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いのち

1 - いのち (前編)

♥

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2020年02月01日

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ユキエ

一成さん

ユキエ

私、赤ちゃんできたの!

一成

そ、そうか

ユキエ

そうよ!

ユキエ

一成さんパパになるのよ!

一成さんと私は同じ職場をきっかけに 交際するようになった

ユキエ

それで…私たちそろそろ

一成

あ、ああ

一成

そうだね

一成さんは社長の跡取り息子であり、奥さんがいた。

ユキエ

奥さんとはもう離婚したんでしょ?

一成

いや、まだ…

ユキエ

え…

一成

あとちょっとで説得できるからさ!

一成

あと1週間だけ!待って!

ユキエ

分かったわよ…

幸せはもう間近にある

そう思っていた

約束の1週間後

ユキエ

あの!

ユキエ

クビってどうゆことですか?!

ユキエの上司

しょうがないだろ

ユキエの上司

社長からの直々の申し出だ

ユキエ

分かりました…

一成だ…!きっと父親の社長に頼んで …

ユキエ

一成!

一成

応答なし

応答なし

一成

応答なし

応答なし

一成

応答なし

応答なし

一成

応答なし

応答なし

ユキエ

なんで出ないのよ!

それから数日後

一成から私の口座に多額の慰謝料が振り込まれていた。

しかし、一成からの連絡は一切ない。

ユキエ

どうして…

ユキエ

なんで私が捨てられるの…

ユキエ

殺してやる…殺してやる…

やがて私は彼を恨むようになった。

そんな私とは裏腹にお腹は大きくなるばかりだった。

慰謝料でお金は十分あったので、 しばらく働かなくても生活ができた。

ユキエ

買い物終わったし…

ユキエ

あ、ドラッグストア行かなきゃ

ユキエ

ん?

ユキエ

あれ…

一成だ

奥さんらしき人もいる

一瞬声をかけるか迷ったが、やはり1度話をしたいと思った

ユキエ

ねぇ、一成でしょ?

一成

え?

一成の妻

あら?貴方の知り合い?

一成

さぁ?

一成

人違いじゃないですか?

ユキエ

はぁ!?ふざけないでよ!

一成の妻

やだ、何この人…

一成

ちょっと話してくるから、先行ってて

一成の妻

えぇ

ユキエ

どうして、シラを切るのよ!

一成

金は渡した

一成

もう俺に関わらないでくれ

ユキエ

ふざけんな!

ユキエ

人の人生をなんだと思っての!

一成

は?

一成

そんなの…

「《他人の人生》としか思ってないけど」

あれから泣きながら家に帰った

彼に対する怒りより自分が惨めで仕方なかった

ユキエ

最悪…

ユキエ

いたっ

またお腹のソレが動いた

ユキエ

こいつは…一成の子ども

ユキエ

私を捨てたアイツの

そう思うと怒りが込み上げてきた

ユキエ

死ね!死ね!

ドンッ…ドンッ…ドンッ

気がつけば私はお腹を何度も壁に打ち付けていた

ユキエ

お前のせいで!お前せいで!

それからしばらくするとソレは動かなくなった

頭を過ぎったのは《これは罪にとわれるのか》ということだった

ユキエ

まぁいっか

ユキエ

明日病院行こう…

そう思って寝ようとした…

ユキエ

いた!

急に腹を突き破られるような痛みに襲われた

ユキエ

どうして…あんなに壁に…

ユキエ

痛い!痛い!

ドサッ

床に落ちたそれは仰向けになって倒れていた

泣かないし動かない

ユキエ

やっぱ死んでたんじゃん…

少し安心し、ソレを持ち上げ顔をみた

その瞬間の目が開いた

ユキエ

うわああああああ

ユキエ

なによこのバケモノ!

ソレの目は白目の部分がなく真っ黒だった

慌てて放り投げようとしたとき

「ヒトゴロシ」

ユキエ

いやああああああああああああ

恐怖で急いで外に出た

ユキエ

あいつ…喋った…!

おぼつかない足取りでマンションの階段を下りていた

ユキエ

私は悪くない…

ユキエ

私も被害者…

自分に言い聞かせていた

ユキエ

悪くない…悪くない…

ユキエ

私は…

頭が朦朧とした瞬間____

ドタ…ドタドタドタ

階段から転げ落ちた

ユキエ

わた…し

ユキエ

ユキエ

死ぬんだ

遠のく意識の中で私が最後に見たもの…

それは紛れもなくバケモノと化した

アカチャンダッタ

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コメント

46

ユーザー

やばいニダ

ユーザー

:(;゙゚'ω゚'):

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