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番人
番人
番人
番人
番人
番人
番人
番人
カチッ…カチッ……
番人
番人
番人
番人
静まり返った部屋に、乾いた足音が響く。
その静寂を切り裂くように、 低く、よく通る声が──部屋に落ちる。
息を呑むほど冷たくて、優しさの欠片もない。 ──“兄"の声。
逃げようと背を引いた瞬間──後ろから腕が絡みつく。
ぴたりと背中に張りついた吐息が、冷たくて、怖い。
目の前にいた男へ、思わず、縋るように叫んでしまう。
──その声が、部屋の空気を凍らせた。
悠斗がわずかに肩を揺らし、視線を逸らす。
唐突に、ふわっとした声色に変わる。 冷たさも怒りも感じない、ただ“優しい”だけの声。
でも、それが一番怖い。
背中に、ぴたりと熱が重なる。
首元に触れる手が、ゆっくりと襟を引き下ろす。
その声に、悠斗の指が止まる。
しん…と部屋が静まり返る。
やがて、目を伏せたままの悠斗が──小さく呟いた。
それが、最後の救いを壊す音だった。
キィ……と、タトゥーマシンのスイッチが入る。
──ジジジジジ……ッ
その言葉と共に、針が、皮膚に触れた。
──ジッ……ジジッ!
鮮烈な痛みが、神経を刺す。
その声が、唯一の優しさの残骸だった。
──ジジッ……
魅音
叫びと共に、俺の身体が跳ね起きた。
薄暗い天井。ぼやけた視界。
喉がひどく乾いて、身体が全然動かない。
魅音
息を吸おうとしても、うまく吸えない。
ただ、呼吸が浅くなるばかりで、胸が詰まっていく。
魅音
魅音
頭の奥がズキズキと痛む。
刺さるような首筋の感覚が——まだ残ってる気がした。
──指先が、わずかに震える。
心臓が喉元を叩くように脈打つ。
魅音
声を押し殺していた涙が、ぽつり、と頬を濡らした。
魅音
喉を押さえても、嗚咽は止められない。 枕に顔を押しつけるようにして、必死に、声を殺す。
魅音
魅音
ぐしゃ、と 首元のタートルネックを握りしめる。
その下には、誰にも見せられない、“証”が刻まれている。
魅音
魅音
魅音!
──誰かが、俺の名を呼んだ気がした。
でも、耳に届いたはずのその声も、どこか遠くて。
視界の端に誰かの気配があっても── それに、気づく余裕なんてなかった。
魅音
自分が泣いてることさえ、もうわからなかった。
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番人
番人
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番人
番人
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