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ついに手に入れたんだ
誰も入る事の出来ない 二人だけの空間
俺と 愛する杏佳の二人きり
このまま死ぬのを待つだけ
最期に見るのが杏佳の姿
杏佳の最期も俺の姿
こんなにも喜ばしい事は無い
遥斗
杏佳
遥斗
遥斗
遥斗
遥斗
俯く杏佳に言い放つ
目を背けても変わらない
これは事実で、 俺にだってどうする事も出来ないのだから
しばらく杏佳を見詰めていると 杏佳の体が震えているのに気が付いた
遥斗
遥斗
遥斗
俺の言葉には反応を示さず、 杏佳は黙って自分の体を抱いている
流石に俺も心配になり、 杏佳に手を伸ばしたその時
杏佳
遥斗
杏佳
杏佳
遥斗
気でも狂ったのか、 杏佳は大声で笑いだした
今までにこんな杏佳は見た事がない
新たな一面を見れて嬉しい半面 やはり心配になる
杏佳
杏佳
遥斗
杏佳は笑い声を止め、 氷の様に冷たい視線を俺に向けた
それはまるで軽蔑するような 殺人鬼のような瞳だった
杏佳
遥斗
杏佳
そんな、嘘だろ?
俺は確かにずっと昔から杏佳が好きだった
けれど、それを他人に言ったことは無い
悟られるような行動を取った覚えもない
なら、どーして杏佳は知っていたんだ?
俺の頭はグルグルと回り、 相応しい答えなど出せなかった
杏佳
杏佳
遥斗
杏佳
杏佳
遥斗
杏佳
杏佳
杏佳
遥斗
杏佳
遥斗
杏佳
杏佳
遥斗
遥斗
杏佳
聞き間違えが無いように 聞きそびれが無いように
杏佳はハッキリと俺に言った
杏佳が俺の事を嫌っている?
そんな、そんな事は有り得ないだろ
じゃあ今までの二人は何だったんだ
小さい頃から一緒に遊んで
何度もお互いの家にお泊まりして
真剣な相談もお互いにした
何かといつも一緒に居たし
例え杏佳に恋愛感情が無くても
嫌われていたなんて信じられない
俺は、俺は今、何を聞かされているんだ
杏佳
杏佳
杏佳
杏佳
杏佳
杏佳は唇を噛み締め、 鋭い眼差しを俺に向ける
その表情には確かに、 怒り、嫌悪、 そういった物が含まれていた
杏佳
杏佳
杏佳
杏佳
杏佳
杏佳
遥斗
杏佳
杏佳
杏佳
そう言って微笑む杏佳
その姿はとても綺麗だった
俺の目からは涙が溢れる
大粒の涙がボロボロと溢れて止まらない
杏佳
杏佳
杏佳
杏佳
遥斗
遥斗
杏佳
杏佳
杏佳はパチンとポケットからある物を取り出した
それは悠祐さんが杏佳に贈った
緊急用の果物ナイフだった
杏佳
杏佳
遥斗
杏佳
杏佳
遥斗
杏佳
遥斗
ーブシュウゥゥゥッー
遥斗
遥斗
杏佳は自ら首を切り裂き
シェルターの床を真っ赤に染めて
それきり動かなくなった
〜fin〜
コメント
2件
まさかの杏佳が黒…!? 杏佳の遥斗に対する気持ちが強くて、すごかったです✨
さ、最終日に結局全ての本にコーヒーを零して...... うん、もうね、手が震えてるんじゃないですか???() (訳:凄いですお疲れ様でしたー!)