先程までとは違い、病院のベッドで静かに眠る恋人に、不安を覚えた。 まるで死んでしまったかの様に 本当に静かに、 ビクともせず寝ている。
たまに胸に耳を当て、 呼吸を確認しては安心するの繰り返しだ。
桜
医者の話を聞くに、 命に別状は無いらしい。 あるとすれば、 バース性の問題。 蘇枋はa βである俺には感じられない 何かを感じたのだろう。
そういえば蘇枋は、あの女を見た瞬間に動きが鈍くなったな。 あまり働かない頭でぼんやりとそう考えた。
蘇枋はaの方でも上位の物らしい。 今まで、Ωの誘惑にも顔色1つ変えずにニコニコ聳え立っていたのに。 どうして今回は反応してしまったのか。 何も分からないフリをした。 そうでは無いことを信じて。
先程までピクリとも動かなかった筈の 毛布が、微かに擦れて動く音がした。 閉ざされていた綺麗な 蘇芳色の瞳が、 こちらに微笑みかけるように 優しく微笑んだ。
桜
蘇枋
蘇枋
力なく笑う蘇枋に、 飛びつきたい気持ちをグッと押え、 今の状況を軽く伝える事にした。
桜
蘇枋
蘇枋
ベットに倒れていた体を 重そうに起こした後、 蘇枋は真剣そうな顔で俺に向き直った。
蘇枋
嫌いにならないで。そういう聞き方は、ちょっとずるいな、そう思った。 蘇芳色の瞳は、 今までの強さがあって、 とても甘い色ではなく、 少し寂しそうに揺れていた。
桜
蘇枋
こいつずっと謝ってるな。 なにか話す度にずっと謝る自分の恋人に、一発殴ってやろうかと思ったが、 今の弱々しい姿を、 後々笑ってやろう。 そう思って、手を出さなかった。
桜
桜
蘇枋
桜
蘇枋
あぁ、これは何を言ってもこいつのペースに呑まれるだけだな。 そう思って、 暑くなった顔をそっぽに向けた。
蘇枋
蘇枋
お前がズラしたんだろ!! そう叫ぼうとして、 また話題がズレそうになるかと思い直し、叫びそうになった言葉を飲み込んだ。
蘇枋
桜
蘇枋を病院に連れて言ったあと、 回らない頭で、 自分のクラスメイト達に、メッセージを送り、町の事を頼んだ。 そのあと楡井からメッセージが来て、 女性も命に別状はないらしい。
蘇枋
桜
この病院は第二の性を持ったヤツらが来ることが多い病院らしい。 だから、蘇枋もその女もこの場所で入院している。
蘇枋
あぁ、聴きたくないな。 聴いてしまえばもう、 以前の関係に戻れなくなる様な気がするから。
蘇枋
覚悟はしていたはずなのに。 答えはもう、とっくの前に知っていた筈なのに。 俺の頭の中は、真っ白に染って言った。自分の嫌いな半分の髪の様に。
コメント
7件
漫画買ってホクホクの状態に更になんか、えっと、追い打ち?違うな…分かんないけど()なんかんぇ……??
今回も素敵なお話ありがとうございます🙇♀✨ う、運命…ついにこの時が… それでも二人の関係が変わらないことを願ってます…😢 他の方々から意見や考えを貰うのも良いと思いますが、いつものタイトルも素敵だと思ってます!今回のタイトルも、鈎括弧の外に書いてあったり、いたいと見せかけて痛いだったりと今回も色々伏線があるのじゃないかとわくわくして考察してます!😊 これからも応援してます💕
タイトルが毎回考えるのが下手すぎて、そろそろやばいと感じているどっかの誰かさんです。 もし次の作品を作る時は、皆様に候補の中からタイトルを決めてもらおうかな...と思ってたりなかったり...👉👈 どんなタイトルなら皆様見たいと思えるのかちょっと知っておきたくてですね...😞ちょっとしたあらすじ的なのも一緒に添えて決めてもらおうかななんて...