呪い

皆さんには感情というものがありますよね

泣いたり笑ったり‥‥

けれどある一人の少女は

感情がありませんでした

この物語は

感情がない少女が感情を取り戻す物語

あるところに二人の少女がいました

その少女二人は

天華

でした

一人の天華は宝石の涙を流し

もう一人の天華は

花の涙を流しました

一人は悲しみに泣き

もう一人は嬉しさに泣きました

そしてその流した宝石と花には

不思議な力が宿り

宝石の方は

傷を癒す

物を壊す

時を戻す

という力があり

花の方には

人を呪う

物を治す

時を止める

という力があった

二人の天華はずっと一緒にいた

ずっといるはずだった

ある時

奴隷を売るものに捕まってしまった

そして

宝石の涙を流す天華と

花の涙を流す天華は

引き剥がされてしまった

宝石の天華は

悲しさのあまりに

花の天華との記憶を失くしてしまった

一方花の天華は

悲しさのあまりに

感情が無くなった

感情が無くなったということは

涙を流せない

価値が無くなった花の天華は

今まで以上に殴られるようになった

けれどもう

何も思わない

‥‥