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コメント
6件
段々とナチが気づいてきてる……施設側はナチの行動に気づいてるのかな?
やっば、続きが楽しみすぎる、、 本当に制限なかったらもっと早く見れるのに、、(´・ω・)
(^q^)めっちゃたのすぃみぃ…✨ 特別個体…観察対象…?ナチさんは見てはいけない何かを見てしまったのでしょうか…とにかく続きが楽しみ…!
⚠ATTENTION⚠
・実験施設、人外、能力者パロ ・腐向け要素なし ・センシティブなし ・なんでも許せる方向け
⚠️戦争賛美、政治的な意図、政治思想、思想的な主張は決してございませんのでご了承ください ⚠️史実とは一切関係ありません ⚠️史実ネタでもございません ⚠️すべて、私の妄想です
では、どうぞ⬇
医療室を出たあとも、胸の奥に残った違和感は消えなかった。
監視対象のはずの二人が、管理者である自分よりも高位の権限を持つ。 それは効率の問題だと説明できる。 実際、ソ連はそう言った。
だが、説明がつくことと、腑に落ちることは別だった。
端末に向かい、医療室のアクセス履歴を呼び出す。 淡い光が暗い執務室を照らす。
自分の識別番号は、当然ながら拒否の記録しかない。
その下に、別枠で表示される権限群。
“特別監督”。
該当する識別番号は二つ。
アメリカ。 ソ連。
画面を見つめたまま、指先が動かなくなる。
特別、という語は便利だ。 だが同時に、曖昧だ。
なぜ自分には共有されていないのか。
それだけが、明確に引っかかる。
ナチスは端末を閉じた。
思考はまとまらないが、結論は出ている。 確かめるしかない。
通常、管理官であっても立ち入らない区域がある。 施設側の専用区画。
自動照明は最低限、足音だけがやけに響く。
認証パネルに触れる前、一瞬だけ迷う。 ここから先は、職務ではなく疑念だ。
だが指は止まらなかった。
ロックが外れる。
灰色の室内は、医療室とは違う温度を持っていた。 整理された棚、端末、そして保管用のデータケース。
被検体一覧。
識別番号が無機質に並んでいた。 視線を流す。
見慣れた番号もある。
そして。
自分の番号で止まった。
見間違いかと思い、もう一度確認する。
……同じだ。
ナチスは無意識のまま、そのデータを開いた。
管理官としての履歴。 任命日。 適性検査。
そこまでは不自然ではない。
だが、分類欄。
そこに、簡潔な記載がある。
《特別個体》
一瞬、意味が理解できなかった。
個体。
被検体の一覧に並ぶ語と、同じ形式。
自分は管理官だ。 監督者だ。
それなのに、なぜ同じ枠にある…?
さらに視線を落とす。
数値の列。 測定中の項目。 “干渉”という文字が混ざっている。
医療室で聞いた言葉が、静かに浮かぶ。
偶然か。 関連か。
判断はつかない。
ナチ
独り言は、ほとんど息に近い。
背後で、かすかな音がした。 金属が擦れるような、短い音。
反射的に振り向く……が、誰もいない。 だが静けさが不自然に濃い。
視線を天井へ向けると、監視カメラのレンズがわずかに角度を変えた。
…見られている。
その認識が、遅れて全身を冷やす。
ナチスは迷わなかった。
自分のデータと、被検体一覧の記録媒体を取り出す。 USBメモリ。
保管用スロットから抜き取り、内ポケットへ滑り込ませる。
奥の通路から、足音が聞こえた。
規則正しい。 急いではいない。 それが逆に、追い詰める。
端末の画面を落とし、室内照明を最低まで下げる。
出口へ向かう足取りは乱れない。 走らない。
扉を抜けた瞬間、背後でロックが作動する音が響いた。
金属の重い閉鎖音。
ナチスは振り返らず、そのまま歩き続ける。
管理官であるはずの自分が、 被検体の一覧に含まれている。
特別個体。
その意味は分からない。
だが一つだけ、確かなことがある。
自分は、何かを知らされていない。
…それが意図的である可能性も。
……廊下の先、通常区画の灯りが見える。
光の中へ戻りながら、ナチスは無意識にポケットを押さえた。
データは確かにそこにある。
問題は――
それを誰が知っているかだ。
To be continued