あの日、絵を書いてる時。 君のことを見つけた。
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
空が好きだった。 どこまでも続く空。 一日雨だと思ったら夕方には止んで、綺麗な夕日を映し出すところとか。 全てが好きだ。
あの景色は一瞬だ…
見逃すのは勿体ない。
あの夕日
菜月(なつき)
蒼空(そら)
夕日を見つめてから帰るのが 僕の日課
朱里(あかり)
菜月(なつき)
朱里(あかり)
菜月(なつき)
朱里(あかり)
実は私、蒼空くんのことが好きなんです…
朱里(あかり)
菜月(なつき)
朱里(あかり)
菜月(なつき)
朱里(あかり)
菜月(なつき)
蒼空のお母さん
蒼空(そら)
蒼空のお母さん
俺は静かにソファーに座った。
蒼空のお母さん
その言葉を聞いた瞬間俺は立ち上がって部屋に向かおうとした。 でも、母さんが俺の腕を掴んでいた。
蒼空のお母さん
俺は病気を持っている。 心臓病…
前回病院に行ったのはいつだろうか… 母さんが言いたいことも分かる。 そして俺も分かっている。
俺はもう… 長くないことを…
蒼空(そら)
蒼空のお母さん
俺はその言葉を聞いてから部屋へ向かった。
俺は小さい頃から体が弱かった。 喘息、心臓病を生まれながら持っていた。 そのせいで、運動はしたことない。 手術して今を生きられているけど…その手術もほんの少しの命綱。
俺はもうすぐ
…死ぬ…
蒼空(そら)
蒼空(そら)
蒼空(そら)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
菜月(なつき)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
先輩には申し訳ないけど… 俺、モデルになれない…
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
準備をして俺は絵を描き始める。
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
菜月(なつき)
菜月(なつき)
菜月(なつき)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
蒼空(そら)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
菜月(なつき)
昨日はどこか…寂しい気持ちになった。
蒼空くんの絵は好きだ。絵を書いてる時の横顔も。
下書きはもうすぐ終わる。
知らなかったんだ 今日が最後なんて
菜月(なつき)
蒼空(そら)
菜月(なつき)
蒼空くんの絵はもう今日で終わるだろう…
蒼空(そら)
君の笑顔の裏に
菜月(なつき)
こんな秘密があったなんて
蒼空(そら)
菜月(なつき)
蒼空(そら)
君の夕日に照らされた横顔は 夕日よりも遥かに 綺麗だった。
菜月(なつき)
蒼空(そら)
蒼空くんは描いた絵に布をかけた。
菜月(なつき)
蒼空(そら)
夕日が充ちた美術室は。 真っ暗で… どこか寂しそうだった。
俺は手紙を書いて、机に置き。 その場から去った。
樹(いつき)医者
蒼空(そら)
樹(いつき)医者
蒼空(そら)
樹(いつき)医者
数時間かけて行った検査で… 俺の心臓はもう、弱くなっていて、 いつ消えてもおかしくないことが伝えられた。
樹(いつき)医者
先生から言われた時俺は迷わず
蒼空(そら)
隣にいた母さんは、 目に涙を貯めていた。
俺は入院がすぐ決まった。 この心臓は今 いつ止まってもおかしくない。
そう言われている。
蒼空(そら)
樹(いつき)医者
蒼空(そら)
蒼空(そら)
俺が渡したのは。 2枚の封筒と… 1つの鍵 ……… あと。
筆だった。
あの日から2日後。 蒼空は夕日に照らされて 亡くなった… 2枚の封筒と1つの鍵、筆を残して。
下書きを描き終わった次の日から 蒼空くんは学校に来ることはなかった。 1枚の手紙が美術室に残っているだけだった。
なつき先輩へ。 今までお世話になりました。 なつき先輩のお陰でこの絵を描き終わらせることが出来ました。 この絵の題名は先輩が考えてください。 さようなら。
きれいな字で書いてあるそれは。 蒼空くんの最後のメッセージだった。
蒼空くんの最後の絵の白い布を外すとすばらしいほど綺麗な夕日の絵が描かれていた。
菜月(なつき)
菜月の絵は既に完成していた。 何枚も何枚も描き続けられた蒼空の横顔と夕日。
樹(いつき)医者
蒼空のお母さん
鍵は蒼空の部屋の鍵。 1年ほど前から蒼空の部屋には蒼空以外誰も入れなかった。
母さんへ。 親不孝者でごめんなさい。 母さんには最初から最後まで世話になりました。 1年間閉ざしていた部屋の鍵を 預けます。
蒼空の部屋は、綺麗に片付けられていた。 置いてあるのはベッドと、勉強机。 そして、絵だけだった。
押し入れには小さい頃から書いてきた絵が沢山入っていて、 外に出されていた絵は。 向日葵のように微笑むお母さんと樹先生。そして、菜月が描かれていた。
樹(いつき)医者
菜月(なつき)
目を真っ赤に腫らした菜月は、樹先生から預かった手紙を静かに開き。 涙した。
菜月先輩へ。 今まで本当にありがとうございました。 どうか素晴らしい絵をこれからも描き続けてください。 最後に、僕がモデルの絵を、 最後まで描き上げて完成させてくださいね。 良かったら僕の筆を使ってください。 今まで本当にありがとうございました。
蒼空が最後に描いた絵。 夕日の絵は、 『夕日になった少年』 と題された。
実は、蒼空の絵はコンクールで最優秀賞になり、また、菜月の絵も最優秀賞を得た。 2人の絵は2つで1つだと審査委員が言い。 2人の絵は今、美術館に並んでいる。
部屋に置かれたあの絵は、蒼空が最期を迎えた病院のある廊下に飾られた。
蒼空は、 最期まで絵を描き続けた 亡き少年。
と呼ばれ。 ある、1部の方からは、 夕日の少年とも呼ばれている。
作者
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コメント
2件
とっても感動しました
素敵な作品ありがとう☺️ 感動したよ😢😢