学校のみんな
あんたさーそろそろ誕生日近いでしょー。
学校のみんな
誕生日プレゼント何すんの?
学校のみんな
やっぱ新作のゲームよねー。
学校のみんな
こんど一緒にやろうよ!
学校のみんな
いーよ。
玲奈
今はみんな誕生日が近いので誕生日プレゼントの話ばかりしてる。
玲奈
ちょうど3年前まで誕生日プレゼントもらうはずだったのに。
玲奈
私には父親がいない。
玲奈
ちょうど3年前私の誕生日に事故にあった。
玲奈
今はお母さんがいくつもの仕事を掛け持ちしてなんとか食いつないでる。
玲奈
私は将来お母さんに楽させたいから今一生懸命勉強してる。
玲奈
いつもの日々…それは…
玲奈
私が学校から帰ってきたらお母さんが決まっておやつをくれる。
玲奈
しかもお母さんが作ってくれるプリンはほっぺたが落っこちるほど美味しかった。
玲奈
そしてその後お父さんが帰ってきてお帰りなさいと言い飛びつき、
玲奈
その後にお父さんとくだらない話をして寝る。
玲奈
これが私のいつもの一日だった。
玲奈
けど3年前の私の誕生日、父は帰ってこなかった。
玲奈
食卓には私の好きなお寿司やお肉そしてお母さんお手製のプリンアラモードが置かれていた。
玲奈
父が死んでいるの知らずに私達はご飯を食べた。
玲奈
そして次の日私はなぜか学校を休んだ。
玲奈
そして連れてかれたのは小さな部屋。
玲奈
そこにいたのは全身白い服を着て顔に布を被せられてた父だった。
玲奈
私の誕生日、帰り道で車に轢かれて即死だった。
玲奈
手には私の誕生日プレゼントを持っていたらしい。
玲奈
中を除くとバキバキだったが私のスマホだった。
玲奈
私は乾いた血だらけだった袋を抱きしめた。
玲奈
この部屋にに響く泣き声、それはまるで悲鳴のようだった。
玲奈
今では生活は苦しく、家を売りアパートに引っ越した。
玲奈
お母さんは私のために頑張ってる。
玲奈
私も頑張らなきゃ駄目だ。
玲奈
勉強、勉強。
夜
母親
ただいま…
玲奈
おかえりお母さん。
母親
ウッ…ごめんねぇ
玲奈
どうしたの?
母親
あなたにこんな辛い思いさせちゃって。
玲奈
お母さんはわるくないよ!今お母さんは頑張ってる私はそれだけで幸せだよ!
母親
ハァ…ハァ…
玲奈
お母さん!顔真っ青だよ!?
母親
最後にあなたの誕生日を祝った日、三年前の明後日だったわよね…
玲奈
そうだけど…
母親
あなたの誕生日に必要なお金が貯まったのよ。
母親
今年こそは…待っててね…玲奈。
玲奈
お母さん…ありがとう。
玲奈
その次の日から私に笑顔が戻った。
玲奈
はやく明後日が来ないか待ち遠しかった。
玲奈の誕生日
プルルルルルルルル!プルルルルルルルル!
玲奈
はい…
医者
もしもし玲奈さんですか?
玲奈
はい?
医者
突然ですがあなたのお母さんがバイト先で倒れました!
玲奈
!?
医者
今すぐ病院に来てください!
玲奈
は…はい!
病院
玲奈
お母さん!
ピッピッ
医者
玲奈さんですね。
玲奈
母は…
医者
疲労とストレスがたまり倒れたんでしょう。
医者
しかももう手遅れで…回復の見込みは…
玲奈
そんな!薬などは…
医者
今の技術ではどうにも…
医者
私共は出ますんで、お母さんの側にいてやってください。
バタン
玲奈
お母さん…今日…私の誕生日だよ…。
玲奈
お母さん…祝ってくれるって約束してくれたよね。
玲奈
なんで?神様…
玲奈
なんで私の誕生日に大切な人を奪ってくの?
玲奈
私達何も悪いことしてないのに…
玲奈
お願い…お願いだから…お母さんは連れて行かないで…
玲奈
私…お母さんがいないと…一人ぼっちになっちゃうんだよ…
玲奈
ねぇ…お父さん…助けてよ…
玲奈
神様は…お父さんにつれてお母さんまで連れて行こうとしてる…ねぇ!お父さん、天国にいるなら…神様を…止めてよ…
玲奈
私を…一人に…させないで…
玲奈
助けて…お父さん…お父さん
父親
ごめんね…玲奈
父親
私がなんとかしてみせるから…
玲奈
おっ…お父さん…!?
父親
生きてる時は何もしてあげられなかったね。
父親
そういえば今日は玲奈の誕生日!これが…私からのプレゼントだよ…
玲奈
お父さん…
父親
玲奈…そんなとこで寝たらかぜをひいてしまうよ。
父親
妻よ…私のせいで本当に苦労を…かけてしまったね。
父親
私があの時轢かれなければ…
父親
許してくれ…
父親
今日は私達の娘の誕生日…一つくらい奇跡が起きてもいいだろう。
母親
玲奈…玲奈!
玲奈
うっ…
母親
私は一体…
玲奈
おっ…お母さん!
医者
そんな馬鹿な…奇跡だ…
母親
どうして…私はこんなとこにいるんだ…
玲奈
お母さんはね…職場で倒れて病院に運ばれたの!そして…ずっと死ぬかもしれないと言われてたのに…
玲奈
回復して…ウウウウ
医者
それにしても…よかった…
医者
あなた…一晩中娘さんがついててくれたんですよ。
医者
それで奇跡が起こったのかもしれませんね。
母親
玲奈…心配かけてしまったね…
玲奈
お母さん…生きててよかった…
母親
本当だったら誕生日を祝うはずだったのに…
母親
それにプレゼントも…
玲奈
いいの…お母さん。
玲奈
私ね…誕生日に最高のプレゼントをもらったから!
母親
えっ?それは…誰から?
玲奈
それはね…天国にいる…パパからだよ。