この作品はいかがでしたか?
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荒い息の儘、探偵社の扉を 思い切り開く。
皆の視線が一気に私の方を向く。
泣きながら走って来たから顔は ぐしゃぐしゃ。
でも、そんな事を気にしている 余裕は無かった。
有栖 ○○
探偵社の皆の中に彼の姿は無い。
何時も彼が居た机に其の姿は無い。
” 彼 は 死 ん だ ”
判りたくない現実を、頭が理解する。
「 もしかしたら 」
そう思っていた小さな希望さえ 無くなった。
縋れるものは、もう、無い。
私は其の場に座り込んだ。
有栖 ○○
有栖 ○○
谷崎 ナオミ
泣き叫ぶ私をナオミちゃんが 優しく抱き締める。
鏡花ちゃん、与謝野医師も、 私を包み込む様に抱き締める。
私は唯、泣く事しか出来ない。
其の無力さが更に、私の心を蝕んだ。
皆に心配されながら私は探偵社を 後にした。
社長に「今日は帰れ」と云われ 大人しく帰る事になった。
時刻はまだ午前十時。
周りには家族で歩いていたり 恋人と歩いていたり。
賑やかなこの街で独り、 透明人間になった様だ。
ふと、何処かから甘い匂いがする。
気になって足を止める。
有栖 ○○
有栖 ○○
太宰が居たら一緒に食べに行くのに、
もう二度と叶うことの無い願いを 一人呟いてみる。
有栖 ○○
私はまた歩き出した。
”彼処”とは彼との想い出の場所。
其処に行けば、また会えると 願いながら。
___ その時は真逆、本当に会えるとは思ってもいなかった。
コメント
7件
ワクワクが止まらないわ☆ 壮絶な物語になりそうな気がする
この話にはなんかの秘密が隠れてます(アバウト) みんなで考察とかしてくれると私がニヤニヤします。(どんどんコメントして下さいお願いしますッッッ)