テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
1人の少女が真っ暗な道を走り続ける
右足には瓦礫が突き刺さっており黒い液体のようなモノが少女の右足を支えている
左手は鞭で叩かれた悍ましい程の跡があり右手は既に無い
身体中傷だらけで顔は殴られて瞼が腫れ頬が爛れ原形が無い
ギュッと杖を握るがあまり力が入らず上手く掴めていない
何故今こうなったのか
それは5時間前の出来事である
暇だ
でも泣いたり動いたりすると怒られちゃうから動いちゃ駄目
1人の少女が体育座りで部屋の隅っこに居る
でもね
ご飯をくれる時はいつもより優しくしてくれるの
…
少女の魔力は何故か毒のような性質を持っておりそれで母体を殺してしまった過去がある
それが判明するやすぐに地下に閉じ込められてしまったのである
チリンチリンと鈴の音が上がり少女が顔を上げる
瞬間
どちゃりと嫌な音がする
少女の顔面にご飯が落ちて来たのである
スープは熱々で少女の目を刺激する
手で顔を擦りご飯を地面に投げる
少女の白い髪がスープで少し色が変わっている
少女は魔力の影響で髪は白く、目は紫であり全身がいつも真っ青である
地面に散らばったご飯を手でかき集め素手でモグモグと食べ始める
一瞬頬に針を刺したかのような感覚がしたかと思えばジワジワと鉄の味…血の味がする
少女は一瞬顔を歪ませたが構わず食べ続け喉に痛みが走った後また食べ続ける
少女が全ての食事を食べ終わりしばらくすると鈴が5回なる
呼び出しの合図である
一瞬筋肉が硬直し胃がグルグルと痛みを出し脳が行くなと警報を鳴らす
少女はそれを無視し立ち上がり自らの手で耳栓、目隠し、口輪、そして白い服…その服は分厚く重そうである
それを軽々と持ち上げ服を着る
しばらくすると使用人がやって来て少女に目を合わせすらせずに縄を少女の手首に縛り
まるで犬のように縄を引っ張り少女を連れて行く
そしてとある部屋に来た
少女は知っている
この部屋は実の父の部屋である
父親が使用人に話しかける
瞬時に父親は激怒し少女の髪を引っ張り右手で少女の腹を殴る
奥ではクスクスと笑っている使用人の声がする
怒号と殴られる音がししばらくするとそれがピタリと止みボロボロになり彼方此方血が出て少し折れ曲がって居る部分がある
少女の首根っこを掴んだ父親は少女を部屋の外に投げる
グギッと鈍い音がする
使用人は当たり前のように少女に近づき縄を持ち動かない少女を引きずる
時々ガゴッと様々な場所をぶつけ少女は先ほどよりも怪我が増えており、先程より痛々しい姿である
少女は今日
5歳の誕生日である
が
それを気にする者、思い出す者は誰1人としておらずその中に少女も入っている