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～リンタロウとヨウコ～
リンタロウ
ヨウコ……
ヨウコ
リンタロウ……
リンタロウ
·····ごめんな
ヨウコ
リンタロウは悪くない……
リンタロウ
この際、ヨウコに言っておきたいことがある
リンタロウ
ここでなきゃ、もう、言えないかも知れないから。
ヨウコ
ええ……
リンタロウ
ヨウコ……
リンタロウ
僕は……
リンタロウ
君が……大好きだ
～ユウタ～
ユウタ
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不在着信
ユウタ
ダメか……
ユウタ
クソっ……
ユウタ
もうダメなのか？
ユウタ
不在着信
ユウタ
不在着信
ユウタ
こうなればもう無理か……
ユウタ
せっかく一人逃げ切ったと言うのに……
ユウタ
こんな状況では……
ユウタ
もはやこの命を延命する意味もないか……
ユウタ
僕が皆の変わりになればよかった……
ユウタ
僕は一人じゃ生きていけないのに……
希望を失ったユウタは、逃げた先の近くにある崖へと、ゆっくり向かうのであった……
～ケイ～
ケイ
ふぅ……
ケイ
逃げ切ったか……
ケイ
どうにか下水道で彼を巻いたものの、
ケイ
暗い下水道を全力疾走はキツいものだな
ケイ
ようやく下水道から出れたが……
ケイ
あちこち傷だらけだぜ……
ケイ
オマケに携帯もいかれてる……
ケイ
皆の安否確認も出来ない、自分が無事だとも言えねえ……
ケイ
なんてこった……
ケイ
皆を危険な目に合わせたのは俺の責任だ……
ケイ
あれだけ息巻いて守れなかった……
ケイ
それに引き換え皆は頑張ってたなあ……
ケイ
すまないみんな……
ケイ
ケイ
そう言えば……
ケイ
ひとつ気になることがあるな……
～アンナ～
アンナ
ヨウコは、大丈夫だったのかしら……
アンナ
他の奴らも心配だわ……
アンナ
ムカつくこともあるけど、良い奴らだったのに……
アンナ
もう会えないのかしら……
アンナ
下水道の水に落ちて流されて……
アンナ
気づいたら親切な人に助けられてたけど……
アンナ
その時携帯落としちゃったのよね……
アンナ
これじゃあ連絡取れないわ……
アンナ
なんとかして会えないかしら……
～場面変わって崖のユウタ～
ユウタ
·····ここらだな
ユウタ
風が強いな……
ユウタ
風はこの地獄を知らないのだろうか……
ユウタ
それとも僕のあの世への旅路を後押ししているのだろうか……
ユウタ
きっと……
ユウタ
あの世でならみんなに会えるよな……
ケイ
·····それはお門違いだぜ
ユウタ
?!
ユウタ
ケイ?!
ケイ
偶然同じ位置にたどり着くとはな
ケイ
やはり俺らの絆は強いな！
ユウタ
ケイ……
ケイ
ユウタだけでも生き残ってて良かったぜ
ユウタ
やっぱり僕らだけなのかな……
ケイ
いや、まだ可能性はある
ケイ
携帯に連絡は？
ケイ
俺は携帯がいかれてるんだが
ユウタ
誰一人安否確認が取れてないよ……
ケイ
なるほど……
ケイ
だが、まだ殺されたとは決まっていないぜ
ケイ
暗い下水道で逃げ回ったんだ、落としたり破損したりしても不思議はない
ユウタ
そうだね
ユウタ
それを信じよう
ユウタ
それはそうと、殺人鬼は今どこにいるの？
ケイ
分からない……
ケイ
俺は情報を持っていないんだ……
ユウタ
この前はゲンタが情報を出してくれたんだよな……
ケイ
それについてだが
ケイ
ゲンタについてひとつ気になることがあってな……
ユウタ
なんだ？
ケイ
普段のゲンタってさ……
ケイ
お調子者でムードメーカーなタイプだったけど
ケイ
今日はだいぶ人が違ったような気がしないか？
ユウタ
言われて見れば……
ケイ
それに、妙に殺人鬼について詳しかったのも気になる
ユウタ
うーん……
ユウタ
偶然じゃない？
ケイ
まあ今の段階だとどちらとも言えないな
ユウタ
どっちであれ、無事を祈る事は変わらないよ
ケイ
そうだな
ケイ
(しかしなんかこう……引っかかるんだよな)
ユウタ
ユウタ
あれ？なんか着信が……
ユウタ
電話？
ユウタ
この番号見覚えないな……
ユウタ
もしもし？
ユウタ
え?!
ユウタ
はい……え?!
ユウタ
本当に？
ケイ
誰からだ？
ユウタ
はい……はい……
ユウタ
分かりました!!ありがとうございます！
ケイ
いったいどうしたんだよ
ケイ
この場に及んでやけに興奮した様子だな
ユウタ
今よく知らない人から電話来たんだけど、
ユウタ
その人の話によると、その人の家にアンナがいるんだって!!
ケイ
助かったのか?!
ユウタ
かろうじてね
ユウタ
下水道で流されてた所を下水道の局員が発見して、
ユウタ
助けて貰って、その人の家で休んでいるってよ
ユウタ
携帯を紛失して、連絡手段がないから
ユウタ
その人の家電から僕の番号にかけたんだそうだ
ケイ
なるほど……
ケイ
でもこれでアンナの無事が分かったな
ユウタ
ああ……
ユウタ
意外と事態は明るい方向に向いてるのかもな
ケイ
ここまで来たんだ、あと三人もきっと無事だ
ユウタ
ああ、そう信じよう
思っていたより事態は明るみに出て、希望を見いだしたユウタ達 しかし、まだ地獄の脱出ゲームは終わらないのだった……
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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