ころん
…
屋上のフェンスを乗り越える僕
ひんやり冷たい風が体にあたる
死ぬ前に、自分の人生を振り返った
あぁ、つまらない人生だったなと感じる
誰の前でも笑って笑って笑って…
どこで間違えたんだろ
なにをしていたら、よかったんだろ
考えても僕なんかじゃわかんなくて…
きっとみんなにとっての僕とは、ふざけてる陽気な性格
でも本当は、臆病で寂しがりや
分かってくれる人なんていなかったな…
コツコツ(遠くから
足音…もう下校時刻なのに誰だろう
ガチャ
るぅと
ころちゃん…?
ころん
…
るぅとくんだった
少し期待していたが、彼を見てすぐにその期待はきえた
彼とはよく、一緒に帰っていたが
彼も僕と同じで、よくふざける人だった
彼の前でも笑っていたから、 きっと、僕の求めている言葉はくれないだろう
ころん
止めないで(ボソッ
小さくそう呟いた
それを聞いた彼は目を丸くして、クスッと笑った
るぅと
フフッ(ニコッ
ころん
…?
意味が分からなかった
きっと彼は、僕のことを止めにきたのだろうと思っていたから
そしてゆっくり僕に近づいてくる
るぅと
とめるわけないじゃないですか
るぅと
そんな正義のヒーロー気取り、僕がするわけニコ
ころん
じゃあ、何しに…
るぅと
一緒に死ににきたんですよ
ころん
なにゆって…
ころん
冗談やめてよ
るぅと
嘘じゃないです
るぅと
嘘はつきません
ころん
じゃあなんで…
るぅと
覚えてますか?
るぅと
初めて会ったときのこと
ころん
るぅとくん
るぅと
えっ…あっ
友達なんていなくて、いつも隅にいた僕に話しかけてくれた
ころん
るぅとくん置いてくよッ!
るぅと
まっまってッ!//
友達っていう存在を教えてくれたのも、
恋って感情を教えてくれたのも、
全部ころちゃん
るぅと
ぜーんぶ
るぅと
ころちゃんなんです
るぅと
それに、ころちゃんは
るぅと
笑ったのもふざけたのも、全部偽りの自分だって言ってたけど
るぅと
みんなのこと笑わせられたんなら
るぅと
それが本当のころちゃんでしょ(ニコッ
ころん
ポロポロ
温かいものが頬をつたう
どうやら僕は、勘違いをしていたようだ
彼は、誰よりも分かっていてくれた
るぅと
じゃッ行こっか
明るくいう彼の手は、震えていた
彼が横に重心をかけると、手をつないでる僕も落ちていく
るぅと
これで、仮は返せたかな…
呟く彼に僕は、
ころん
ギュッ(ニコッ ポロポロ