テラーノベル
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ここ夢岳島は
海に取り囲まれている
小さな島で
この島には
小さい頃から
怖いものがいくつもあった
その中の一つが___
この島で一番
身近で
恵みでもあるもの
それが
私を一番脅かしている
父
父
汐風海月 シオカゼミヅキ
体が鉛のように重い
そんな体を
無理やり持ち上げたとき
微かに鼓膜が揺れた
ザザァン………
砂浜を優しく撫でるような 心地良い音
でも、何故か
私はそんな海のことを
距離をとって見てしまっていた
海は何も言わないけど
逃げ場を塞がれているみたいで
少し怖かった
父
汐風海月 シオカゼミヅキ
父
何故か気まずい
いつからか広がっていった
私とお父さんの距離
今となっては
会話なんてほとんどしない
_____昔はそんなことなかったのに
それでいいと思ってしまっている自分は
波に遊ばれる"砂"のようだった
重い口を無理に動かして
パンを頬張った
口に広がるマーガリンは
優しい味がした
汐風海月 シオカゼミヅキ
太陽が私を照らす
自分で周りを照らしている子どもたち
太陽に照らされても輝けない私は
深海のように真っ暗だった
ふと、横を見ると
汐風海月 シオカゼミヅキ
お父さんが海上で働いていた
お父さんも光り輝いていた
その姿は
カッコよかった
誇らしかった
その声に反応して
汐風海月 シオカゼミヅキ
私は校門をくぐった
それでも_____
遠くでは波の音が響いていた
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