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ここでまさかまさかの伏線回収!?すごすぎる……! 二人の過去と決別……悲しすぎる…… あの島脱出計画、ルカが後に(?)ソウヤと立てたものと全く同じだったな……ソウヤと出会って再び計画を立てる時もシグレと立てた計画を忘れられなかったって事なのかな……それだけ初めて出来た友達はルカにとって嬉しいものだったんだね…… 現実か……二人のお互いに関する関係の勘違いと感情の齟齬で生まれた大きな亀裂……あんな悲惨な現実があるならもっと素晴らしい綺麗な現実もあって欲しいですね…… 今関係は凄く険悪だけど、和解してもう一度外に出る夢を見て叶えて欲しいです!
師匠流石です!伏線回収やばすぎますね! ルカの「小さい頃から孤独だった」事を考えるとシグレとの出会いはかけがえのないものになっていたんだね… シグレはルカと喧嘩したあと、ルカに冷たい言葉を言われたあと、何を言いたかったんだろう…
あの………凄すぎて…………上手く言い表せない……… そうか、シグレは本当はルカと友達でいたかったけれど中級兵にならざるを得なかったのか… すれ違って、どっちも「嫌われた」と思ってるんだよね 見事な伏線回収さすが!タイトルもレッドだけじゃなくてルカ達にも当てはまってて天才!!
ミスターレッド
目を開くとそこは真っ暗な空間だった
何も見えない、光さえ無い
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
試しに立ち上がろうとするが
足が鎖で繋がれており、動く事ができない
鎖をジャラジャラと鳴らすが、外れる気配は一切無かった
ミスターレッド
周りを見回そうにも、この部屋には光が全く無い
何も見る事ができない
ミスターレッド
ルカ
ルカが小さな声でレッドに声を掛ける
ミスターレッド
ミスターレッド
ルカ
ルカ
ミスターレッド
ルカ
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ルカ
ルカ
ミスターレッド
レッドは地面にしゃがみ込む
ルカの声がする方へ体を向け、尋ねる
ミスターレッド
ミスターレッド
ルカ
ルカ
ルカは苦しそうに黙り込む
ミスターレッド
ミスターレッド
ミスターレッド
ルカ
ルカが小さく呟く
ミスターレッド
ルカ
ルカ
ルカ
ミスターレッド
ミスターレッド
ルカ
ルカ
俺は…………ずっと1人だった
物心ついた頃には既に、親は居なかった
捨てられた、とかそういうのかもしれないし
もう死んじゃった、とかかもしれない
ずっとずっと1人だった
ご飯を食べる時だって、遊ぶ時だって、寝る時だって
街とは違った静かな野原で、1人で花を摘み取って遊んでいた
正直に言うと戦いごっことかしたかったけど……
1人じゃできなかったから、諦めてた
自分と同じくらいの子供なんて周りには居なかった
「ずっとずっと、1人なんだろうな」なんて幼いながらに思ってた
周りの大人も俺を助けようとはしなかった
だって、自分が生きていくだけでも精一杯だったから
幼い頃のルカ
その日も、ぶつぶつと1人で花を摘み取りながら遊んでいた
摘み取った花を結んで冠を作ったりなんてしたけど
幼い頃のルカ
野原の中に投げ捨てたりなんかもした
ずっと………寂しかった
孤独だった
そんな毎日を繰り返して、段々と虚しくなっていった
来る日も来る日も、友達なんてできなかった
仲間なんてできなかった
俺を好意的に思って、大事にしてくれる人なんて居なかった
でも……
ある日、いつも通り俺は野原で花を摘み取って遊んでいた
幼い頃のルカ
1人で摘み取った数を数えながらいつも通り遊んでいた
1人遊んだって何にもならないのに
寂しい気持ちを紛らわす為だけに、意味も無く1人で
そんな時、彼は突然に現れた
幼い頃のシグレ
シグレはルカの横にしゃがみ込み、ルカに話しかけた
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
ルカは驚きのあまり、手に持っていた花を全て放りなげる
幼い頃のシグレ
シグレは少し不服そうな表情をしながら言った
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
お互いに黙り込む
恐らく、初対面だったから若干の気まずさがあったのだろう
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
嬉しかった
ただただ、誰かと言葉を交わせた事が嬉しかった
シグレが名前を答えたその瞬間、ルカは満面の笑みを浮かべた
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
ルカは少し緊張した震えた声で尋ねる
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
シグレは少し微笑んでいる
幼い頃のシグレ
それから俺達は、野原で遊んだ
一緒に駆け回ったり、石の下の虫を触ったり、花で何かを作ったり
たったそれだけなのに、途轍もなく楽しかった
初めて誰かと遊べた事が、とても嬉しかった
そんな楽しい時も、あっという間に過ぎていき
夕暮れ時、シグレとの別れの時間がやって来た
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
2人とも汗だくになりながら、野原に寝っ転がった
こんなの楽しかった事、今まで無かった
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
シグレは表情を曇らせる
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
シグレはまた微笑む
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
シグレは苦笑しながらも、温かい眼差しで見つめる
幼い頃のシグレ
シグレはそう短く呟いて、此方に背を向けた
その時………
いつもとは違った寂しさを感じた
孤独の寂しさじゃ無い
別れの寂しさ
誰かと話して、遊んだ後に訪れる寂しさ
俺はその時初めて、それを感じた
幼い頃のルカ
ルカはシグレの背中に声を掛ける
シグレは少し此方を振り向く
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
精一杯の声を出した
俺は精一杯勇気を出したのに、シグレは俺の事を笑った
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
シグレは此方に手を振った
ルカもそれに応じて、笑顔で手を振り返した
次の日
俺は朝っぱらから野原でシグレの事を待っていた
集合時間は昼だと自分で言ったにも関わらず
だが、その時頭の中にはシグレと遊ぶ事しか入っていなかった
そして5時間頃経ち、昼になる
具体的に何時から昼かは 分からないが昼だろう
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
実際は5時間だが、その時のルカはそう感じていた
流れる時が遅く感じる程、シグレと遊ぶ事を心待ちにしていた
ずっと待ち続けた
その日、結局シグレは野原を訪れなかった
更に次の日
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
やはり、心の何処かで期待してしまう
その日も、野原にしゃがみ込みながらシグレを待っていた
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
背後からルカを呼ぶ声がした
待ち望んだ、あの声だった
幼い頃のルカ
ルカはシグレの方へ振り返る
そこには、ボロボロになった姿のシグレが居た
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
ルカは「毎日」という単語に興奮を抑えきれない
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
それから俺達は、毎日この野原に集まって遊び続けた
ようやく友達ができた
一緒に遊べる友達
大切な友達
そう考えるだけで、幸せになれた
どんなに辛い環境でも耐えられた
どんな辛い事があっても、シグレと一緒なら辛い事なんて全部吹っ飛ぶ
本気でそう思えた
ある日、2人でこんな事を話した
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
ルカとシグレは野原に寝っ転がりながら言葉を交わす
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
ルカとシグレは互いに笑い合う
幼い頃のシグレ
シグレはポケットに手を突っ込む
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
ルカとシグレは一生懸命に作戦を立てた
それだけでも、2人の顔には自然に笑顔が溢れていた
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
ルカは恥ずかしさのあまり少し顔を赤らめる
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
そのまま2人は笑い合った
ルカはずっと笑いっぱなしで、殆ど計画に参加していなかった
シグレは一枚の紙にビッシリと作戦を書き込んだ
ついでに、紙の隅には島全体の絵を描き込んだ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
シグレは珍しく驚いた表情をした
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
シグレがそう言った瞬間、ルカの顔に笑顔が戻る
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
シグレは目を伏せながらも笑みを溢した
幼い頃のルカ
幼い頃のルカ
ルカはシグレに手を差し出す
幼い頃のシグレ
幼い頃のシグレ
そんな他愛のない日常が続いた
毎日話して、馬鹿みたいに笑って
幸せだった
でも、いつかは現実が訪れる
だが、シグレと出会って3年程経った頃
シグレはあまりルカの前に顔を出さなくなった
1週間程現れない事も段々と増えていった
シグレと会う事ができても、段々とシグレの顔は虚になっていった
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
耐えられなかった
また1人に戻るかもしれないというか恐怖が
また孤独な日々に戻ってしまうかもしれないという事が
大切な親友を失ってしまうかもしれないという事が
そんな日々が続いたある日
あの日は、シグレに呼び出された
「話がある」と言われ、いつもの野原では無い場所へと連れ出された
終始シグレの顔は真顔で、あの頃遊んでいた時の顔の面影は無かった
ルカ
シグレ
ルカ
ルカ
シグレ
シグレは黙り込んだまま立ち止まる
シグレ
ルカ
シグレ
ルカ
ルカ
シグレ
シグレ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
シグレは俯いたまま黙り込んでいる
ルカ
シグレ
シグレ
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
シグレ
ルカ
ルカ
ルカ
シグレ
シグレ
ルカ
ルカ
ルカ
シグレ
シグレ
その言葉は、俺の心を貫く程に鋭かった
ルカ
ルカ
ルカ
シグレ
シグレ
シグレ
ルカ
ルカ
ルカ
シグレ
シグレ
ルカ
シグレは常に冷めた目で此方を見ている
もう、説得するには遅かった
シグレの冷めた態度に、ルカは徐々に腹が立ち始めた
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
シグレ
ルカ
ルカ
シグレの胸元に掴み掛かる
シグレ
ルカ
ルカはシグレの体を思いっきり押す
その衝撃でシグレは後ろに倒れ込む
シグレ
反応を示さない
そんな彼に
腹が立ってしまった
ルカ
ルカ
ルカ
シグレ
ルカ
ルカ
ルカ
シグレ
シグレが何かを言おうとする
それを遮るように俺はこう放った
ルカ
ルカ
ルカ
ルカ
シグレ
こんな筈じゃなかった
説得する筈だった
俺はなんて馬鹿なんだ
あの時シグレの瞳は揺れていた
あんなに動揺していた彼を、あの時初めて見た
シグレは無言で立ち上がる
そのまま、彼は何処かへと歩いて行った
いや、もしかしたら走っていたかもしれない
あの時の時の流れは酷く遅く感じていたから
そんなシグレの背中を、俺は見ていることしかできなかった
謝る事もできないまま
呆然と
何時間か経った頃
俺は走り出した
もう遅いと分かっていたのに
彼が消えた方向へ
がむしゃらに走る
走って、走って
走り続けた
でも
彼に会う事はできなかった
あの出来事から、俺は何となくあの野原を避けるようになった
きっとあの場所に行けばシグレに会える
そう思っていた………けど
怖くて踏み出せなかった
もし仮に、あの場所でシグレに会ったら何て言われる?
分からない
分からないから、怖かった
俺はあの日から、ずっと過去に囚われ続けたままだ
「現実を見ろ」
あの言葉がずっと脳内を渦巻き続けている
島から脱出など、無謀な事だという現実
そして
彼とまた野原で笑い合う事はできない
そんな現実