なんで忘れていたんだろうと 疑問になるほど、あの頃のことを 鮮明に思い出した。
考えれば考えるほど、 後悔が襲ってくる。
せめてもの償いとして、 私にできることは…。
村宮 望
村宮 望
お花の冠作ったの!
村宮 望
村宮 望
後で教えてあげる!
そう言いながら、冠を頭にのせる姿はまるで、どこかの国のお姫様のようだった。
村宮 望
そんな彼女に憧れた私は、 花の中に目をやった。
村宮 望
なにか、キラキラ光る 宝石の様なものがある。
村宮 望
腕を伸ばして光るものをとった。
村宮 望
村宮 望
村宮 望
目を輝かせ彼女を呼ぶが、 その先には女はいない。
残っているのは、綺麗な花畑と 蜜を吸いに来た虫たちだけ。
村宮 望
村宮 望
イタズラかな、嫌われたかな、 思い浮かぶのはそれしか無くて、
いつの間にか不機嫌になって、 家に帰っていた。
気がつくと、光る宝石の様な物は 持っていなかった。
村宮 望
目が覚めて見えるのは 自分の部屋の天井。
人の顔みたいなシミと目が合ったような気がして、朝から気分が悪くなる。
村宮 望
村宮 望
よく分からない夢を見た。
あんな花畑がある訳無いのに、 自分がそこにいて、
知らない女の子と遊んでて。
気味が悪くて仕方ない。
村宮 望
村宮 望
ガチャンと音を立てドアを開けると シンと静まり返ったリビング。
お母さんは、仕事に言ったんだと 分かった。
ソファに座り、テレビのリモコンをとる。
電源をつけたあと、お母さんが作って置いてくれた朝ごはんをゆっくり口にする。
村宮 望
少し冷たいけど、忙しい中用意してくれたと思うととてもありがたい
ご飯を食べながらテレビに視線を 戻すと、丁度ニュースがやっていた
9年前に行方不明になった 女の子の遺体が見つかったという。
可哀想だなぁなんて思いながら 朝食を食べていると、 衝撃な事を耳にする。
『見つかった遺体は、9年前行方不明になった■■さんと見て、──』
村宮 望
思わず耳を疑ってしまった。
手を机に置き、身を乗り出して テレビをじっと見つめる。
間違いない。
一瞬にして、鳥肌が全身を覆う
夢に出て来た子と同じ名前だったのだから───