色を滲ませ 空を越えて

わざわざ虐げられる人間に？

わからなかった

でも n k の口調から察するに 詳細は隠し通すつもりらしい

b r が置かれている状況は 俺でもある程度考えつく

ただ、今に至るまで起こった出来事は 彼がよく知っているはず

垂れた耳と尻尾から よく感情が伝わってくる

n k の呼吸が乱れていく

落ち着くまでは 上下に背中をさすってやった

死んだと思い込んでいた彼が 目の前にいて

b r の死を見届けていた

今頃どうしているだろう

転生して生きているかも

人間の呪縛から抜け出して 幸せに生きているかも

俺はごく普通のエルフで エルフは魔法とは無縁の生き物だ

なにが他の人と違うのかな

どこにでもいるような平凡なエルフなのに

先日の出来事を話す

電撃のような衝動

見覚えのない景色

傷だらけの n k と話す俺。

n k が聞こえる声で呟く

...俺は海のように燃え広がる炎を 高いところから眺めていた

躊躇いを持ちつつ目を逸らした彼は 前世について淡々と語る

悔しいことに 俺には前世の記憶がない

後天的に思い出す場合もあるらしいが...

なんだっけ...天恵もしくは

k n 前世の話してたんだけど...

n k は俺の手を掴み強い力で引っ張る