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短編集

第4話 - ＿＿の記憶喪失……！？

302

2025年10月12日

#折伽羅

#文スト

#短編

#ギャグなのかシリアスなのか……

#はたまた別の何か

葉曖麗奈　不定期

何時かの昼過ぎ

街　上空

麗奈

ふんふふんふーん♪〔ご機嫌そうに鼻歌を歌いながら空を飛んでいて〕

麗奈

いや〜、こうも晴天日和だと…空中散歩は捗ること捗ること〜

麗奈

ほら、地上の様子とか一望出来るし〜

麗奈

正しく神の視点！って感じだね〜

麗奈

まぁ見習い時点で飛べてたけど

麗奈

…………ん？あれは……〔と広場のベンチにぽつんと座ってる見知った人物を見つけ〕

叶夢

……………〔ベンチに座り、少し呆けていて〕

麗奈

やっぱり叶夢だ！〔と嬉しそうにして、一直線に叶夢の方へ向かい〕

広場

休日の昼過ぎだからか、子供を連れた親子が木の下にシートを敷いてわいわいと賑わっていたり、老人が散歩ついでに寄ってきている

中央には噴水があり、秋だと言うのに暑い今は、見ているだけで涼しくなりそうである

ストンッと麗奈が叶夢の前に降り立ち、羽を少し折り畳んで

麗奈

やっほー叶夢〜、元気してる〜？〔と何時もの調子で話しかけてみて〕

叶夢

…………………………〔声を掛けられた事で麗奈の方を見るが、返事を返さず〕

麗奈

…………？どしたの叶夢、何時もなら突っかかってくるのに……

麗奈はそう言って、「俺からじゃなくお前からだろうが！」と言ってくる叶夢を予想していたが……

………叶夢は沈黙しており、何かを考える素振りをして、こう答える

叶夢

…貴方、誰ですか？

麗奈

……………は……

麗奈

………え、えぇ…？

麗奈

ちょ、一寸叶夢〜、いくら何でも酷いじゃーん

麗奈

唯すこーし弄っただけなのにそんなの〜……〔少し動揺しつつ言葉を続け〕

叶夢

………えぇっと……

叶夢

…すみません、心当たりが……その………〔申し訳なさそうに〕

麗奈

……………………………

本当だ

麗奈

(…叶夢には、一切嘘をついてる様な気配が無い……)

麗奈

(これ、マジのガチのやつだ………)

麗奈

(反応的に記憶は「貧民街時代」……)

麗奈

(…つまりまだ叶夢の仲間が全員生存していた頃まで)

麗奈

(…………探偵社に引き渡す…ある程度情報を聞いてから……)

麗奈

(その方が安全だし、俺としても探りやすくなる)

麗奈

………(…それが、1番………)

＿＿＿め

麗奈

っ！！

今だ

麗奈

………(…嫌だ)

操れ

麗奈

(そんな事…する訳には……)

すりこめ

麗奈

(黙れ…黙れよ……)〔頭を抑え、冷や汗を掻きながら〕

出来ないなら……

殺せ

麗奈

(うるっせぇんだよ…！糞野郎共がッ！！)

・・・

麗奈

……………ふぅ……〔一息ついてから頭から手を離し、汗を拭って〕

叶夢

あ、あの………

叶夢

大丈夫…ですか？〔おろおろしながら〕

麗奈

……うん、大丈夫…ありがとう〔何時もの様な笑顔で〕

叶夢

い、いえ…………

麗奈

…自己紹介、からだよね

麗奈

俺は葉曖麗奈、君とは…………

叶夢

………？〔途中で言葉が途切れた事を疑問に思い、首を傾げ〕

麗奈

…………………

麗奈

………君とは、唯の他人だ…

麗奈

少し知ってるだけの……ね

叶夢

そ、そうなんですね………

叶夢

えと……その羽………それに耳が……〔と唯折り畳まれていただけで仕舞って無かった麗奈の羽を指差し、麗奈の猫耳を見ながら〕

麗奈

これ？…唯のコスプレだよ、気にしないで〔と優しく笑いかけて〕

叶夢

あ、はい…分かりました……

麗奈

……さて…少し質問してもいい？

叶夢

か、構いませんけど………

麗奈

ありがとう………此処に来た時の事は覚えてる？

叶夢

え、えぇっと………はい

叶夢

確か…此処の近くの歩道？に気付いたら居て

叶夢

それで…元居た場所に帰ろうと思って……

叶夢

…でも、帰り道が分からないし……皆の事が心配だから、早く帰りたいのに………〔涙目になってきて〕

麗奈

………成程ね〜…

麗奈

……ごめんね？泣かせちゃう様な事聞いちゃって〔としゃがんでハンカチを差し出しながら〕

叶夢

い、いえ…！僕が勝手に………〔涙を袖で拭い、ハンカチは押し返して〕

麗奈

あっこら、そんな袖で強引に拭ったら腫れるよ〜？

麗奈

ちゃんとこれ使って？〔とハンカチを優しく叶夢の目元に持っていき〕

叶夢

ん…………でも、そんな綺麗なのに……

麗奈

ハンカチなんて汚れるもんだから良いの！

麗奈

………よし、まぁ腫れる事は無いだろうね、赤くはなるだろうけど…〔とハンカチを叶夢から離し〕

麗奈

(地味〜に冷たくしてたから、冷やせただろうしね)

麗奈

……叶夢、混乱させる様な事言っちゃうんだけど…ちゃんと聞いてね〔と真剣な顔で〕

叶夢

は、はい………〔少し緊張して〕

麗奈

……君はね、今記憶喪失なんだ…

叶夢

……え？

麗奈

………今、叶夢は何歳？

叶夢

えっと………9歳…

麗奈

此処は、今の君からしたら4年後の世界なの

麗奈

だから体自体は13歳なんだよ

叶夢

よ、4年後…………

叶夢

……じゃぁ、あの子達は…？〔不安げに麗奈を見て〕

麗奈

…………安心して、生きてるよ(2人だけだけど……)

叶夢

そ、そうですか……〔安堵した表情を浮かべ〕

麗奈

ついでに言うと、君は武装探偵社って所で働いてるんだ

麗奈

今から其処に連れて行くけど……大丈夫？

叶夢

あ、はい……けど………

叶夢

その………ろうどうきじゅんほう？って言うのは、大丈夫なんですか…？其処……

麗奈

……………〔豆鉄砲食らったかの様な顔で〕

麗奈

…………ふっ

麗奈

ふっふふ、あはは！〔笑い出し〕

叶夢

え、えぇ…？〔困惑〕

麗奈

ふふっふふ……大丈夫だよ

麗奈

何せ同じ未成年も働いてるんだしね、上手くやってる筈さ

叶夢

そ、そうなんですか………

麗奈

そうなんだよ

麗奈

……っと、そろそろ行こっか〔立ち上がって〕

叶夢

は、はい…！〔ベンチから立ち上がり〕

その後なんやかんやあって叶夢の記憶は戻りました☆

後日談

何処かのビルの屋上

麗奈

……………………………………〔羽をまた折り畳んだ状態で仕舞わず、フェンスの上に座って街を見ており〕

50分前

研究室

麗奈

…ぐ……うぅ………ッ！〔椅子に固定されていて、少し暴れており〕

闇奈

…………………〔麗奈の脳まで開けた穴から、何かを探しており〕

闇奈

………はい、取れた〔と何か、小さい機械の様な物をピンセットで取り出し、トレーに置いて〕

麗奈

ハーッ……ハーッ………ふぅ…ありがと、闇奈……

麗奈

俺一人じゃこんな事出来なかったから………〔汗を大量に掻きながらそう言い〕

闇奈

良かったな、僕達分離出来て

闇奈

…まぁ、仮に分離出来てなかったとしても、勝手に脳弄って取り出してたと思うけどね

闇奈

脳の違和感ずっと感じてるよりかそれが良いし〔頭の穴を能力で治した後、拘束を外して〕

麗奈

あっはは……まぁこんなの入ってんならそうだよね〜〔と、トレーに乗せられた小さい機械の様な物を苦笑しながら見て〕

闇奈

………結局、これは何なの？

麗奈

……研究者達の脳………の思考回路を上手く入れ込んだAIチップ〔とトレーの傍に置いてあったピンセットで機械を掴み〕

闇奈

………実験体だった時に埋め込まれたか

麗奈

うん、俺自身元は人間だったからね

麗奈

本当ならこの機械と脳を直結させて、命令通りに作動する様になってたんだけど………

麗奈

俺もう人外且つ神様だから、直結させてたコードだけ燃やせたんだよね☆

闇奈

流石に機械自体までは燃やせなかったせいで、命令だけがしつこく出てた訳だな

麗奈

そうそう、前まではそんな気にしてなかったんだけど……

麗奈

…今回ばかりは、ね………

闇奈

…………「咲華蛇叶夢記憶喪失事件」……

闇奈

原因は本人の異能のせいで脳が少し溶けていたから………

麗奈

けどそれだけじゃなかった、彼の異能はそこまで影響を及ぼす程のものじゃない……

麗奈

それで色々調べて分かった真犯人……

麗奈

………犯人は、俺や叶夢を作り出しやがった、あの研究所の元研究員だった

麗奈

あの糞野郎の証言では

麗奈

通り過ぎ様にバレない様薬を打ち、近い将来異能の一寸した暴走で記憶喪失になる様仕向け

麗奈

後は俺の脳にあったAIチップが操る様命令してくれるのを待っていた………と言う…

麗奈

何とも胸糞な事をしでかしてた……

闇奈

脳なんて麗奈が下手に手を出せば障害として残る可能性があったし

闇奈

探偵社に治癒異能力者が居て良かったな

麗奈

全くもってその通り！危なかったよぉ……〔トレーにまた機械を置き、出入り口の方へ歩き出して〕

闇奈

……何処か行くのか？

麗奈

………一寸、外の空気を吸いにね〔ふっ、と笑って外に出ていき〕

そして現在に至る

麗奈

…………(…静かだな……風が気持ちいい…)

麗奈

……？(…下から誰か来てる…？)〔少し下の方に視線を移して〕

下を見ると、何か白いものが屋上に向け徐々に上がって来ており

……よく見ると、叶夢が酸で足場を作りながら登って来ていて

麗奈

………何やってんの、あの子は……〔と呆れそうになりつつ、その様子を見ており〕

ビルの中間辺りに来た叶夢は、足の下にバネの様な酸を作り出して、跳躍

一気に屋上を少し飛び越え

着地する

麗奈

…見事な跳躍だったね〜、吃驚しちゃった〔と何時もの様な笑みを浮かべ〕

叶夢

そーかよ………お前は其処で何してんだ？

麗奈

見ての通り街を眺めてるの、今日は天気が良いからね

叶夢

ふーん………〔フェンスに寄りかかり〕

麗奈

……揺らさないでよ？

叶夢

落ちても死なねぇだろ

麗奈

いやそうだけど………

そんなどうでもいい言葉の横行の後、沈黙が続き

麗奈

………記憶、戻って良かったね

叶夢

お陰様でな、初めてちゃんとお前が来てくれて良かったって思ったわ

麗奈

お、久々のデレきたこれ

叶夢

うっせ

麗奈

はいはい、ごめんなさい

叶夢

……………………

麗奈

………………

叶夢

……………あん時

麗奈

ん？

叶夢

…お前、俺との関係性を「唯の他人」…つったろ

麗奈

あぁ…精神年齢9歳の君じゃ、俺らの関係性の事よく分かんないかな〜と思ってね

叶夢

……………＿＿って欲しかった…〔俯きながら小声で呟き〕

麗奈

……今なんて？〔叶夢の方を見て〕

叶夢

……………

叶夢

……「友人」ってぐらい、言って欲しかった………

麗奈

……………………〔面食らった、とでも言う様な顔をして〕

麗奈

……あっはは！まさか君からそんな事言うなんて！

麗奈

普段なら「友人じゃねぇ！利用者利用されの関係だ！」とか言ってそうなのに！〔笑い出して〕

叶夢

う、うるせぇ！別に良いだろっ！！？〔顔を真っ赤にしながら〕

麗奈

あははっ、どうする？今からでもなる？

麗奈

"ゆーじん"に♪〔揶揄う様に行ってみて〕

叶夢

〜〜〜ッッ…！

なってたまるかァ！このクソ人外ッッッ！！

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302

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え、あの研究所爆発した言ってたのに、元研究員がいたんですか、、、そして叶夢くんをあんな目に、、ちょっと処すのってありですか？（ナイフと銃構え）叶夢くんが麗奈さんに友人って言って欲しかったって、デレが、、そちらも十分尊いですね〜（・∀・）ﾆﾔﾆﾔ

葉曖麗奈　不定期

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