放課
高橋 慶
(まだ完全には信じられないけど)
高橋 慶
(でも絶対間違っていない)
高橋 慶
(あの笑顔、黒くて綺麗な髪、そして凛とした瞳)
高橋 慶
(俺は鮮明に覚えている、5年前のことを)
高橋 慶
(佑菜は覚えているかな…)
高橋 慶
(話しかけてみようかな…)
?? (女子生徒)
──だったよ!
清水 佑菜
へぇーそうなんだ!
清水 佑菜
私は、───
高橋 慶
(…もう他の人と打ち解けてる)
高橋 慶
(でも、ここで立ち止まってはいつ話せるか分からない)
高橋 慶
(もうあの頃とは違うんだ)
高橋 慶
あの!
清水 佑菜
え?
高橋 慶
ちょっと話がしたいんだけど…いいかな?
?? (女子生徒)
!!
?? (女子生徒)
何あの知的な感じのイケメン、知り合い?(コソッ
清水 佑菜
し、知らない…(コソッ
?? (女子生徒)
あ、私もう行くね~
清水 佑菜
ええっ…
清水 佑菜
うん…何?
高橋 慶
俺の事、覚えてない?
清水 佑菜
え?…っと
清水 佑菜
高橋君?だったよね?
高橋 慶
…うん
清水 佑菜
いつ会った?
高橋 慶
小5だから…5年前かな
清水 佑菜
うーん…
清水 佑菜
ごめん、わかんない
高橋 慶
…
高橋 慶
そっか、そうだよね
高橋 慶
ごめん、変なこと聞いて
高橋 慶
タッタッタ…
清水 佑菜
…?
下校中
高橋 慶
(この電車に乗ればいいんだよな)
高橋 慶
(それにしても…佑菜は俺のことを覚えていなかった)
高橋 慶
(でも、絶対あの佑菜なのに…どうやったら思い出してくれるんだろう)
高橋 慶
(いっそあの時のことを語ってみるか?)
高橋 慶
(でも高校生活が始まったばかりなのに、早々不審がられたらどうしよう)
高橋 慶
(あー、モヤモヤする…)
清水 佑菜
高橋君…?
高橋 慶
…ん?
高橋 慶
あっ…!
高橋 慶
佑…
高橋 慶
(あれ、ちょっと待て)
高橋 慶
(これ名前で呼んでいいのか?
まだ思い出してないなら失礼なのか?)
まだ思い出してないなら失礼なのか?)
高橋 慶
…清水さん
清水 佑菜
同じ電車だったんだね
高橋 慶
そうだね
清水 佑菜
…隣座っていい?
高橋 慶
…どうぞ
清水 佑菜
ありがとう
清水 佑菜
清水 佑菜
あのね、ずっと考えてたんだけど
清水 佑菜
ごめん、全然思い出せなくて
高橋 慶
いや…
清水 佑菜
本当にその子私なの?
高橋 慶
絶対合ってる!!
清水 佑菜
!?(ビクッ)
高橋 慶
あ、ごめん、つい…
清水 佑菜
…んーん
清水 佑菜
その時のこと、話せる?
高橋 慶
あ、うん
高橋 慶
ちょっと長くなるけどいい?
清水 佑菜
うん!
かくかくしかじか───
清水 佑菜
(いじめ…)
清水 佑菜
なんか、思い出せそうで思い出せない感じ
高橋 慶
そっか
高橋 慶
でもすぐにじゃなくていいから
清水 佑菜
うん…!
清水 佑菜
あ、ここで降りるね
高橋 慶
清水さん
清水 佑菜
?
高橋 慶
また君に出会えてよかった(ニコッ)
清水 佑菜
…!!ドクッ
清水 佑菜
…
清水 佑菜
(あの言葉、あの笑顔…)
清水 佑菜
(懐かしいような、この感じ)
清水 佑菜
(そういえば、公園に私が連れていったって言ってたな)
清水 佑菜
(公園…公園…)
清水 佑菜
!(もしかして…はじま公園?)
清水 佑菜
( ゚д゚)ハッ!!!!
清水 佑菜
(道端でしゃがみこんでいた子…)
清水 佑菜
(私がはじま公園に連れてった)
清水 佑菜
(そしてブランコに乗って)
清水 佑菜
(帰りに…)
───佑菜に出会えてよかった
清水 佑菜
!!!
清水 佑菜
(一致した!!)
清水 佑菜
(なんでもっと早く思い出せなかったんだろう…凄く印象に残ってたのに)
清水 佑菜
(…見た目が全然違うからだ!!)
清水 佑菜
(眼鏡は掛けてたけど、あの時は私と同じくらいの身長で、もっと弱々しかった)
清水 佑菜
(なのに今は私よりも背が高くなってるし、…かっこよくなってた)
清水 佑菜
(明日、学校で話そう)
清水 佑菜
…慶君