マコト
ただいま~
ユウコ
おかえりなさい
ユウコ
ご飯できてるわよ~
マコト
わかったよ、お母さん
マコトがテレビをつける
マコト
また誘拐事件だよ
ユウコ
もう嫌ね~
マコト
そういえば知らない人から声をかけられたんだ
マコト
「ソラなのね、お母さんよ」って
マコト
泣きながら
ユウコ
まぁ、怖いわね
ユウコ
あなたも気を付けなさいよ
マコト
わかった
その2週間後
マコト
俺、そろそろバイト始めようかな
ユウコ
あなたはいいのよ、働かなくて
ユウコ
うちで家事をしていればいいのよ
ユウコ
お手伝いさんにも仕事教えたりして
マコト
いいや、悪いよ
マコト
いくらうちにお金があるからって
マコト
俺働くよ
ユウコ
いいから経営のことは長男のケンジに任せなさい!
マコト
どうしたの?そんなに怒って
ユウコ
いや、なんでもないのよ
マコト
またあの人いるよ
レン
あの突然話しかけられたって人?
マコト
そ
マコト
でも最近話しかけられないんだよな
レン
まぁ関わらないほうがいいんじゃないか
マコト
まぁそうだな
家に帰り、母のユウコは同窓会で遅くなるので兄のケンジと二人で食事をした
ケンジ
ところで憶えてるか?
マコト
何を?
ケンジ
母さんが熱海旅行のとき家族写真撮らないって怒ったこと
マコト
え?そんな旅行行ったっけ?
ケンジ
そうか~マコトまだ小さかったから憶えてないか
マコト
多分そうだな
マコト
でも小さい頃憶えてることといえばお母さんの雰囲気が2歳頃から変わったってことかな
ケンジ
そんなことあったっけ
マコト
確かあったはず
ケンジ
俺も憶えてないこといっぱいあるんだな~
3週間後のことだ、俺がコンビニから帰る途中おばあさんに話しかけられた
おばあさん
財布落としたのだけど見当たらなかった?
マコト
俺は知らないなぁ
マコト
交番に届いているかも
マコト
一緒に行こうか?
おばあさん
すまないねぇ
その後俺とおばあさんは交番へ行き、財布のことを尋ねた
数日後警察官の人から連絡がきた
警察官
こないだはありがとうございました
警察官
おかげで財布は見つかりましたよ
警察官
見つけた人が交番に届けてきてくれました
マコト
それはよかったです
警察官
しかしおかしいなぁ
マコト
何かありましたか
警察官
失礼ですがお名前はハタモト マコトさんで本当によろしいですか?
マコト
えぇ
警察官
実は住民票にハタモト マコトという人物は存在しないんですよ
マコト
え?
私は言葉を失った
そういえばお母さんは将来は仕事をするなといつも言っていた あれは履歴書を出す時に自分の子どもじゃないことが分かってしまうからなのだろうか
2歳頃にお母さんの雰囲気が変わったのは誘拐されてお母さんが別人になったからなのだろうか
では本当のお母さんとは一体誰なのだろうか
マコト
すみません、一つ質問していいですか?
警察官
何でしょう
マコト
本当なら現在17歳のしたの名前が「ソラ」という人はいますか?
警察官
すみません、そういった名前の人はたくさんいますので
警察官
あ、そういえば全然関係ない話で申し訳ないのですが
警察官
確か誘拐事件の行方不明の人で「イガラシ ソラくん」って人がいましたね
警察官
今も生きていればきっと17歳なのかな