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サクラサク未来のために

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サクラサク未来のために

11 - レミラドール・スカーレット

♥

6

2022年04月22日

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彼女は元々、表立って行動するような生徒ではなかった。

鈴木弘世

よーし、授業始めるよ〜。

鈴木弘世

今日は…84ページか、

鈴木弘世

えー昨日は───

鈴木弘世

で、ここはどういう意味だった?

鈴木弘世

誰か答えられる人ー、

鈴木弘世

…んー、じゃぁスカーレットさん。

レミラドール・スカーレット

え、と…こうだと思います…

鈴木弘世

合ってるあってる、自信もって。

テストの点数も…申し訳ないけどクラスの中でも下から数えた方が早かった。

でも努力はしてると思ってる。

俺は社会しか見てないから他もどれだけ頑張っているかどうかは分からないけれど。

取り組む時のあの目はとても真剣で、誰よりもかっこいいと思う。

鈴木弘世

さようなら〜

鈴木弘世

(あとはここの掃除してから戻ろうかな。)

川崎みかん

鈴木先生ー

鈴木弘世

おぉ、どうした?

川崎みかん

テスト89点で低かったですー

レミラドール・スカーレット

だから高いってー。

鈴木弘世

大丈夫だよ、

鈴木弘世

川崎はそれで低かったと思うならきっとまだ伸びるし。

鈴木弘世

最初のテストだったのにここまで取れるのはすごいからそこまで落ち込まなくても大丈夫だよ、

川崎みかん

はい、次も頑張ります!

鈴木弘世

うん、応援してるよ。

レミラドール・スカーレット

鈴木弘世

スカーレットはさ、今回確かに低かったけど…

鈴木弘世

先生はスカーレットが頑張ってること知ってるから。

鈴木弘世

絶対次はできるよ。

鈴木弘世

スカーレットの成長、楽しみにしてるよ。

レミラドール・スカーレット

…はい。

レミラドール・スカーレット

頑張ります!

本当の世界では川崎みかんさんというクラスでも常に上位に経つほどの頭のいい子と友達だった。

この世界よりは多分…そこまで話せる子はいなかったんじゃないかな。

そして彼女は自分の事をあまり話さない。

何度か顔色が悪いように見えて聞いたことがあったけど…

鈴木弘世

スカーレットおはよう

レミラドール・スカーレット

おはようございます。

鈴木弘世

スカーレット、体調大丈夫?

レミラドール・スカーレット

あー、はい、全然元気です!

鈴木弘世

そう?

鈴木弘世

ちょっと元気がなさそうに見えたから。

鈴木弘世

何かあったらすぐ先生に伝えてね。

レミラドール・スカーレット

はい、

鈴木弘世

それじゃぁ今日も頑張ってね。

レミラドール・スカーレット

ありがとうございます。

あぁ、でも彼女は焦ると周りが見えなくなる。

特に周りと自分が違うとね。

それは見てもわかるぐらい

レミラドール・スカーレット

伝花希春

レミラー、どう?

レミラドール・スカーレット

あ、あぁ…

レミラドール・スカーレット

うん…多分…

レミラドール・スカーレット

きーちゃんは?

伝花希春

今ここー

レミラドール・スカーレット

あー…はは…早いね…

伝花希春

レミラゆっくりでいいからね?

レミラドール・スカーレット

うん…わかってる…

鈴木弘世

レミラドール・スカーレット

…でもみんな早いね…

レミラドール・スカーレット

もう3いってるのに私なんて1だもん…

伝花希春

大丈夫大丈夫、分からないとこあるなら教えるよ?

レミラドール・スカーレット

あ、ううん…多分大丈夫…

鈴木弘世

スカーレット落ち着いて。

鈴木弘世

これは競走じゃないから、周りと比べる必要なんてない。

レミラドール・スカーレット

…はい。

鈴木弘世

ふぅ…

職員室では彼女の話題はひとつも出なかった。

話そうと思えば話せたが、特に問題も起こさず。

かと言って優等生というほど成績がいい訳でもない。

だから特に話すことは無い。

でも前に1度だけ彼女の話になったことがある。

沙々木海鈴

あー、それを言えばスカーレットさんがそうじゃないすか?

鈴木弘世

スカーレット?

新原魅姫

確かに彼女はたまに何考えてるかわからないですねー

新原魅姫

よく机に伏せてますし、

新原魅姫

分からないのに大丈夫ですって言うし

新原魅姫

何が本当かわからなくなりますよ

安齋恵子

なんかわかるかも、レミラの振り返り見てるといつも同じような感じなんだよなー

沙々木海鈴

ですよね、俺もそうですもん。

沙々木海鈴

弘世先生は?

鈴木弘世

いや、俺は一二年しか担当してないからあれだけど…

鈴木弘世

思い返してみるとたまに目に光がないんだよな。

新原魅姫

それにスカーレットさん、自分の進路親御さんが言う所に行く気らしいですよ。

新原魅姫

一応時間あるから考えてみてとは言いましたけど…どうでしょうね。

鈴木弘世

あー…佐藤さんも同じこと言ってたな。

新原魅姫

そうなんですか、

鈴木弘世

たまたま聞いた時に親がーみたいなこと言ってたからって。

安齋恵子

みかん達といる時はすごく楽しそうだし話してますけどね〜

沙々木海鈴

親がきついこと言ってるんじゃないですか?

新原魅姫

ちょっと言葉にトゲがあるんですよね、面談やってると。

新原魅姫

業務に文句でも言われるのかと思いますもん。

鈴木弘世

んー、でも俺たちができることってあくまでアドバイスまでだから。

鈴木弘世

家庭問題にあまり口出しはできない。

鈴木弘世

もちろん本人が直接俺たちに話してくれれば手助けしてもいいんだろうけど。

沙々木海鈴

ただの推測で勝手な手助けはできないですもんね。

鈴木弘世

何よりあの子が勇気をだして言わない限り俺達が干渉しても意味ないかと。

安齋恵子

でも彼女自身は普通にいい子ですよね。

安齋恵子

挨拶もできるし、受け答えもできますから。

新原魅姫

はい、クラスでも影で頑張ってくれていますし、すごく助かってます。

沙々木海鈴

弟さんの方は?

新原魅姫

弟くんの方も同じですよ、

新原魅姫

周りに優しいですし、彼女より勉強は苦手らしいですけど。

沙々木海鈴

兄弟揃って勉強苦手か、家でちゃんと勉強してんのか?

鈴木弘世

彼女は社会ならしてると思いますよ。

新原魅姫

お母さんも社会はしてるって言ってましたね。

新原魅姫

でもこの前聞いたら理科も良くしてるらしいですよ?

沙々木海鈴

おぉ、嬉しい嬉しい

新原魅姫

数学と英語もぼちぼちらしいです。

安齋恵子

え、国語は何か言ってないの?

新原魅姫

面談の時国語は点数高いね、勉強してるのって聞いたら何もしてないって言ってました。

安齋恵子

勉強してないのに半分とってんの?

鈴木弘世

じゃぁ文系なんだろうね

安齋恵子

そしたら勉強したらもっと上目指せるじゃないですか、

沙々木海鈴

じゃぁこの前のテストで点が上がったのってちゃんと勉強してきたからか。

新原魅姫

どれぐらい上がったんですか?

沙々木海鈴

10点ぐらいじゃなかったかな。

新原魅姫

彼女が一二年の時の社会ってどれぐらいだったんですか?

鈴木弘世

1年の1学期は確か…1桁じゃなかったかな。

新原魅姫

げっ…

鈴木弘世

でも二学期になって急に30点以上あげてきて、三学期ぐらいには半分取れるようになってました。

安齋恵子

じゃぁ本当に社会が好きなんですね。

新原魅姫

えー、あ!

新原魅姫

確かここに…あったあった。

新原魅姫

社会が好きな理由、多分弘世先生が理由なんじゃないですか?

鈴木弘世

え、俺?w

ここで初めて彼女が社会を頑張る理由を知った。

まぁもうこの話はいいか、次にどうやってこの世界に来たか話そう。

この時の彼女はすごく顔色も悪く言っちゃ悪いけど目が死んでた。

すごく暗くて、心配になるぐらい。

でもそれは友達やクラスのみんなが見ていない時だけだったと思う。

レミラドール・スカーレット

鈴木弘世

スカーレットおはよう。

レミラドール・スカーレット

…おはようございます。

鈴木弘世

どうした、今日は元気ないじゃん。

レミラドール・スカーレット

いえ、大丈夫です。

レミラドール・スカーレット

失礼します。

鈴木弘世

え、うん。

そしてついに来てしまった。

バタッ、

鈴木弘世

鈴木弘世

スカーレット!

安齋恵子

先生どうなさいました?

鈴木弘世

スカーレットさんが倒れました、とりあえず…

鈴木弘世

…息はしてる、でも起きないな…

鈴木弘世

救急車にしましょう、安齋先生、電話お願いできますか?

安齋恵子

了解です、電話が終わったら保健室の先生も連れてきます。

鈴木弘世

お願いします。

鈴木弘世

俺が知ってるのはここまで。

鈴木弘世

この後彼女は…永遠の眠りに着いた。

鈴木弘世

亡くなった訳では無いけど、何をしても起きない。

鈴木弘世

それでも俺は毎日お見舞いに行った。

鈴木弘世

いつかそのうち目覚めるかもしれない。

鈴木弘世

その時は、ちゃんと話を聞こうと思って。

松本紗夜

待ちなさいよ、安齋先生とか沙々木先生もあなたたちの世界から来たってこと?

鈴木弘世

いや、あの人達はスカーレットによって作り出された想像に過ぎない。

鈴木弘世

実際、性格や授業のやり方に矛盾があった。

鈴木弘世

まぁ話の通り現実にちゃんといるけどね

水無瀬咲斗

ですがそこから先生がこちらに来る理由が分かりません。

鈴木弘世

鈴木弘世

申し訳ないけど俺が来た理由がわからないんだ。

月島レイト(roki)

え、どゆこと?

鈴木弘世

わからない。

鈴木弘世

でもこれだけは離さず持ってたんだ。

松本紗夜

色紙、かしら?

月島レイト(roki)

わぁ、模範的な人だったのかな。

水無瀬咲斗

後ろにも書いてありますよ、

水無瀬咲斗

コツコツ努力する姿、とてもかっこいいと思う。

鈴木弘世

尊敬すべき姿。

水無瀬咲斗

鈴木弘世

ラスト一年頑張って、良い思いをしよう。

鈴木弘世

俺が書いたやつ。

鈴木弘世

そして彼女が1番大事にしていたもの。

水無瀬咲斗

それをなぜあなたが?

鈴木弘世

さぁ。

鈴木弘世

分からないけど、ずっと持ってるんだ。

鈴木弘世

でも彼女にとっては大切なもので、目覚めた時にでも渡そうと預かってる。

鈴木弘世

さ、俺が話せるのはここまでだ。

鈴木弘世

彼女が倒れた理由は?

松本紗夜

話していたの。

松本紗夜

レミラが先生に何を話していたか聞いて、

松本紗夜

見ててせっかちな私だからこそ話したくなるって言ってたの。

松本紗夜

そしたら私はって言ったあとすぐ…

松本紗夜

だからまぁ…別の、本当のレミラだったかもしれないわ。

鈴木弘世

そっか。

鈴木弘世

みんな。

鈴木弘世

みんなには申し訳ないことをした。

鈴木弘世

本来生まれてくるはずも無い命を弄び利用した事、心よりお詫び申し上げたい。

鈴木弘世

本当に…うちの生徒がご迷惑をおかけして申し訳ありません…

月島レイト(roki)

別に?

月島レイト(roki)

僕たち利用されたり遊ばれたりしてないよ?

鈴木弘世

え…?

月島レイト(roki)

僕達は作り物かもだけどちゃんと意思はあるし、

月島レイト(roki)

なんなら運命だよ。

鈴木弘世

運命?

松本紗夜

…そうね。

松本紗夜

レミラのせいで…!

松本紗夜

ちょっと、なら、黒いやつはどうなるの?

水無瀬咲斗

え、黒いやつ?

松本紗夜

…私は別の世界線からの転生者、とでも言うのかしら。

松本紗夜

私の世界を壊す時、セイラと黒い奴がいたの。

松本紗夜

そしたら次がここだったのだけど…

鈴木弘世

…カレンジ先生が僕と同じ人間なら、誰になるんだ?

鈴木弘世

男性なんて…沙々木さんや俺を含めて6人ぐらいしか彼女とは関わってないぞ?

水無瀬咲斗

水無瀬咲斗

そんなこと考えなくても、他に方法がありますよ。

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