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ある夏の日、一人の青年が人気のない道を歩いていて、その表情はなんだか疲れたような顔になっている。
作太
...
作太
はぁ...この後、予定がないのは辛いな...
彼の名前は「道木 作太」 休日に付き合っていた彼女とデートをするはずだった彼は彼女に『別に男できたから、もうあんたいらない』と振られテンションがた落ちの哀れな男である。
作太
畜生...！あの女、最初から俺を騙しやがって...
作太
絶対許さ...ん？
帰っている途中、近くのゴミ捨て場に段ボールの箱が置かれていた。何か気になって、作太は中身を開けると...
作太
ちょっと待て...これは...
作太
...キツネ？
中身には何故かキツネが入っていた。キツネは作太に気づき、坪らな瞳で甘い声を出した。
作太
...
作太
ガチモンはなぁ...！！ガチのキツネは...
作太
〈萌える〉じゃねえかァ！！
作太
なんでここに捨て猫ならぬ捨てキツネがいるのかわからねえが...
作太
持って帰って存分に可愛がってやるぜぇ！！ヒャッハー！！
がた落ちからlevelMAXへと上がった調子でキツネを拾って来た彼だったが、キツネと一緒にどっちも目を見つめあっている。この状況は一体どういう事だろうか
作太
...
作太
ヤバい...マジでケモナーの震えが...止まらない...クソ...落ち着け...落ち着くんだぁ！俺！
猫も同様、照れ臭く作太を避ける。
作太
えっ...！？今、何か反応が普通じゃない...
作太
萌えるじゃねえか...！そんな顔しやがってよぉ...
作太
あー...このキツネが、擬人化とかなればいいなぁ...そしたらさらに萌えるんだけどなぁ...
？
もえるって何が？
作太
いや、そりゃもちろん...
作太
...
？
...？
作太
あれぇ？おかしいな...目の錯覚かなぁ？目の前に美人のコスプレイヤーみたいな人がいるぞぉ～？ハハハ...
？
び、美人だと...！？それじゃわしを美しいと...///
作太
...え？マジこれリアル？
作太
嘘だろ...？おい！
作太の前には浴衣姿の美女がそこに居座っていた。目を擦るがようやくこれが現実だということを理解した
作太
えと...あの...どちら様でしょうかね...？
？
ん？わしか？わしは...
？
主に拾ってもろうた狐じゃが？
作太
...マジだ...！？
作太
俺の理想が...叶ったのか...？
作太
...だとしたら....
作太
めっちゃ嬉しいやないか！！
作太
いや、でもいざ見てみると...
作太
何かどっかで見たことが...あるような...ないような...
？
...っ
作太
よくわからねえな...
作太
名前は？
？
わしの名前はT―....
？
はて？なんじゃったかな？
作太
えぇー！？すぐさま忘れるそれ！？
作太
まぁいいや...俺は道木作太。えっと...さっき拾ったキツネが君なら...
作太
俺の...「ペット」ってことになるのかな？
？
ペット...か
？
悪くはないのう...
作太
なんかいった？
？
いや、何も
作太
聞きたい事が山ほどあるけど、まずは名前をつけなくちゃ...
作太
そうだなぁ...
作太
「白咲」なんてどうかな
？
白咲...いい名じゃ...感謝するぞ！主よ
作太
じゃあ白咲！質問させてもらうけど...
作太
君はいつからそんな姿に？
白咲
知らんよ...気がついたらこんな姿になっとった
作太
ふむ...
白咲
主よ...わしからも質問じゃ
白咲
お主、なんも気にならんのか？わしがここにいるのも...正体だって知りたかろう？
作太
別に気にならないよ、俺は今まで一人だったし...悪魔だろうがなんだろうが俺の側に居てくれる人がいるってことが...何よりも嬉しくてね
白咲
...そうか
作太
その耳と尻尾、隠せるんだ？
白咲
まあできるかなと思ってやったらできただけじゃ
作太
すげえな...
作太
にしても、可愛いなぁ...
白咲
ふぇ？///
作太
狐ってさ、犬とか猫とかと同じように動物でも擬人化してもやっぱり可愛いんだよ。
作太
だから現実でも可愛いのは当然なのかと思ったんだ
白咲
そ、そうか...！？///
わしは...そんなに...？///
わしは...そんなに...？///
作太
なんか...照れてる？
白咲
ば、ば、バカ言うな！///
わしはその...う、嬉しいわけじゃ...ないんじゃからな！？///
わしはその...う、嬉しいわけじゃ...ないんじゃからな！？///
作太
...あっさり堕ちてね？これ
白咲
ま、まだお主とおうてついさっきじゃぞ！？惚れてない...わけじゃないじゃよ！///
作太
...段々本音言ってるような気がする...
作太
惚れてないわけじゃない...って完全に暴露してんじゃねえか...
白咲
う、うぅ...///
作太
...彼女とは、一体これからどうなっていくんだろう...
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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