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部活中
赤葦視点
正直、俺はれいかを"ちゃんと見すぎている"
男子バレー部のマネージャー
仕事は完璧、声は落ち着いていて、必要以上に前に出ない
だからこそ、余計に目に入る
レイカ
ハスキーな声を聞くたびに少しだけ心拍が上がるのは 僕の問題だと思っている
木兎さんが騒いでいる
ボクト
ボクト
レイカ
レイカ
ボクト
ちゃんと事実だけを言う 過剰に褒めない
でも、それが一番効くってことを 木兎さんも分かっている
僕はそのやりとりを見ながらメモを取るふりをして れいかの横顔を盗み見る
余裕のある笑み 1年の頃より少しだけ柔らかくなった表情
………ずるい
練習の合間 1年がミスをしてしまったとき
レイカ
後輩
れいかは声を荒げない でも放置もしない
“信頼してる”という態度だけを残す
僕は知っている
あれは、簡単に真似できない
レイカ
アカアシ
気づけば、れいかが隣に立っていた
レイカ
アカアシ
アカアシ
近い
距離が
それだけで思考が一瞬止まる自分に内心で舌打ちする
練習後 体育館に残ったのは、僕とれいかだけ。
アカアシ
レイカ
レイカ
心配するトーンじゃない 指示でもない
ただ、気づいている人の言葉
……一番厄介だ
アカアシ
レイカ
そう言って微笑む
その“余裕”の内側に僕が入る隙があるのかどうか
考えてしまう時点で、もう遅い気がしていた
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