A棟 特殊遺伝子学研究室
天望
ではまず、分かっていることから確認をするか。
天望
じゃあ、そこの、あのー、寺院‼︎
琥珀
鹿王院だ。
天望
はぁ、後輩が付けた名前難し過ぎるぞ。
柘榴
でも地味で目立たないよりかはいいじゃないですか‼︎
天望
ダメだ、どうやら後輩には常識というものが欠けているようだ。
ちょっと‼︎常識ぐらいありますよ‼︎
天望
...あの騒音は放っておけ。
天望
さて、今分かっているものは何だ?
琥珀
ここが研究所ということと...
天望
ストップ、あっしの質問が悪かったな。
天望
今、寺院の中に備わっているものはどんなものがある?
琥珀
琥珀
中学生までの知識、抗体人間であること、中性子を感じ取れる機能があること、想像を具現化する能力を持っていること...だ。
天望
なるほど、記載されていることは全て把握済みか...
天望
ならば、“副作用”はあるか?
柘榴
“副作用”?
天望
実験前に確認しただろう。
柘榴
....
天望
もう面倒だから知ってる前提で話を進めるぞ。
天望
で、どうだ?何か不調はあるか?
琥珀
いや、特には...
天望
今聞かれても流石に分からないか。
天望
おい、後輩。“副作用”の確認はいつするんだ?
柘榴
えーっと...
柘榴
明日は“彼ら”同士の交流会を予定してるから...明後日です‼︎
天望
そうか。
天望
おい、寺院。明後日には検査がある。だから今日は休め。
琥珀
...どこで休めばいいんだ?
天望
後輩、個室に案内してやれ。
柘榴
えっ‼︎で、でもまだ他の子達の状況が...
空泉
それに関しては大丈夫だよー。
柘榴
大丈夫って何がですか?
空泉
ついさっき“全員”目覚めたから。
柘榴
えっ⁉︎
柘榴
き、記録は‼︎記録はしっかり取りましたか‼︎
空泉
あっ...
柘榴
へっ...?
柘榴
そ、そんな...
天望
その辺にしておけ、狼。
空泉
ちぇー、つまんないなー、天望は。
柘榴
じゃあ取ってくれたんですね⁉︎
天望
そうだ。
天望
では後輩は記録確認、及び“抗体人間達”をここまで連れて来るように。
柘榴
分かりました‼︎
天望
後の詳しい説明は狼にやらせる。
空泉
えっ⁉︎ちょ、ちょっと酷過ぎない?
天望
嘘をついた罰だ。諦めろ。
えーっ‼︎だって8人も居るんだよー?
ねぇー‼︎ねぇったらー‼︎
天望
あの騒音は都市問題に含まれないものか...
天望
では行くぞ。あっしについて来い。
スタスタスタ
トテトテトテ
琥珀
あの...1つ質問したいことがあるんだが。
天望
何だ?
琥珀
さっきから寺院とか狼ってあだ名なのか...?
天望
ああ、そんなことか。
天望
あれは名前を覚えるのが苦手だから印象で名付けているだけだ。
天望
例えば鹿...よく分からんから寺院で、あいつは嘘つきだから狼だ。
琥珀
狼ってそういうことだったのか...
天望
あの狼の話は8割嘘だから真剣に聞かない方がいいぞ。
天望
...話している間に着いたな。ここが寺院の部屋だ。
天望
何かあれば、そこにあるボタンを押して用件を伝えろ。くだらん用事だったら埋めるからな。
琥珀
ありがとう...ございます。
天望
あっしに敬語は不要だ。堅苦しいのは嫌いなんだ。
天望
もし使うなら寺院を創った後輩か、狼...は不要だな。
天望
まあ、とりあえずゆっくり休め。何かあれば放送をする。
琥珀
ありがとう。
天望
よきに計らえ。
トテトテトテ
今日は“彼ら”が誕生した日だ。
まだ“副作用”についてはよく分かっていないけど、
今は君達が無事生まれてきてくれたことが嬉しい。
この喜びの気持ちを忘れずに明日に備えようと思う。







