テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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転校生に親友を奪われました。

第29話 - end「再スタート」

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2024年11月16日

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#yaet

#et

#転校生

#親友

まころ/macoro

ちょっといいかな…？

日比谷里夏

__どうしたの？etちゃん。

震える声で、里夏ちゃんに呼びかける。

このあと時間ある…？

日比谷里夏

……

里夏ちゃんの沈黙が、10数秒流れ

首に冷や汗をかく。

日比谷里夏

……うん、空いてるよ。

少し口角を上げて笑った里夏ちゃんは承諾の合図とともに鞄を持った

日比谷里夏

どこいこっか？

公園って無難過ぎるよね…、ごめん。

日比谷里夏

んーん、全然大丈夫！

明るく優しい声で、そう笑う。

だからこそ話しが切り出せなくて、数分の間無駄話に花を咲かせてしまった。

日比谷里夏

___で、話があるんでしょ？私に。

里夏ちゃんは少し声のトーンを落として俯きながらそういう。

！

どう切り出そうかと迷っている時、里夏ちゃんは落ち着かない様子でベンチの前を歩いていた。

……里夏ちゃんはさ

日比谷里夏

……、うん。

途端に動きをとめて、こちらに振り向く。

ya君のこと好きなの？

日比谷里夏

……え？

そう質問すると、里夏ちゃんが大きく目を見開いた。

あー、ごめん。変な話とかじゃなくて…純粋な質問っていうか…。

日比谷里夏

……好きだよ。恋愛として。

また少し笑いながら、でも早口で。

___まるで焦っているかのように。

嘘、だよね。

日比谷里夏

…なんで？

……なんで、か。

難しいな…そう言われちゃうと。

……里夏ちゃん、いつも寂しそうだから。

日比谷里夏

……w

日比谷里夏

変なこと言うんだね。etは。

またトーンが低くなって、肩が震えた。

妙な圧迫感に、声も出せない。

…ｯ、はは…。

里夏ちゃんはさ…、なんもわかってないよ。

そういうと、目を薄めた里夏ちゃんが横目で私を見てくる。

日比谷里夏

…それはどう言う意味で？

全部。

自分のことも、周りのことも

全部分かってな___

ドンッ

…ｯ

里夏ちゃんが途端に、大きくベンチを叩いた。

突然のことだったから、思わず体を揺らす。

日比谷里夏

……あんたに何がわかるの、

髪で隠れて、顔が見えない。

___だから…

日比谷里夏

私が私を一番理解してるｯ‼︎

鳥がはばたつ音が聞こえる。

里夏ちゃんの声に驚いたのか、それとも偶然か。

日比谷里夏

だからあんたらの顔色伺って、あんたらの理想になってあげてるんじゃんｯ！

日比谷里夏

私は……ｯ、

日比谷里夏

私の人生を…あんたに易々と語って欲しくない……ｯ

震えてる声で。

でも言葉ははっきりしてる。

___でもね

誰も望んでないよ。

里夏ちゃんの演技なんて。

至って冷静に、きついことを言うようだけれど

これが私の救い方。

日比谷里夏

私の本当なんか…知ろうともしなかったのに…？w

最初っから演じてたのは里夏ちゃんだよ。

私たちは里夏ちゃんの本当を見たことがなかった。

言い返せなかったのか、里夏ちゃんは口を紡いだ。

日比谷里夏

ｯ…じゃあ今は？今の私を見て、そんなこと言えるｯ？

涙ぐんでいるのが、太陽の光でわかる。

言えるよ。

私だけじゃない。みんなみんな思ってるはず。

crptのみんなは優しいし、人を理解できる。

だから私も、優しくなれる。

日比谷里夏

でもｯ……！

里夏ちゃん

日比谷里夏

…ｯ

里夏ちゃんが何かを言いかけたところで止めて

話を切り出す。

里夏ちゃんの在り方は里夏ちゃん自身が決めることだよ。

でも私はね、本当の里夏ちゃんがいいの。

いつもにこにこしてて

怒ったり

顔色が読めなくて

泣いたり

でも、人一倍寂しがり屋。

それでいいじゃん。

日比谷里夏

……

ずっと笑って過ごしてるだけの人生って

そんなの幸せになれないよ。

里夏ちゃんは道を間違えてしまっただけ。

人生っていうのは

何度も間違えて間違えて、やっと正解のルートに辿り着くものだから。

里夏ちゃんの幸せはね

里夏ちゃんは、まだやり直せる。

やり直せるだけの年月が残ってる。

私含めて、みんなが願ってるものなんだよ。

日比谷里夏

ｯ……

日比谷里夏

綺、麗事じゃん…ｯ、

日比谷里夏

そんなのｯ…綺麗事じゃんｯ…

その場で泣き崩れた里夏ちゃんが落ち着くまで

ずっとずっとそばで、里夏ちゃんの話を聞いていた。

里夏ちゃんのお母さんのこと

お父さんのこと

ずっと、自分を卑下にしてきたこと

____愛を知らずに育ってしまったこと。

（…ハンカチ、びしょびしょだ。）

里夏ちゃんの涙で濡れそぼったハンカチが

長い間溜めてきた寂しさを痛いほどに表していた。

……どう、落ち着いた？

日比谷里夏

…ハンカチ、ごめん。

泣き疲れて声が枯れてしまっている。

でもそれだけ、今までの鬱憤を晴らしたんだろう。

そんなんいいよw

日比谷里夏

………私って、ほんとバカだね。

……

まぁ…否定はしないかなぁ。

里夏ちゃんの顔を見ながら、そっと笑う。

里夏ちゃんも、少し呆れたように笑った。

ほんとの笑顔で。

日比谷里夏

…ねぇ

…ん？

日比谷里夏

……最初っからやり直すことって、可能ですか？

ちょっと敬語混じりで、恥ずかしそうに顔を隠す。

その光景に、私はまた少し笑った。

……断るわけなくない？

日比谷里夏

……w

日比谷里夏

…うん、そうだね…

……あｯ、etちゃん！

rn！待っててくれたの？

勿論です〜！！

学校に戻ると、rnが校門の前で待っていてくれた。

日比谷里夏

……え、もしかしてrnも共犯？

うん、そんな感じw

rnがぱちくりと目を見開いている。

えっと…なんか雰囲気変わりました？

日比谷里夏

いや…そういうわけじゃ…

…w

ぐいっ

日比谷里夏

ｯわ…！？

照れくさそうに下を向いていた里夏ちゃんの腕を引っ張る

私達、友達再スタートします！

おはよ~

おはよ！

恋愛も

日比谷里夏

……お…はよ！

友情も

まだまだ中途半端だけれど

ただ一つ

言えること。

私たちの夏は、まだ終わりそうにない。

……end

最後まで見てくれてありがとうございました。

個人的にはあまりうまくいかなかった作品ではありますが私の今のフォロワーさんも、殆どがこの作品を見て来てくれた方だと思います！

これからまた、新しく作品を投稿する予定ですのでぜひそちらも見てくれると嬉しいです。

この作品に関する感想や、疑問に思った点などコメントの方に残してもらえれば随時返信します。

みなさんからのコメント待ってます！

この作品はいかがでしたか？

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49件

完結おめでとうございます!泣きそうだけど家族の前なので我慢しました！ (´pωq`)

上手くいかなかった！？これが！？超すきぃ、、、、

なんだろう、、、引き寄せたところで心がぎゅっ！！てなりました！！お疲れ様ですっ！！！メチャドストライスデシタ

まころ/macoro

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