君が消えるまで____。

俺は昔からがんのステージ4。1番治すのが難しい難病だった。

だが奇跡的に手術が成功し、リハビリを続けている。

今まで走ることが禁止されていたからか、走る時の感覚を覚えていない。

今まで外に足を踏み出すのですらも禁じられていた。

久しぶりの直射日光に、眩しさを感じる

※なお兄とうりはいとこ同士です※

子供の頃から入院していたので、もちろん友達も居ないし、外で遊んだことなども無い。

普通に遊べている子供を誇らしげに思う。

今はウイルスが流行っているからか、いつにも増して患者が多い。

だが、何メートル先かで、高校生程の女の子が泣いているのだけは、ハッキリと見えた。

そして、

何故か見覚えがあった。

俺はよく感情移入してしまう。

だからこそ、彼女の事を放って置けなかった。

早く助けたいという気持ちの方が勝ったのか、

今だけは走れた。