あなたの視界は俺の視界？

水青です ご本人様には関係ございません 地雷さん、純粋さんは見るのをおやめ下さい パクリではありません 通報禁止です

僕には小さい頃から片目がなかった

お母さんに聞くと、事故でなくなったらしい

片目がなくて不自由なことばかりだけど 周りの人はみんな助けてくれる

ほら、今だってそう

幼なじみでずっと一緒

登下校中はずっと手を繋いでいてくれる

危ないものから遠ざけてくれる

にっと笑いながらこっちを見るいふくんはかっこいい

軽い力で頭を叩いてくる 不器用だけど、意外と優しい

お昼休み僕といふくんはいつも空き教室でお弁当を食べる

屋上は危ないからって、いふくんがうるさいから

こっちを見ずに小さく口を開けて卵焼きを頬張るいふくん

箸を机を置いて自分の左目を指さす

綺麗な青

その綺麗な目に写っている僕は今どんな顔なんだろう

違う、違うよ君の目は僕には似合わない

君の目は君だけなのに 僕にあげるなんて言わないで

ぎゅっと僕を落ち着かせるように抱きしめてくれる

口では冗談と言っているが、 僕には本気で言ってるようにしか聞こえなかった

色々検査とかして一応一通り終わった

けどよく分からないけど、入院することになった

ベットの上には僕1人

ひとりぼっちなんて久しぶりで何をしようか迷っていた

ｼｬｧｧｰ

カーテンが開いた

にやにやと笑いながらこっちを見る いふくんに腹が立って1発殴ってやった

こんなしょうもない日々が楽しくて

僕はずっといふくんと居られるって思ってた

いふくんと昨日遊びすぎて疲れて寝ちゃってたみたい

窓から見える景色は明るかったから多分朝

ｼｬｧｧｰ

にこにことしている医者

｢いふさんの目を貴方に入れたんですよ｣

じゃあいふくんの目は？

左目は？あの綺麗な目は？

僕のものになったの？

そんなこと考えたくなくて僕は病院を飛び出した

いや、いや！ 僕は要らないいふくんの目なんて！

いふくんの目はいふくんのものなの 僕のじゃない！

いふくんに会って、いふくんに返すんだ ｢これはいふくんの目だよ｣って！！

そんなことばかり考えていたせいで僕は車なんて見えていなかった

ﾄﾞﾝｯｯ!!!

強い衝撃で飛んでいるような感覚になる

あぁ、顔がやけるように痛い

その直後僕は意識を手放した

｢左目を失ってしまいました｣

医者がなにかを話しているが何も耳に入ってこない

僕は失ったの？いふくんの目を？

また...？また僕は左目を失うの？

いふくんの視界にはなれない...