人々の悲鳴。
遠くから聞こえてくるサイレンの音。
???
地面に転がる、真っ赤に染まったセーラー服の少女。
少女を見つめ、固まるセーラー服の少女。
???
少女は、涙を流しながら独り言を溢す。
ポケットから赤いクリスタルを取り出して、一つ投げた。
???
瑠奈
遥
セーラー服を着た二人の少女。
はーちゃんと呼ばれた少女は困ったように笑う。
瑠奈
遥
瑠奈
遥
遥はどこか遠くを見つめながら答えた。
小さな頃から隣に居た瑠奈が、そのことに気づかないわけもなく。
瑠奈
遥
瑠奈が言う前に遥が答える。
瑠奈
遥
えー! なにそれ、異能?
さっきの違和感のことは忘れている瑠奈は、そういって笑う。
笑う瑠奈の前で、遥は覚悟を決めたように瑠奈を見つめた。
遥
瑠奈
遥
遥は立ち上がって、瑠奈の手を掴む。
瑠奈
遥
瑠奈の質問に考えることなくそう答えた。
違和感に気づきながらも、これ以上詮索することはやめたのか、瑠奈は何も言わずに席を立った。
遥
遥は瑠奈の手を掴んだまま、さっさと道を歩いていく。
瑠奈
遥
瑠奈
まるで行先が分かっているかのように、早く早く人混みの中を進んでいく。
瑠奈は黙って歩く他なかった。
遥
瑠奈
遥
瑠奈
ぶつぶつ呟きながら、遥は瑠奈の手を引っ張る。
瑠奈の声でハッとした遥が、その場に立ち止まった。
遥
遥がそこまで言ったところで
瑠奈
遥
鮮血が飛び散る。
遥は、倒れる瑠奈に手を伸ばす。
遥
人々の悲鳴。
遠くから聞こえてくるサイレンの音。
遥
地面に転がる、真っ赤に染まったセーラー服の少女。
遥
泣き叫ぶ、セーラー服の少女。
遥
ポケットから青いクリスタルを取り出す。
遥
クリスタルを握りしめる。
ぱりん。
クリスタルが割れた。
遥
???
黒猫が現れて、私にそう告げた。
遥
???
遥
じゃあね、とクリスタルだったカケラを投げる。
???
瑠奈
遥
セーラー服を着た二人の少女。
はーちゃんと呼ばれた少女は、静かにそう言い放った。
瑠奈
遥
瑠奈
遥
もう飽きたかのように、瑠奈の質問に即答する。
小さな頃から隣に居た瑠奈が、その違和感に気づかないわけもなく。
瑠奈
遥
瑠奈が言う前に遥が答える。
瑠奈
遥
えー!何それ、異能?
さっきの違和感のことは忘れている瑠奈は、そういって笑う。
笑う瑠奈の前で、遥は覚悟を決めたように瑠奈を見つめた。
遥
瑠奈
遥
遥は立ち上がって、瑠奈の手を掴む。
瑠奈
遥
瑠奈の質問に考えることなくそう答えた。
違和感に気づきながらも、これ以上詮索することはやめたのか、瑠奈は何も言わずに席を立った。
遥
瑠奈はなんどもなんども、遥に話しかける。
聞こえていないのか、無視しているのか。
黙ったまま、瑠奈の手を掴んで進んでいく。
遥
瑠奈
まるで、何も聞こえていないかのように。
そして何も喋らないまま、二人は横断歩道まで来ていた。
遥はぶつぶつと呟いていて
赤く変わった信号機に気づかなかった。
瑠奈
遥
ききーっ、とブレーキ音が響く。
混乱する交差点。
泣き叫ぶセーラー服の少女。
涙を溢して、笑みを浮かべる、真っ赤に染まったセーラー服の少女。
瑠奈
遥
酷く安心した表情で、遥が呟く。
遥
???
遥
目覚めて一言目は、それだった。
???
当たり前かのように、遥は猫と会話をする。
遥
???
遥
それが何、と冷たく聞く。
???
不幸な体質だったってこと。
黒猫はそう答えた。
???
遥
???
瑠奈
私の前を通る黒猫。
そういえば、あの日最後に見たのも黒猫ちゃんだったっけ。
幻想のように現れて、ふっと消えていった。
瑠奈
歩いていくと、黒猫も私の後ろをついてくる。
もしかして、運命? なんて。
なんとなく、この黒猫を飼いたい、と思った。
瑠奈
そういえば、黒猫は不幸だとか言う迷信があったっけ。
でもこの子は不幸とは関係なさそうだな、とふと思う。
瑠奈
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