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待って、親の目の前で泣きそうになったんだけど(())涙腺どこに行っちまったんだ……正直真顔で読んでた。2人が幸せにならないと俺許さないからッ😭 ……妖狐パロ楽シミニシテル。
今回も素敵なお話ありがとうございます✨ 運命に逆らってでもずっと一緒にいようとする二人に感動です😭 どんな苦難も二人なら乗り越えられそうですね🥲 え、絵描いたんですか!? 是非ともみたい…無理だけど…笑 私も描いたんですけど下手すぎて見るに耐えなかったです… 小説もはちゃめちゃに楽しみにして待ってますね👍 本日は語彙力の無いyukiでお送りいたしました🙇♀ これからも頑張ってください💕
妖狐パロが好きすぎて絵にもかいてしまったどっかの誰かさんですこんにちは。いつか絶対ここで、自分で書きます。妖狐パロ。 今回のお話はこれから地獄が始まる合図を聞いてしまった2人の話です。 果たして2人は幸せを掴めるのか___ 最後の人生までどう生きていくのか楽しみですね。
ずっと君の匂いが好きだった。 落ち着く様な、優しい匂いが。 ずっと、好きだったんだ
抱きつく度に上がる体温も、 撫でてやると少し嬉しそうにするところも、柔らかい髪も、 双方で違う目も髪も、 全部全部、好きなんだ。
これからもそうだって、 君と一緒にいられるって、 そう思っていたのに。
蘇枋
運命に出会う確率なんて、 ほとんどないと言っていいほど低い物らしい。 だから出会うわけないって、 大丈夫だって、 そう言って俺たちはお互いに言い聞かせて、安心していた。 していたはずなのに。
眉を八の字に下げ、 困ったように、 力なくニコリと蘇枋は笑った。 病院に包まれている白い絹のカーテンが、風を受けて優しく揺れる。 そんな優しい風とは違い、 俺たちの空気はピシャリと凍りついた物になっていた。
桜
「どうしたい?」そう言いかけて飲み込んだ。もし別れたいって、 アイツに、 俺に恋も、愛も、全部教えてくれたこいつに、別れたいって、 自分の運命と居たいって、 そう言われてしまえば、 もう自分は、 立ち直れない様な気がした。
桜
蘇枋
だから自分で、 自分で言いたい。 お前に今までの愛を 否定して欲しくないから。
桜
蘇枋
別れの言葉を告げようと、 口を開こうとしたところで、 蘇枋に口を手で抑えられてしまった。 これでは何も言えないではないか。 文句を言おうとしたが、 もごもごと動くだけで、 正しく言葉は発せられなかった。
蘇枋
蘇枋
ずっと蘇枋から目が離せない。 強く真っ直ぐな蘇芳色の瞳が、 今は少し悲しそうに揺らいで見える。
蘇枋
でも、とか、だけど、とか、 言い訳じみた言葉は、全て蘇枋の手の中で消えていく。音にならずに、静かに。 目は少しぼやけて、蘇枋の顔が良く見えない。 今の俺がどんな顔をしているのかも、全て目の前にいるこの男しか分からない。自分でさえも、どんな表情をしているのか、全く分からない。
俺の口元にあったはずの骨ばった蘇枋の手は、いつの間にか俺の頬を優しく撫でていた。 そんな優しい動きで、堪えていた何かが、またこぼれそうになる。
蘇枋
蘇枋
蘇枋
「君には、笑ってて欲しいんだ。」 そういった蘇枋の顔は、とても優しくて、ちょっと触れてしまえば、壊れて消えてしまいそうなほど儚くて、 堪えていたものが音を立てて崩れて言った。
頬を伝って流れた物を、蘇枋は優しく拭った。その指の温かさに縋ってしまいそうになった。 言葉では何も伝えていなかったが、まるで、泣かないで。そう言っているように思えて、また前が少し見えなくなった。
桜
桜
桜
今の自分はとても惨めったらしくて、顔もぐちゃぐちゃで、 それでも、蘇枋がくれる温もりが暖かくて、色んな感情がぐちゃぐちゃに混ざりあっていた。
蘇枋
まるで小さい子を宥めるみたいな言い方だな、そう思った。 でも、それでも、今はこの優しい声を聞いていたい。そう思った。
蘇枋が俺の体を包むように手を伸ばしたところで、 小さなうめき声が上がった。
桜
蘇枋
あぁ、きっとまだ、俺達の地獄は始まったばかりなんだな。 そう思った。
桜
桜
今の蘇枋は、きっと運命の匂いを求めているんだ。そんな蘇枋に、無理矢理俺に抱きついて、俺の匂いに包まれるような行為に、吐き気を覚えたのだろう。 どこまでも神様は残酷だ。
俺達は互いがいないと生きていけないのに、互いに近くにいられないだなんて。
蘇枋
桜
桜
蘇枋
そうやってはにかむ蘇枋は、 目元に少し涙を浮かべていた。