テラーノベル
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妖怪山へ向かう途中
空は薄く曇り、風が妙に重たい
魔理沙が先頭を飛ぶ
魔理沙
妹紅は歩きながら炎を指に灯す
弱い
普段なら無意識でも燃えている
今は意識しないと消えそうだ
妹紅
その時、銀色のナイフが
空を横切った
魔理沙
岩陰から現れたのは、 馴染みのあるメイド
十六夜咲夜
咲夜
冷静な声
だがその目の奥には
わずかな焦りがある
咲夜
咲夜
魔理沙が顔をしかめる
魔理沙
咲夜は小さく息を吐く
咲夜
咲夜
妹紅が止まる
妹紅
咲夜
風が強く吹いた
山の上空に歪みが走る
空が裂けるように揺れる
妹紅の炎が揺らぐ
その瞬間
時間が止まった
風も、雲も、木の葉も
動いているのは咲夜だけ
咲夜
停めたはずの時間の中で、
空の裂け目がゆっくりと広がっていく
咲夜
昨夜の瞳が、わずかに見開かれる
裂け目の奥から、白い光が漏れる
その光の中にーー
少女の輪郭
白いリボン
咲夜
昨夜が1歩踏み出した瞬間
時間が戻る
ドン、と衝撃波
妹紅の炎が爆ぜる
魔理沙が叫ぶ
魔理沙
咲夜は静かに言う
咲夜
妹紅が睨む
妹紅
咲夜は少し迷い答える
咲夜
妹紅の胸が強く疼く
炎が一瞬白く染まる
妹紅
低い声
妹紅
魔理沙は腕を組む
魔理沙
そのとき
山の上から弾幕が降り注ぐ
緑の弾が雨のように
山の天狗
声が響く
山の天狗たちが警戒している
魔理沙が笑う
魔理沙
妹紅は空を睨む
妹紅
昨夜がナイフを構える
咲夜
魔理沙が箒を構える
魔理沙
妹紅の炎が、再び強く燃え上がる
妹紅
自分に言い聞かせるように
咲夜
空がさける
白い影がはっきりと形を持ち始める
その顔はーー
まだ見えない
だが確実に
幻想郷からひとつの「存在」が削られつつある
そして
それを止められるのは
時間を操るもの
星を撃つ魔法使い
そして、不死の炎を持つもの
3人の物語が、ここから本格的に絡み始める
ーー続く
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