先生(佐々木 秋斗)
さっきのお題はな…
先生(佐々木 秋斗)
大切な人、だったよ
篠崎 美優
大切な人…?
篠崎 美優
私が、先生にとって…?
先生(佐々木 秋斗)
あぁ、そうだよ
篠崎 美優
それってどういう事ですか…
先生(佐々木 秋斗)
さぁな?(笑)
先生は笑って誤魔化す
篠崎 美優
誤魔化さないでください!
先生(佐々木 秋斗)
あはは、分かったよ
先生は私の手を取り
真っ直ぐ目を見つめて言った
先生(佐々木 秋斗)
篠崎は俺にとって大切な人で
先生(佐々木 秋斗)
必要な存在なんだ
篠崎 美優
…………
私が唖然としていると、先生は続けて言った
先生(佐々木 秋斗)
…気持ち悪いよな
先生(佐々木 秋斗)
ごめん、これからは関わらないから
篠崎 美優
何言ってるんですか!
篠崎 美優
気持ち悪いわけないじゃないですか!
篠崎 美優
私、先生のこと大好きですよ?!
篠崎 美優
さっきも言葉も凄く嬉しかったし…
先生(佐々木 秋斗)
ふっ…(笑)
篠崎 美優
な、何笑ってるんですか!
篠崎 美優
(私は真剣なのに…)
その時、私は先生に抱きしめられた
篠崎 美優
先生…?
先生(佐々木 秋斗)
好きだよ、篠崎
篠崎 美優
…私もです
先生(佐々木 秋斗)
付き合うのは卒業してからだけどな
先生(佐々木 秋斗)
我慢できるか?
先生はいたずらに笑う
篠崎 美優
待てないかも
私も笑って返した
…………
数ヶ月後
篠崎 美優
……Zzz
先生(佐々木 秋斗)
篠崎~?
篠崎 美優
…………Zzz
先生(佐々木 秋斗)
篠崎、起きろ
先生が耳元で囁く
心地の良い、低い声だった
篠崎 美優
はっ!
先生(佐々木 秋斗)
お、おかえり
先生(佐々木 秋斗)
じゃあ、この問題解いてもらうぞ~?
篠崎 美優
あ、はい
篠崎 美優
(うぅ、全然わかんない…)
先生(佐々木 秋斗)
寝てないのか?
篠崎 美優
はい、ちょっと塾があって…
先生(佐々木 秋斗)
塾なんて行かなくても俺が教えるのに
黒板に向かう私に先生が小声で囁く
篠崎 美優
じゃあ、今度からそうしますね
私も小声で応える
先生(佐々木 秋斗)
よし、じゃあ佐藤なら解けるか?
佐藤 桜
はい、やってみます!
先生(佐々木 秋斗)
篠崎、席に戻っていいぞ
篠崎 美優
は~い
先生(佐々木 秋斗)
あ、あと…
先生の唇が近づく
息を感じるほど近くに
先生(佐々木 秋斗)
俺以外に無防備な顔見せるなよ?
篠崎 美優
…はい
先生はニヤッと口角を釣り上げた
まだ付き合えはしないけど
先生は意外とこの生活を楽しんでいるのかもしれない…
「私の恋は秋の夕暮れのように」
[完]