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佐
佐
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昨晩、どうやら告発が起きたらしい。
どこか不気味な廊下に、1人の冷たい足音が響く。
俺は他の生徒と違い、告発を真っ先に知ることが出来る。
故、密告された側の状態を確認しなければならない。
其の様な仕事だからと云って、俺自身が密告されないという事は無い。
逆に重要な仕事程、何かをしでかせば内部で抹消される。
行動には人一倍気を付けなければならないという事だ。
…少し話が逸れたな。そろそろ着くだろう。
廊下は走ってはならない。 此の様な少しの規則の乱れでも、悲惨な自体を招く事も無い訳ではない。
国
俺は扉の前に立った。
厭な予感はするが、之も仕事。
そう思い聞かせ、俺は扉に手をかけた。
空き教室。
扉の開く音が木霊する。
国
皺も汚れもない、見慣れたセーラー服。
袋からはみ出た長くて黒い髪が暖かい風に揺れている。
まるで其処で待っていました、と言わんばかりに冷たい身体が行儀良く椅子に座っていた。
俺の、想い人が。
呆気に取られている俺の背後から、扉を開ける音がした。
振り向くのが何故かとても恐ろしく感じる。
声が聴こえた。
太
太
国
太宰が其処に立っている。
今の時間に太宰はいない筈。
太
太
背筋が凍る。
此の段階から告発の情報を知る者は俺しかいない。
そう、気づいてしまったのだ。
太
太
太
太
太
太
暖かい風は吹く。
其れなのに、彼女は冷たい。
どうか。
どうか微笑まないでくれないか。