“どこにも行かないで”
“ずっと傍に居て”
“逃げたりしないで”
“アナタは私の全てなんだから”
それが
母さんの口癖だった
両親が離婚したのは
僕が5歳のとき
父さんが浮気をしていたらしい
離婚したあと、母さんは
僕に執着するようになった
それも
異常なほどに
学校から帰った後
遊びに行くのは禁止
習い事もやめさせられた
中学生になる頃には落ち着くかと思ったけれど
そんなことはなくて
高校には
そもそも行かせてもらえなかった
奏汰
奏汰
奏汰
奏汰
そう
思っていた
いや
思わないといけなかった
でも
母さん
奏汰
母さん
奏汰
母さん
奏汰
奏汰
母さん
奏汰
母さん
母さん
母さん
奏汰
母さん
母さん
母さん
母さん
母さん
奏汰
奏汰
奏汰
奏汰
奏汰
そう思い込むのは
もう
嫌なんだ
毎日毎日
同じことを言われて
僕はきっと
これ以上耐えていられない
だから
奏汰
奏汰
奏汰
ドスッ…
寝ている母さんの胸に
包丁を突き立てる
奏汰
奏汰
“どこにも行かないで”
“ずっと傍に居て”
“逃げたりしないで”
奏汰
奏汰
ドスッ…
これで
ずっと一緒だね
Fin.
賢流
麗流
賢流
賢流
麗流
賢流
賢流
賢流
賢流
賢流
麗流
賢流
賢流
賢流
賢流
賢流
賢流
麗流
麗流
麗流
麗流
賢流
賢流
コメント
19件
コンテスト参加ありがとうございます。 凄いですね...特にひねる事もしていないのに、こんなにもストレートで満足感のある物語が書けるとは...!貶してる訳では無いです!決して母を嫌いな訳では無いからこその解決策だったのかもしれません。母にとって息子が全てだったように、息子にとっても母が全てだったのかも...。
お母さんの怖いくらいの執着心が、どんどん主人公を追い込んでいって、、それが読んでる側に直に伝わってきて、、 凄かったです
解決策が🥺