テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

船橋唯都(フナハシ ユト)

...

17:45発、CUMILWORLD行き...。

ついに、遊園地に行けるのか!!!

一人やからほんの少し心細いけど...

どんな場所なんだろう。

ちょっとワクワクする。

空っぽのリュックサックを背負って、駅に向かう。

船橋唯都(フナハシ ユト)

...びっくりした...。

結構な頻度で通知くるよな....。

びっくりするからやめてほしい...。

キュミルモール行きの車両には、クラスメイトの姿が見える。

「CUMILWORLD」

駅からエントランスに向かうと、そこはドーム状の広場。

360°見渡すと色々なお店が入っている。

CUMILWORLDに入園するための心構えができる、例えるならサービスエリアみたいな感じだ。

近未来的なデザインだな...。

ここはキュミルモールに近い雰囲気がある。

中心には、よくわからない猫のキャラクターの銅像が建っていた。

おそらくここが最初のフォトスポットなのかな...。

船橋唯都(フナハシ ユト)

...!今何時だ...

18:20

船橋唯都(フナハシ ユト)

はぁ...よかった...

遅れたら何があるかわからない...。

早いうちに入園しちゃおう。

船橋唯都(フナハシ ユト)

...ゲートは一番左...だったよな...

ゲートに近づくと、アイテムがベルトコンベアで流れてきた。

船橋唯都(フナハシ ユト)

これが、アイテム...

手錠と...この巾着袋に入っているのは...?

船橋唯都(フナハシ ユト)

っ...!

ナイフに、鞭...!?

まさか、凶器が入ってるなんて...。

僕が探すことになる人って...そんなに凶暴なのか?

疑問を抱きながらアーチ状のゲートをくぐった。

「WinkCall Street」

ゲートをくぐると、思っていた景色とは違っていた。

ここはウィンカルストリート。 飲食店や限定ショップが立ち並ぶ街路だった。

遊園地...だよな?ここ。

普通に街じゃね?

お土産屋さんだけでこんなにあんの!?...流石に無理があるだろ。

道の左側にレンガ造りの大きなビルがある。

...おそらくあれが案内所だな。

船橋唯都(フナハシ ユト)

...案内所でスクーターの手配をしよう

「案内所」

ちょっとレトロな市役所みたいな雰囲気の場所だ。

...案内板がある...。

案内所にはそれぞれのフロアでできる手続きが表示されている。

車両の手配は...3階か。

入り口近くにあったカーブ階段を登る。 ここは4階までしかないからエスカレーターがないのだろうか。

このタブレットで手続きするのか。

こんなにレトロを売ってそうな雰囲気なのに、タブレットでの手続きなんだな...。

まぁそっちの方が楽だもんな。

ぱぱっと終わらせて、早くホテル行こーっと。

手続きを終えて外に出てみると、日が沈みかけていた。

うわぁ...すっかり暗くなっちゃったな。

...プラグマティビルディングってとこの入り口に行けば、そこにスクーターが設置されてるみたいだし早くそこまで行こう。

船橋唯都(フナハシ ユト)

...

船橋唯都(フナハシ ユト)

足音...。

も、もしかして...ターゲット!?

心の準備が整っていなかった僕は迷わず走って逃げてしまった。

3日間の間に...捕まえなければいけないのに...。

「PragmatyBuilding」

高層ビルがいくつも立ち並ぶオフィス街だ。

街灯に紛れた月明かりが、街を照らしている。

船橋唯都(フナハシ ユト)

...ここが、プラグマティビルディング...。

船橋唯都(フナハシ ユト)

めちゃくちゃ都会やん...

電気は点いているのに、誰もいない...。

こんな気味の悪いことってあるんだ...。

それより、スクーターはどこにあるんだ?

エリアの入り口に一台、スクーターが置いてあった。

船橋唯都(フナハシ ユト)

これか...

船橋唯都(フナハシ ユト)

...運転の仕方とかわかんない...

...手が、勝手に動く...!?

まるで体が過去の記憶に追従したような感覚だった。

...スクーターの運転知識が、直接インプットされてるのか?

船橋唯都(フナハシ ユト)

...エンジンかけるのはここ、足場はここだな

すごい。すんなり頭に入ってくる。

スクーターの運転はすぐに慣れそうな気がする!

住所は...南の11番地...。

ハンドル部分の中心に設置された液晶画面でナビ設定ができるみたいだ。

あ、ナビがある。登録しておこう。

...

よし、設定完了!

ホテルに向かおう!

4分くらい走ってようやく目印となる建物が見えてきた。

船橋唯都(フナハシ ユト)

この近くのはず...

あ!あそこにびっくりマーク!!!

知らせてくれてるのかな。

船橋唯都(フナハシ ユト)

この建物か...。

住宅街のような路地に入ったからか、街灯も薄暗くて少し見えづらい。

3階建てのアパートで、螺旋階段で登るみたいだ。

船橋唯都(フナハシ ユト)

...

部屋番号は305...。

船橋唯都(フナハシ ユト)

鍵...

巾着袋の中に部屋の鍵が入っていた。

蛍光灯で廊下は明るくて、手元がよく見える。

鍵を開けて部屋に入った。

アパート-305号室

船橋唯都(フナハシ ユト)

やっと着いた〜!

荷物を床に置いてベッドに倒れた。

...

もう夜も遅いし、今日は寝ようかな。

風呂に入って今日は早めに寝ることにした。

布団に入って目を閉じる。

疲れていたのか、すぐに眠りについていた。

アラームの音が鳴って、僕は目を覚ました。

船橋唯都(フナハシ ユト)

ん...

...朝...だ。

今日から、ちゃんと真面目に探し始めないと...。

見つからなかったら...ペナルティが何なのかわからないし...。

カーテンを開けて、身支度を始める。

船橋唯都(フナハシ ユト)

!

教えてくれるんだ!どれどれ...

infoを開くと、ターゲットはこの近くに居るみたいだった。

プラグマティビルディング入り口付近5mの範囲...。

今がチャンスだ!

ナイフと鞭をポケットに入れてスマホを手に持つ。

部屋を出て、エリア入り口に向かった。

船橋唯都(フナハシ ユト)

ここら辺のはず...

スクーターの存在をすっかり忘れて、走ってここまで来てしまった。

...怖いな...急に現れたら...。

街路樹やビルの陰で見通しが悪い。

もしかしたらアトラクションエリアに行っちゃったのかもしれないな。

プラグマティビルディングを出て、アトラクションの方に向かった。

「アトラクションエリア」

船橋唯都(フナハシ ユト)

...どこだ...?

辺りを見回しても、誰もいない。

すぐ近くの店の扉が開く音が聞こえた。

船橋唯都(フナハシ ユト)

っ...どこ!?

ポケットの中の鞭を握り締めながら、恐る恐る店の方に近づく。

?

...

空中ブランコのアトラクション入り口を通り過ぎたところで、ようやくその姿が見えた。

船橋唯都(フナハシ ユト)

...っ...!

?

...あぁ...見つかった...

そこに居たのは、中学時代のアイツ...?

船橋唯都(フナハシ ユト)

...お前...

?

覚えてる?

?

中学ん時の◼️◼️

船橋唯都(フナハシ ユト)

もちろん...覚えてるって!

?

覚えててくれたんだ!!嬉しい!

喜んでくれてる...?

船橋唯都(フナハシ ユト)

◼️◼️、何でこんなところにいるんだよ(笑)

?

...唯都に会いたかったから...かなぁ!

?

ほら!早く捕まえてみろよ

...あんなこと言ってたけど...本当は俺のこと、友達だと思っていてくれたのか?

船橋唯都(フナハシ ユト)

...いいの?

?

どうした?

?

昔とテンションが全然違うぞ?

?

あの頃みたいにしてくれよ

船橋唯都(フナハシ ユト)

あの頃みたいにって...?

?

覚えてるよね?

?

ほら、唯都ってば色々アドバイスしてくれたじゃん

船橋唯都(フナハシ ユト)

...

?

制服の着こなし方とか、プロフィールの書き方とか

?

...

?

俺のキャラを確立してくれてただろ?懐かしいなぁ

船橋唯都(フナハシ ユト)

...あぁ!そうだった!

船橋唯都(フナハシ ユト)

お前、全然パッとしない奴だったよな...w

船橋唯都(フナハシ ユト)

街で1日に3回くらい見かけるような...平凡な顔で...

船橋唯都(フナハシ ユト)

誰でもしてるような趣味しかなくて...w

船橋唯都(フナハシ ユト)

だから...

船橋唯都(フナハシ ユト)

...俺が...

船橋唯都(フナハシ ユト)

そんな量産型の◼️◼️を....

?

...

?

そうそう、めっちゃ覚えててくれんじゃん

?

記憶は鮮明だな

?

よかった

船橋唯都(フナハシ ユト)

...◼️◼️は今、どこの学校行ってんの?

?

...俺が高校に行った前提で話すなよw

船橋唯都(フナハシ ユト)

流石に行くだろwみんな行ってるんだし

?

ww面白いな

?

ねぇ唯都...

?

本当は俺が...何で今ここにいるかわかる?

船橋唯都(フナハシ ユト)

え...?

船橋唯都(フナハシ ユト)

ん〜、何でだろうなぁ...

船橋唯都(フナハシ ユト)

...あ!わかった!

船橋唯都(フナハシ ユト)

俺の一番の親友が、◼️◼️だったから...!

?

馬鹿かよ

?

...現実世界にいる人間は...基本CUMILにはインポートできない

船橋唯都(フナハシ ユト)

...ど、どういうこと...?

?

...俺はね、卒業式の4日後に死んだんだ...

船橋唯都(フナハシ ユト)

...

船橋唯都(フナハシ ユト)

死んだ...?

船橋唯都(フナハシ ユト)

嘘だろ...だって、

船橋唯都(フナハシ ユト)

お前卒業式の時に、またいつか会おうって...

?

ほら、会えてる。今

船橋唯都(フナハシ ユト)

....何で死んだんだよ...!!

船橋唯都(フナハシ ユト)

俺、中学3年間ずっとお前と過ごせてすげぇ楽しくて...

?

...

?

あははっw

?

そうだったかwww楽しかったかw

?

唯都、めっちゃ楽しそうだったもんなww

?

よかったよ君が楽しんでたんなら

?

...

?

俺の気も知らずに...

船橋唯都(フナハシ ユト)

...

?

全部唯都のせいだ

?

唯都のせいで!!!

?

俺は、自分が何だかわからなくなった

?

好きなものを言えば馬鹿にされたし...話し方も、表情も、どうしようもない癖までも指摘された...

船橋唯都(フナハシ ユト)

...

あれ...?

あの時、確かにすごく楽しかった...よな...?

...

?

あれの何が楽しいんだよ

?

俺からしたら、全てが狂ってた

?

君が口を開けば、みんな注目するし...

?

そうすると、みんな俺を変な目で見るようになる

?

俺がどれだけ平凡で、褒めるところがなくても...

?

あんな大勢の前で笑いものにするなんて、常人がすることじゃないだろ...?

船橋唯都(フナハシ ユト)

...

...思い出した。鮮明に

隣の席になった◼️◼️が俺にコンパスを貸してくれて...

そこからよく話すようになった...。

アイツは本ばっかり読んでてつまんねぇから、

昼休みに外でドッチボールするのに誘って、弱い◼️◼️を内心嗤ってたっけ...

無理やり陽キャグループに入れて、プリクラ撮って変な落書きで嗤ってたっけ...?

...俺はクラスのみんなに好かれて、

それが楽しくてもっとギリギリの発言を攻めたくなって...。

◼️◼️を俺の"道化師(ピエロ)"にしたんだ。

俺が変わろうとしたのはそれに内心気が付いていたからで...。

あの時から今までずっと...その事実から逃げてた。

?

俺を拘束するなら早くしたほうがいいよ

?

もう今日は帰ろうと思ってるから

船橋唯都(フナハシ ユト)

....

?

...それともさ、一緒に来る?

船橋唯都(フナハシ ユト)

え...?

?

俺と、一緒に...

船橋唯都(フナハシ ユト)

....それ...って....

?

来たいって言うなら...

?

いいよ、いつでも

船橋唯都(フナハシ ユト)

つまり...それは....

?

遠回しに言ったから伝わらなかった?

?

 死ね って言ってるんだけど

船橋唯都(フナハシ ユト)

......ぁ...

?

...泣いてる?

?

泣いてるの?唯都くん

船橋唯都(フナハシ ユト)

...

何で....?

全然大したこと言われてないだろ...、ただ....

ただ死ねって....言われただけで、

俺がしてきた事を考えれば、当然のことなのに...。

何で...涙が出るんだ...?

心拍数が上がって、呼吸が苦しくなる。

涙が溢れるたび、喉が絞まって...痛い...。

酷いことをした....。

一人の人間の命を...俺が潰してしまったなら...。

それはもう....地獄に堕ちるほどの大罪だ。

?

じゃあね唯都くん

?

どれだけ泣いてもママは来ないよ

船橋唯都(フナハシ ユト)

...っ....あ....

喉が痛いのか、心臓が痛いのか...わからない...。

過呼吸になって...俺の意識はそこで途切れたみたいだ。

みっちゅーずりんCUMILWORLD編

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚