茉白
・・・祥ちゃん
祥太郎
茉白、悪いな呼び出して
茉白
私は全然いいけど
茉白
覚えてたんだ、この場所
祥太郎
当然だろ。俺と茉白の秘密の場所なんだから
祥太郎
昔は何かあると必ずここに来た。
二人で話して・・・泣く時は泣いて・・・
そういう時間が詰まってるだろ。
二人で話して・・・泣く時は泣いて・・・
そういう時間が詰まってるだろ。
祥太郎
俺らにはここが必要なんだよ
茉白
──もう必要ないでしょ。祥ちゃんには
祥太郎
は?
茉白
ほんと、昔から変わんないよね祥ちゃんは
茉白
私はそれで何度も悩んだんだよ
茉白
気持ちもないくせに思わせぶりな態度とるとこ
祥太郎
・・・気持ちがなかった訳じゃない
祥太郎
けど、俺には出来なかった
祥太郎
茉白のことだけを考えて生きてくっていう覚悟が
茉白
でも麗香さんとは結婚するんでしょ?
茉白
私には出来なかったのに、
麗香さんの人生を背負う覚悟は出来たんだね
麗香さんの人生を背負う覚悟は出来たんだね
祥太郎
茉白
茉白
それって、祥ちゃんにとってかけがえのない存在は
麗香さんだってことなんだよ
麗香さんだってことなんだよ
茉白
4年前にした約束、
ずっと信じてたのは私だけだったみたいだね
ずっと信じてたのは私だけだったみたいだね
祥太郎
祥太郎
ごめん。裏切るつもりは無かった
祥太郎
約束も、忘れてた訳じゃない
祥太郎
けど、許してくれなんていう資格は
俺にはないってことくらいは分かってるから
俺にはないってことくらいは分かってるから
祥太郎
ただ・・・
茉白
ただ・・・?
祥太郎
これだけは信じてほしい
祥太郎
俺がお前を大切に想う気持ちに、嘘は一ミリもない
祥太郎
それはお前も同じだろ?
茉白
・・・・・・ずるいな、祥ちゃんは
茉白
なのに結局、優しいから憎めない
祥太郎
・・・優しくなんかない
祥太郎
今の俺に、優しさなんてないから
祥太郎
俺は茉白が信じてる俺じゃない
祥太郎
この結婚だって──
茉白
え
茉白
麗香さんとの結婚が、、、何?
祥太郎
こんなダサい奴が幼馴染で申し訳ない
祥太郎
とにかくお前は、もう俺のことを忘れて
祥太郎
それが俺からの最後のわがままだ
祥太郎
こうすることしか出来なかった弱い俺を
信じてくれててありがとう
信じてくれててありがとう
茉白
さっきから言ってる意味が分かんないんだけど・・・
茉白
祥ちゃんは何を抱えてるの?
茉白
それだけ言って、
また突然いなくなったりしないよね・・・?
また突然いなくなったりしないよね・・・?
祥太郎
・・・結婚式、絶対来いよ
祥太郎
じゃあな
茉白
今日の祥ちゃんは、、、祥ちゃんじゃなかった
茉白
結局最後まで何が言いたいのか
分からなかったけど
分からなかったけど
茉白
祥ちゃんが一人で抱え込んでるっていうのだけは
分かった
分かった
茉白
これでも、幼馴染だからね
和馬
そんなことがあったのか・・・
和馬
確かにあいつは、悩んでても人には言わない
とこあるよな
とこあるよな
茉白
話くらいしてくれてもいいのに・・・
和馬
けどあいつの行動には、いつも誰かを思う
気持ちがあった
気持ちがあった
和馬
茉白も分かってるんだろ
和馬
だから最後まで何も聞けなかった
茉白
優しさなんてないって言ったの
茉白
すごく悲しそうで。見てられないくらい
茉白
これから結婚するっていうのにね、
心配になっちゃうよ
心配になっちゃうよ
和馬
強がんなくていいよ、茉白
和馬
無理してあの二人を祝福しなくたっていい
和馬
茉白の心の中でちゃんと整理つくまで
和馬
悩めばいいよ
和馬
誰も茉白を責める人なんていない
茉白
あれ? もしかして和馬って良い奴?
和馬
は? 今頃気づいたのかよ!(笑)
和馬
お前、俺のどこを見てんだ?
茉白
数学の点数が悪いとこ
和馬
おい、その話には触れるな
和馬
前から言ってるだろ( ̄▽ ̄;)
茉白
あーあ
茉白
幼馴染とか恋人って、何なんだろうね
麗香
お父さんの調子どう?
麗香
明日、病院行こうと思ってるんだけど
祥太郎
ああ、心配ない
祥太郎
麗香も、そんな度々、見舞い行かなくていいから
麗香
何言ってるの、心配くらいさせてよ
麗香
義理の父親になるんだからさ
祥太郎
すまない
祥太郎
あんな理由で結婚することになったのに
祥太郎
ほんとに感謝してる
麗香
やめてよ、もう
麗香
そういうのいいから
麗香
私たちは来月結婚するんだよ?
麗香
助け合うのは当然でしょ
麗香
それに分かってるから
麗香
祥太郎くんが誰よりも優しい人だってこと
祥太郎
・・・時々思うんだよ
祥太郎
本当にこれで良かったのかなって
麗香
祥太郎くん
麗香
少なくとも私は、
これが間違った選択だとは思ってないよ
これが間違った選択だとは思ってないよ
祥太郎
・・・ありがとう
祥太郎
この恩は、一生かけて返していくから