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病院の待合室。 アメジストは窓の外を見ていた。 今日は診察の日。 主治医の先生を待っていた。
ふと。
待合室の壁に貼られたカレンダーが目に入る。 アメジストは目を止めた。 その日付。 そこに書かれた数字を見た瞬間。
星宮アメジスト
小さく声が漏れる。 もうすぐだった。 九つ子たちの誕生日。 母・愛麗が生きていた頃。 毎年みんなで祝っていた日。 ケーキを食べて。 プレゼントを交換して。 母が笑っていた日。 アメジストは思わず俯く。
星宮アメジスト
元気かな。 会いたいな。 そう思った瞬間。 診察室の扉が開いた。
医師
主治医の先生だった。
医師
星宮アメジスト
アメジストは立ち上がる。 診察が終わった後。 アメジストはぽつりと呟いた。
星宮アメジスト
医師
星宮アメジスト
星宮アメジスト
先生は優しく微笑んだ。
医師
アメジストは少し黙る。 そして。
星宮アメジスト
先生は目を瞬かせた。
医師
アメジストは頷く。
実は。 母が亡くなってから。 アメジストは何年もかけて兄弟たちを探していた。
施設。
記録。
残された資料。
少しずつ。
本当に少しずつ。
居場所を見つけていった。
会いたかったから。
だけど。
星宮アメジスト
先生は不思議そうな顔をした。
医師
星宮アメジスト
星宮アメジスト
星宮アメジスト
星宮アメジスト
星宮アメジスト
星宮アメジスト
先生はしばらく考えた。 そして。 少し笑った。
医師
アメジストは顔を上げる。 先生は続けた。
医師
医師
医師
アメジストは黙った。 でも。 すぐには信じられなかった。 先生は苦笑する。
医師
医師
医師
医師
医師
医師
医師
アメジストは少しだけ照れた。
それから数日。 病院の一室。 机の上には九枚の便箋。 九枚の封筒。 アメジストはペンを握る。
だけど。 うまく書けない。 手が震える。 力が入らない。 文字が歪む。
一枚目
失敗。
二枚目
失敗
三枚目
失敗
ゴミ箱には何枚もの紙が入っていた。 先生が心配そうに見る。
医師
星宮アメジスト
星宮アメジスト
兄弟たちへ送る手紙だから。 綺麗な字で送りたかった。
何度も。
何度も。
書き直した。
そして、
ようやく完成した。
『誕生日おめでとう。』
たった一言でも。 たくさんの想いが詰まっていた。 差出人は書かない。 名前も書かない。
それでも。 きっと伝わると思った。 そして誕生日の日。
兄弟たちの元へ手紙が届く。 アレキサンドライト。 ダイヤモンド。 サファイア。 アクアマリン。 レピドライト。 フローライト。 ルビー。 エメラルド。
誰も差出人を知らない。
だけど。 手紙の言葉。
文字の癖。
優しい文章。
その全てが。
ある一人を思い出させた。
コメント
1件
うああああ〜〜!!!この話、心臓ぎゅってなった……😭💔 アメジスト、自分のことより兄弟たちの気持ちを優先して「会いたくないかも」って遠慮するところ、優しすぎて泣けるよ……。 「綺麗な字で書きたい」って何度も何度も書き直してるシーン、もうね、健気で尊すぎるんだが?!✨ 差出人不明の手紙なのに、それでも「アメジストからだ」って気づく兄弟たち……その描写だけでじんわりくる…。愛って形が違っても伝わるんだなあ、って思わせてくれるエピソードだったよ、ホント沁みた……🍀💕