母
レイディ!ちょっと手伝ってちょうだい
外から母の声が聞こえてきた
レイディ
はーい
母
この3枚をそこと、あそこに貼ってくれるかしら
レイディ
え、これ何?
母
レイディの結婚相手を探すために作ったのよ
レイディ
そんなの必要ないよ!
レイディ
私はずっとお母さんといるつもりよ!
母
何を言っているのレイディ
母
あなたはもう29よ?
母
来年で30
母
お母さんはレイディが良い相手と結婚して幸せになってほしいのよ
レイディ
…でも
母
でもじゃないわ
母
良いわね?貼ってちょうだい
レイディ
分かったわ
母は私の結婚相手を探すためにチラシを作って近所に貼っているのだ
レイディ
でも自分の名前が載るなんて恥ずかしいわ
母
偽名でも良いわよ
母
クリスとでも名乗っておきなさい
レイディ
分かったわ
私は名前の記入欄にクリスと書いた
母
結婚の話をしてたらあの人のことを思い出してしまったわ
レイディ
あの人ってお父さんのこと?
母
ええ
母
最初は優しくて明るくて良い会社にも勤めて完璧な人だったわ
母
けれど酒癖が悪くて、他の女と手を繋いで歩いていたわ
母
それを3回も見たわよ
母
その3回も一回一回人が違かったわ…
レイディ
てことは何人もの人と浮気をしていたの?
母
ええ、そうよ
母
ただの女好きだったのよ
レイディ
…
母
あなたもジョーイ(父)のような人と結婚なんてしてはいけないわよ
レイディ
分かった
数日後
レイディ
お母さん!私宛に手紙よ!
母
あら!
母
見てみましょ!
そこには、こう書いてあった
レイディ
クリスへ
レイディ
私は都心の会社に勤めて、〇〇団地に住んでいます
レイディ
私もあなたのような素敵な女性を探しておりました
レイディ
どうか結婚を前提にお付き合いしてくれませんか?
レイディ
ですって!
母
…
だが母はすぐにその手紙をゴミ箱に捨てた
レイディ
なぜ捨てるの?
母
名前も読んでちょうだい
そこには”ジョーイ“と名前が書かれていた