コメント
1件
出血したヴィクターを見て、ジーナは慌てて目を逸らした。
トラックの衝突で同じく怪我を負ったのだろう、額に切り傷が出来ている。
ジーナが現れたからか、マックスはさっきまでの興奮を抑えるようにフッと笑った。
マックス
マックス
ヴィクター
マックス
マックス
マックス
マックス
マックス
ジーナ
マックス
ジーナ
マックスはしばらく考え込んだが、分かったと頷き部屋から出て行った。
ジーナは吐息を漏らすと壁に寄り添う形でしゃがみ込んだ。
ヴィクターは再び、縛られた両手を動かしてみた。
しかし、いくら必死にもがいてもロープが皮膚に食い込んで、
イタズラに痛みだけが感じるだけだった。
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
ジーナ
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
ジーナ
ヴィクター
ジーナ
ジーナ
ジーナ
ジーナ
ヴィクター
ジーナ
ジーナ
ジーナ
ジーナ
ジーナ
ジーナ
ジーナ
ヴィクター
ジーナ
ジーナ
「彼女たちを恨まないで」と訴えていた。
そう言いかけてジーナは口を噤んでしまった。
もしも夢の中のエレノアがそう訴えていたとしたら、
今、自分たちがしているのはそれに反する行為では…?
ヴィクター
ヴィクター
ジーナ
ヴィクター
ジーナ
ジーナが驚いて、ヴィクターの顔を見た。
ヴィクター
ヴィクター
ジーナ
ジーナが言ったとき、ドアの開く音がしてマックスが現れた。
彼に手を繋がれた小学生ぐらいの女の子を見たジーナが、
ジーナ
両腕を広げると、ナディアは嬉しそうに母親に駆け寄った。
ナディアが泣きながら母親の前で、手話を披露した。
「ママに会えて嬉しい」と、言っている。
そこで、ヴィクターは初めて気付いた。
ヴィクター
かつて、聾唖の犯人を尋問した際、ヴィクターは少しだけ手話を学んでいた。
ジーナも手話で返し、ナディアをぎゅっと抱き締めた。
マックス
マックス
マックス
ヴィクター
マックスはフンッと鼻を鳴らしてからジーナに視線を向けた。
マックス
ジーナは頷き、
ジーナ
ジーナ
と、手話で伝えた。
「出掛けるって何処へ?」と、ナディアも手話で返す。
ヴィクター
マックス
マックス
マックス
マックス
マックス
マックスは背広の胸ポケットから小さな瓶を取り出した。
小さな豆電球のみで照らされたそれには、不気味なピンク色の液体が入っていた。
さらにマックスは別のポケットから注射器を取り出した。
ジーナ
マックス
マックス
マックス
マックス
マックス
マックス
マックス
マックス
ヴィクター
マックス
マックス
マックス
マックス
マックスが悪魔のような笑みを浮かべ、瓶の中の液体を注射器で吸い上げた。
ヴィクターは焦り始めた。
ヴィクター
ヴィクターは顔を動かさず、目だけで辺りを見回した。
ふと、ジーナたちが寄り添う壁のすぐ横にあるスチールラックに目がいった。
今まで気付かなかったが、ラックには様々な薬瓶が置かれていた。
化学薬品を取り扱う工場なのだろうか、と思いつつ棚の薬瓶を一つずつ見た。
その中に「sulfuric acid」と書かれた瓶を見付けた。
「硫酸」だ。
ヴィクター
注射器に満タンの液体を詰め込んだマックスが近付いた。
ヴィクター
ヴィクター
マックス
マックス
ヴィクター
マックス
マックス
ヴィクター
マックス
マックス
マックス
マックス
ヴィクター
ヴィクター
マックスが片方の眉を吊り上げた。
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
マックスは黙り込んだまま、じっとヴィクターを見詰めていた。
ジーナと、異様な状況を察したナディアも出血した見知らぬ男に視線を向けた。
ヴィクターはそれを確認してから言葉を続けた。
ヴィクター
マックス
マックス
ヴィクター
ジーナ
ジーナ
ジーナのか細いが、しっかりと聞き取れる声がした。
ヴィクター
マックス
マックスは話の展開に追い付かず、困惑顔でジーナとヴィクターを交互に見た。
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクター
ヴィクターは口を動かしつつ、後ろに縛られた両手を必死に動かし、
ナディアに向けて手話を送っていた。
ナディアはしっかりとヴィクターの手話に集中していた。
心の中でホッと安堵し、マックスに再び目を向けた。
顔色が青い。
ヴィクターはニヤッとした。
ヴィクター
ヴィクター
ジーナがハッとマックスを見た。
ヴィクター
ヴィクター
2020.04.18 作