれの仕事へ向かう
きっと、この中級兵達もとっくの昔に壊れてしまったのだろうか
だからと言って、今までの所業が許される訳ではない
許す訳にはいかない
だが、この状況を見ると僅かながらに同情の余地がある
レッドはこうして立ち止まって居る間にも、労働に向けての準備が着々と行われている
皆、メスの様な物やハサミの様な物を持ち出している
地面に倒れ込む人間達はピクリとも動かない
抵抗する事すら許されない様に見える
それだけの憎悪が向けられているのだろう
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
片付けの労働が始まろうとしている
倒れ込んだ人間は袋の中から取り出され始めている
ミスターレッド
目の前で人が片付けられようとしている
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ゴミの解体作業が始まった
ゴミは部位ごとに切り刻まれ始め、内部に詰まっているドロドロとした物は引っ張り出されている
中級兵達は何の躊躇いも無く切り刻んでいく
ミスターレッド
急激な吐き気が込み上げ始める
今にも吐き出してしまいそうだ
だが、ゴミの処理から目を逸らし何とか気を紛らわそうとする
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
???
野太い声の男の断末魔が響く
ミスターレッド
反射的に目を向けるとそこには鬼島が横たわっていた
鬼島
鬼島
鬼島はベッドに縛り付けられている
鬼島の腹の辺りの皮膚はベロリと捲られている
鬼島の内蔵が、皮膚を捲られた事により顕になっていた
ミスターレッド
中級兵はその様子をカメラの様な物で収めている
中級兵
中級兵2
中級兵2
そんな無機質な会話が聞こえて来る
鬼島は内臓が綺麗に引っ張り出され、そのまま動かなくなった
どうやら、待遇の良かった人間もゴミになり得るらしい
レッドは目を伏せたまま、耳を塞ぐ
もう見たくない、もう聞きたくない
ミスターレッド
ミスターレッド
誰も助けに来なかった
周囲の人間はまるでロボットにでもなったかの様に無表情で動き続けている
誰もレッドに見向きもしない
ただただ無機質に動き続ける
震えが止まらない
動悸が激しくなる
こんな事、初めてだ
まるで別世界に迷い込んでしまったかの様だった
自分ただ1人、暗闇に落とされ
周りで人の様で人で無いものが這いずり回っている様な感覚
ミスターレッド
レッドは耳から手を離し、ポケットの通信機を手に取る
耳から手を離した瞬間脳に入り込んで来る断末魔
ミスターレッド
歯を食いしばり、何とか通話ボタンをタップする
プルルルルルルルルルル………プルルルルルルルルルル……
応答は無かった
通信機を耳に当て、応答を待つ
何も聞こえなかった
縋る様に通話ボタンをタップし続けるが
何も聞こえない
レッドは再び耳を塞いで疼くまる
闇の中で1人疼くまる
親も助けに来なければ家族も助けに来ない、大切な仲間も助けに来ない
誰も助けに来ない
ただひたすらに心の中で助けてと叫び続ける
何も聞こえない
何も見えない
そんな状況が続くと次第に
震えや動悸が収まり始めた
心の中の恐怖が薄れていく
今まで自身が何に恐怖していたのか、疑問に思い始める
自分の中の感情の核の様なモノが薄れていくように感じた
だんだんと自分自身を見失うような感覚
レッドの恐怖や不安の心は、既に限界を迎えていた
レッドは恐怖という感情を乗り越え無を感じ始めていた
その時
ルカ
聞き馴染みのある声が耳に届く
ミスターレッド
ミスターレッド
レッドは我に返った
聞き馴染みのある声で自身の置かれている現状を思い出したのだ
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
きっと、中級兵の無機質さは恐怖を超えた何かだったのだろう
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
レッドは再び立ち上がる
視界にたくさんの解体処理されたゴミが入り込む
だが、もう恐れ慄いている場合では無い
ミスターレッド
レッドは走り出した
ルカの声が聞こえた方へ
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
レッドは黙り込む
この先の計画はエリート兵を利用する事が必須なのだ
此処から逃げ出せば、エリート兵との交流はまた先になってしまう
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
レッドはルカの向かっているであろう方向へ走り続ける
視界にはずっと、解体された既に人では無くなってしまった物が入り込む
何処か見覚えのある顔をした物も落ちている
レッドは歯を食いしばり、走り続ける
血を踏み、肉片を踏み、走り続ける
一目散に走り続ける
少し進んだ先で、一つの人が目に付いた
ミスターレッド
ミスターレッド
船に居た人々だ
よく覚えている
不安げな顔を浮かべながら船の中に居た人々だ
人々の中には船内で自身に状況を説明してくれた少年も居た
人々は皆、ベットに縛り付けられており身動きが取れないようになっている
頭には何かが取り付けられており、人々は皆死んだ魚の様な目をしている
中級兵
中級兵
中級兵
中級兵2
中級兵2
中級兵
中級兵2
中級兵2
中級兵の人間を物の様に扱う言動に腹が立つ
だが、此処で立ち止まってはダメだ
レッドは走り続けた
ルカ
ルカは彼の名を呼び続ける
何度も何度も
無我夢中で走り続ける
ルカ
ルカ
周囲の惨状は気にも留めず、走り続ける
それ程までに無我夢中で走っていた
だが、あまりにも人が多すぎる
人だかりを掻き分けながら走り続けるが、それでも見つからない
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカは歯を食いしばり、力強い足取りで走り続ける
こうして走っているとあの日を思い出す
無我夢中で走り続けて
彼の背中を追った
それでも、それでも
追いつく事は出来なかった
結局あのままずっと会う事は出来なかった
待っても待っても
彼が現れた事は無かった
きっと、俺の言葉の所為だったんだ
彼に謝る為に走り続ける
和解できなくたって、許してもらえなくたって
俺は謝らなければ
あの日から変わらない「ルカ」のままだろう
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカは周囲を見回す
彼の様な姿形をした者を探す
彼の姿を忘れる筈も無い
だってあれ程までに一緒に遊んだのだから
どんなに彼が変わってしまっていたとしても
俺は絶対に彼の事を間違えたりなんてしない
ルカ
ルカは再び歩き出す
すると、他とは少し違った広々とした場所に出る
この場所では大規模な解体作業が行われており
エリートから直々、解体術を教わる事ができる様だった
ルカ
ルカ
ルカは立ち止まり、目を凝らす
ルカ
ルカは周辺に居る人々の顔をくまなく確認する
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカは俯く
視界がボヤけ、瞳から涙が溢れそうになる
ルカ
ドンッ
ルカの肩に衝撃が走る
ルカ
ルカ
ルカの肩に走った衝撃は、誰かにぶつかられたかの様な痛みだった
ルカはぶつかって来た人間の正体を確認する
ルカ
ルカはぶつかって来た人物の肩を掴む
ルカ
???
目の前の兵士が振り返る
ルカ
ルカ
言葉が詰まった
振り返った兵士の顔は
間違い無くあの日のままの……
いや、少し顔が変わった様にも思えるが………
黒髪だが毛先は赤く、周りとは少し違った暗めの赤色の瞳
ルカ
シグレ
目の前の兵士も、あまりの衝撃で目を見開いてる
ルカ
シグレ
シグレ
シグレ
シグレ
シグレ
シグレは鋭くルカを睨みつけた
シグレ
シグレはルカから目を逸らし、再び歩き出そうとする
ルカ
シグレはルカに反応を示さない
ルカ
人の波に呑まれる
シグレを見失いそうになるがどうにか後を追う
ルカ
シグレの肩をガシッと掴む
一瞬シグレの目が此方に向く
シグレ
ルカ
上手く話せない
どうにかして声を絞り出す
ルカ
ルカ
シグレ
シグレ
シグレはルカの手をはたき落とす
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
シグレ
シグレがルカを突き飛ばす
ルカ
シグレが声を上げた瞬間、周囲の視線が2人に向く
中級兵
中級兵2
周囲がざわめき出す
ミスターレッド
レッドが目を向けた先に、人集りができている
レッドは人集りに駆け寄り、何が起きているのかを確認しようとする
人を掻き分け、人々が一様に見ている方向を見ようとする
ミスターレッド
ミスターレッド
レッドはどうにか人を掻き分け、進もうとする
その時
ルカ
聞き馴染みのある声がする
ミスターレッド
人々を半ば押す様な形で先へと進む
だが、騒ぎが起きている中心に辿り着くことはできない
ミスターレッド
シグレ
怒声が響く
ミスターレッド
ようやく中心に辿り着く
その先に広がっていたのは
あたふたとしながら必死に何かを訴えるルカの姿
そして
ルカを鋭く睨みつけるあの時の兵士、シグレの姿があった
シグレ
シグレ
シグレ
シグレ
ルカ
シグレ
シグレ
ルカ
シグレ
シグレが冷たく突き放す
ルカはあまりの衝撃で呆然とした表情をしている
ミスターレッド
ミスターレッド
レッドが声を上げた瞬間、全ての視線がレッドに向く
ミスターレッド
シグレ
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
シグレ
中級兵
中級兵
中級兵
中級兵が小さく呟く
中級兵2
中級兵2
徐々にざわめきが大きくなり始める
中級兵
シグレ
シグレ
中級兵2
中級兵
中級兵
ミスターレッド
レッドは周りに居た中級兵にあっという間に拘束される
ルカも腕を拘束され、動く事ができなくなる
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカは思い切り頭を殴られ、意識を失う
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
その瞬間、レッドも同じ様に頭を殴られる
あまりの衝撃に、レッドも意識を失った
視界がぼんやりとしている
自分は今、何処に運ばれているのだろうか
分からない………分からない…
また……謝る事が出来なかった
折角会うことができたのに
シグレ…………
ごめん
そう心の中で呟いた時
数年前の、あの日々が脳裏に蘇る
それはとても暖かくて心地良いものだった