テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
12件
あんなに可愛いんですもの、らんくんもきっと好きになりますわよ(エセ予言者A)
🍵ちゃんあだ名が 可愛すぎてやばい🤣🤣 🌸くんは許さないかもだけど いつか🍵ちゃんの 可愛さに気づこう? 多分一目惚れしますわよ?😆💕
とってもおもしろくて先が気になっちゃいます! 続きまってます!
sutie
休憩所からノンストップで走り続けた俺は、校庭までには既に息が切れていた。
乱れた息を深く深呼吸しながら整える。 そうしていく内に、不思議と心の乱れも少し整えられていくような気がした。
1歩足を踏み入れる。
踏み入れた途端に向けられる少し冷えた視線が俺の体に突き刺さる感覚がした。 俺は周りの視線を、顔を映さぬよう俯きながら自分の席に戻った。
皆、俺の話で持ち切りなのか、周りからひそひそと俺の名前が上がっていた。 そしてそれと同時に、嘲笑うような揶揄(からか)うような。 そんな嫌な笑いが後を絶たなかった。 そんな時__
Ameno kosame
sutie
彼、こさめちゃんが手をこちらに振り、俺の名前を呼びながら走って向かってきた。
sutie
Ameno kosame
Ameno kosame
sutie
俺が先程まで休憩所で寝ていたことを知らないこさめちゃんは俺を心配してくれるようだった。 ___なんで俺なんかに構ってくれんるんだろ。
嫌な思考が頭を過ぎる。
…ッ、だめだめッ、
嫌な思考を遮るかのように、こさめちゃんの声が俺の意識を変えさせる。
Ameno kosame
Ameno kosame
sutie
Ameno kosame
Ameno kosame
sutie
人に心配されたのいつぶりだろう。
心が温かくなる感覚が心の中に残った。
そうしている内に勿論、周りの視線は俺らに集まる。 そして、女性の視線が刺さるほどに痛い。
Ameno kosame
Ameno kosame
sutie
sutie
こさめちゃんは誰かに呼ばれて走り去った。 きっとそのこさめちゃんを呼んだ誰かは、らんさん……な気がした。
そして、去る時に謎にこさめちゃんからあだ名……まぁそんな感じな物、「すちすち」なんてつけられた。
……本当にそんな呼び名になったら女の子みたいじゃん。 本当の性別は男だし( ᐛ )
過ぎ去っていく彼の姿を見ていると、昔の自分と少し重なる。
まだ幸せだったあの時と同じ様な。
彼が走り去っていく背中を見つめる。
それは、俺と彼の遠さを表しているかのように。
彼までの道のりが広がっていた。
その道のりが一生をかけてでも縮まらないことを願って───
Ilm
遠目から彼女(すちえ)の顔が映る。 その彼女の顔は前までは考えられない程歪んでいて、珍しかった。 というか、見た事もなかった。
確実に、彼女の周りで何かが起きている。 そう思ってしまう程、彼女は変わった。 “ 完璧 ” から “ 劣った子 ” に生まれ変わってるかのように、今の彼女の姿は___
〝助け〟を求めてるかのように思えた。
そんな彼女を救いたいと。思ってしまう俺は周りとは可笑しいのだろうか。
空を見上げる。
漫画に描かれたような空の色が俺の目に澄んだように映る。
髪が風になびかれ左右に揺れる。
俺の心は今の空みたいに同じ色1色で塗りつぶされた空っぽの心。
何かを欲している。
胸がズキリと痛み、悲鳴を上げてるかのようだった。
そんな胸を撫で下ろした時、いつも視界に映るのは___
君(すちえ)なんだって。
俺のこのどうしようもない痛み。 それを抑えてくれているのは君なんだよ。 すちえ────
どうしたら治るんだろうな。 この胸の痛み。
Ilm
重く吐いた息。
そんな息は、蒼い空に溶け込んでいき何事も無かったかのように消し去った───
誰か……助けてくんねぇかなッ、
闇に飲まれたかのようにヒビが入った俺を。
Lan
自分の席に座り、汗をタオルで拭っている 咲 に対して話しかけた。 すると 咲 はこちらを振り返り明るい笑顔で返事をしてくれる。
Tukina saki
Tukina saki
彼女が笑顔を浮かべる。
咲 は俺の言葉を丁寧に扱い礼を言う。 そんな優しい君にまた1つ沼る感覚が俺の中に飽和する。 ………まだこの感覚は慣れない。 初めての感覚にまだ体や思考が慣れていない。 けどそれでも君のこの感覚が俺には堪らなく嬉しくて最高だった。
彼女(咲)の笑顔に俺は見惚れた。 君のその素敵な笑顔に───
Lan
Lan
Tukina saki
彼女の手を引き、彼女の歩幅に合わせて歩き始める。
彼女と会話を混じえながら、教室帰っていると、俺の視界には“ 醜い物 ”が映る。
今呑気にこさめと話している彼奴。 すちえ。
sutie
Ameno kosame
俺はこさめが信じられなかった。 俺らの初恋相手を散々虐めていたすちえに何故優しくする。笑顔を向ける。 こさめに苛立ちが立ちながらも、こさめが仲間なのは変わりはない。 苛立つ声を装い、怒っていないかのような声でこさめに声をかける。
Ameno kosame
こさめは俺の声に気づいたのか、すちえに手を振りながらこちらに走ってきた。 その時に見せた笑顔は、俺の中では久しぶりに見た“こさめの笑顔”だった。
Lan
Ilm
こさめを連れて帰る道中にも、俺はいるまにも声をかけた。
ただ、そんないるまから返ってきたのは思いもよらぬ答えだった。
___何時ものいるまならすぐにこちらに向かってくるのに。 今回は向かうどころか、目線すらもこちらに向かなかった。
Lan
Tukina saki
Ameno kosame
今の光景は、何かが崩れているような。そんな空間だった。
気まづく、その場の空気が重い。
いるまの何か考えている時の顔は大体俺は知っている。 だから、今の顔が思考を巡らせていることを俺は知っている。
Lan
Ilm
その場の空気に耐えられなくなったかのように、俺とこさめ、咲はその場を去った。 ───いるまの背中を後ろに。
今のいるまの姿は、どこか悲鳴をあげているかのような。
暗くずっしりとした黒い霧がいるまの体にまとわりついているかのように思えた。
俺らの考え、気持ち。 甘い理想像を持っていた俺らを。 現実に引き戻すかのように辛さを見せてくるのは___ 彼奴なのかもな。
sutie
俺の視界に映っている“醜い物”が。
5話 考えと気持ち _ 𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡