花コトバの魔法

隣の席の颯太がつんつんと肩をつついてきた。

どきんと大きく心臓がなった。

ノートを指でとんとんした。

きらきらの笑顔で言われたら。

ドキドキしちゃうじゃん........

休み時間。

まぁ、ポエムのことば選びしてただけなんだけど。

私は机の上に置いたポエムノートを

急いで机の中に入れた。

そのあと。

学校では先生に目をつけられていたので、

真面目に授業を受けた。

カバンからノートを出そうとした。

ポエムノートがないっ！

かばんをひっくり返してみてみても

ポエムノート失くしたとか死んでも言えねぇ！！！！

ちょうどきた颯太に玲奈が話しかける。

玲奈はとぼとぼと離れていった。

颯太のカバンの中から出てきたそれは

私のポエムノートだった。

顔が熱い。

もう誰か私を燃やして？

灰にして？

あーもーめんどくさいな

言葉にするとやっぱりつらいな。

颯太は下を向いた私に

と、覗き込んでくる。

顔ちかっ

あぁ。やっぱり好きだ。

この顔がちっちゃい頃から大好きなのに。

こういうことする性格が大好きなのに。

ダメだ。

抑えられない。

つぶやく。

顔を上げて颯太の顔をしっかり見る。

目を見開いてびっくりしている。

目が泳ぎ始めた。

どうやって断ろうか考えているんだ。

........考えたら胸がキュッと締め付けられた。

あははと乾いた笑いが口からこぼれる。

にっこりと笑ってみる。

私、泣いてるの？

ばっと頭を下げてきた。

真っ直ぐなその目で言われたら........

君に好きな人がいて、

叶わない恋だとしても。