コメント
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野田一
任務から帰ってくると野田の兄貴に声を掛けられた。
香月紫苑
香月紫苑
野田一
香月紫苑
こうして、俺は野田の兄貴の買い物に付き合う事になった。
野田の兄貴に連れてこられたのは、兄貴御用達(ごようたし) の服屋だった。
野田一
香月紫苑
野田一
野田一
香月紫苑
野田一
香月紫苑
野田の兄貴が今選んでいる服は、何時も仕事着として着ている服とは、テイストが明らかに違っていた。
仕事着でないのであれば、この服はプライベート用の衣装という事になる。
たかが部屋着や普段着を、こんなに時間を掛けて、剰(あまつさ)え、真剣に選ぶ筈がない。
香月紫苑
そうすると自ずと答えは出る。今、選んでいる服は、小峠とデートに着ていくための服を選びなんだと。
デートに着ていく服ならば、俺ではなく、デート相手の小峠に選んで貰う方が、適任だと思っての発言だった。
野田一
野田一
どこか呆れを含んだ様子で、野田の兄貴は言い放つ。
野田一
小峠華太
野田一
小峠華太
野田一
小峠華太
野田一
小峠華太
野田一
小峠華太
小峠華太
野田一
野田一
小峠華太
小峠華太
小峠華太
野田一
野田一
小峠華太
小峠華太
小峠華太
野田一
野田一
野田の兄貴はこう言っているが、果たしてそうなのか。
小峠を伴って、買い物に出かけた時の事を思い出してみる。
香月紫苑
春の新作リップが、新発売のポップと共に、棚に飾られており、手に取ってみる。
手の甲に紅を引いてみて、発色を確認してみる。
香月紫苑
小峠華太
小峠華太
小峠に勧めらたリップを買った。キャバ嬢たちからの反応も上々だったと記憶している。
あの時、小峠は、はっきりと否と、兄貴分である俺に、突き付けてきたのだ。そんな、小峠が適当な事を言う筈がない。
香月紫苑
小峠はセンスが良い。センスの良い、小峠が褒め称えたなら、その服は兄貴に似合っていたのだろう。
だから、それとなく会話に織り交ぜ、小峠の服選びのセンスに問題はない事を伝えてみた。
野田一
呆れ顔から一変して、野田の兄貴は、どこか勝ち誇ったかのような笑みを浮かべる。
野田一
あー、これはあれだ。
香月紫苑
恋は盲目とも、痘痕も靨(あばたもえくぼ)とも言うやつだ。
結局、惚れてるなら、相手が何を着てようが、何でもよく見える。なら、この服選びは、茶番みたいなもの。
だって、そうだろ?その人だというだけで、魅力的に見えるのなら、わざわざ、服で着飾る必要性はない。
野田一
野田一
でもまあ、野田の兄貴も小峠も、二人とも幸せなら、俺から何も言うことはない。
香月紫苑
俺は茶番だと知りながらも、兄貴の買い物に付き合うのだった。
おわり
あとがき 立ちんぼの回の、野田ニキのTシャツ姿が格好よくて好き(о´∀`о)あの格好で迫られたら、華太ちゃんもメロメロに違いない。 因みに、御用達を、ごようたしと振り仮名をふっていますが、実は三つの読み方が存在する漢字なので、ごようたつ、ごようだちと読んでも間違いではありません。同じく、おまけに出てくる惚けたも、とぼけた、ぼけた、ほけた、と4通りの読み方が存在します。なので、話の内容に合わせて、使い分けるといいですよ。
おまけ
小峠華太
小峠は30分ほど、スマホの画面を惚(ほう)けた表情で眺めながら、悩ましそうに溜め息をついている。
香月紫苑
小峠華太
香月紫苑
小峠華太
香月紫苑
小峠華太
小峠華太
小峠華太
小峠華太
見せられた、スマホの画面には、Tシャツ、ジーパンとラフな格好をした野田の兄貴が映っていた。
小峠華太
小峠華太
野田一
小峠華太
小峠華太
小峠華太
香月紫苑
やはり、恋は盲目のようだ。
おわり