海斗
十六歳か…。これはおもしろい。
海流
ねぇ海斗、その子僕達が指導しない?
海流はひらめいたと言わんばかりに瞳をキラキラさせて言った。指導か…。面白そう。
青山さん
本気ですか!?どこの誰かもわからないのに…。危険すぎます!
海斗
うーん。じゃあ多川さんに相談してみたらいいんじゃない?
俺がそう言ったとき後ろから声がした。
多川さん
いいよ。この件は海流君達に一任する。
青山さん
…了解しました。ボス。
青山さんは腑に落ちない様子だったが、多川さんの指示に従った。
海斗
いいの?多川さん。
俺は多川さんに再確認する。
多川さん
うん。君達も部下を育てるのは始めてでしょ。いい勉強になると思うよ。好きにしちゃって構わないよ。
海流
好きにしていいの?
俺達はニヤリと笑いもう一度問い直す。
多川さん
うん。いいよ。
多川さんも笑みを浮かべ深くうなずいた。 どう教育しようか…。
多川さん
その少年の所に二人を案内してやってくれ。
多川さんは青山さんに指示を出す。その姿はまるで百獣の王、ライオンのよう。俺達といる時とはまるで別人だ。
青山さん
了解いたしました。
青山さんの後に続き、審査室に向かった。
審査室
青山さん
失礼する。
青山さんはドアを開き、俺達を先に通してくれた。
海流
ありがとう。青山さん。
海流かお礼を言い、俺達二人が少年の席の前に座ると、少年は口を開いた。
零くん
入団希望の横田 零。No.2って人たちはどこだ?
零くんは辺りをキョロキョロと見渡し、こちらに首をかしげる。
海流
あのぉ…
海流が申し訳なさそうに言う。 そして俺も…
海斗
No.2は俺達だけど…。
最初の青山さんもそうだったなぁ…。懐かしい。
零くん
えっ…こんな子供が…?
零くんは冗談だろうとでも言いたそうな顔をしている。
海流
えーっと。今日から君の教育係、上司になる、宮島 海流。
海斗
宮島 海斗だ。
青山さん
お二人の部下の青山 咲だ。