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爽希
翌朝、教室に入るなり爽希が声を上げた。
大げさすぎて、周りのクラスメイトが何人かチラッとこちらを見る。
…やめてほんと、注目しないでほしい。
優花
爽希
爽希
優花
爽希
爽希
爽希
爽希のテンションは上がる一方で、私の心臓もそれに比例してバクバクしてくる。
思い出すだけで、あの低い声が耳に残って離れない。
……いやいや、ないない。あんな人と私なんて、住む世界が違う。
爽希
優花
彼女はニヤニヤしながら、私の頬をつついてくる。
その時──教室のドアがガラリと開いた。
煌世
入ってきたのは、まさかの本人・加藤煌世。
クラス中が一瞬で静まり返る。
彼が通るだけで、まるで空気が変わったみたいにみんな距離をとる。
……なのに。
煌世くんは、教卓の前で立ち止まると、ゆっくりとこちらを向いた。
そして、ほんの一瞬──目が合った。
煌世
優花
爽希
爽希の声が後ろで響く中、私はただ真っ赤になって固まるしかなかった。
あの冷たい瞳の中に、ほんの少しだけ優しい光が見えた気がした。
それが勘違いでもいい。
たった一言の「おはよう」が、心の中で何度もリフレインした。