最期まで

みんな、誰かが口を開くのを待ってる。

ここで行かなかったらキムに申し訳ない。

そう言った瞬間西くんが少し笑った。

絶対俺があげるって知ってただろ。笑

他のみんなは少しびっくりしてる。笑

みんなが黙って聞いててくれる。

だから俺は、言いたいことをちゃんと言える

みんなが賛成してくれて、 キムのあとは俺が継ぐことになった。

INIがLIVEを始めました。

ごめんね、MINI。

今日はそんな楽しい時間じゃないよ。

もしかしたら、今見てくれてるMINIも MINIじゃなくなっちゃうかもしれない。

そう考えると、言うのが怖かった。

でも、言わないと。

そう思い、深呼吸をして話し始める。

そう言ってみんなで頭を下げ､LIVEが終わる

LIVEが終わり、みんなが頭をあげているのに1人だけ頭が上がらない。

キムが居なくなったINIが いつ壊れるか分からない。

でも、それは絶対ダメなこと。

立ち止まってもいいからまだまだ 歩いていかないといけない。

そのためには、10人全員が歩幅を揃えて 歩く必要がある。

たじにそう聞かれ少し考える。

言うはずなかった気持ちが全部でてくる。

そう言って雄大がティッシュを渡してくる。

気づかないうちに泣いていた自分に驚いた。

ずっと100点じゃなくていい。

ダメになってもみんななら受け止めてくれる

そう、改めて思えた。

京介side

ホテルに帰りみんなそれぞれの部屋に戻った

1人なると急に寂しさが溢れてくる。

柾哉くんが苦しんでたのに、 俺が元気に過ごしていいんだろうか。

柾哉くんがそんな事思わないって分かってる

けど体が食べることも寝ることも 許可してくれなかった。

MINIに必要にされてるのは俺より柾哉くん。

端っこで踊る俺より、センターで踊る 柾哉くんの方が何倍も必要に決まってる。

真っ暗な部屋の隅でそんなことを考えていた

気がついたら朝になっていた。

寝れたのかもわかんない。

変な体勢でずっと座ってたから体が痛い。

時刻は7時

え、７時、？

あと30分しかない。

昨日お風呂に入らなかった自分を恨んだ。

いつもより重い体に気付かないふりをして、お風呂に向かった。

お風呂から出て、軽く髪の毛を乾かす。

セットはスタイリストさんがやってくれる。

だから、セットもメイクもやらなくていい。

それだけが唯一の救いだった。

軽く髪の毛を乾かし、

体が熱いのをお風呂のせいにして部屋を出た

そう言って空いていた西くんの隣に座る。

今日のLIVEだけは絶対出ないといけない。

そう思い、嘘をつく。

これは嘘じゃない。

西くんの優しさに甘える"フリ"をする。

会場まで30分。

酔わないことだけをひたすら祈った。

気持ち悪い。

そう思ったのは車が動き出して 20分位たった時だった。

元々車酔いはしないタイプだからこの吐き気は寝不足から来るものだろう。

今日のLIVEは絶対みんなで出たい。

みんなで出ないと意味が無い。

そう思い、1人で苦しみ続けた。

西くんからそう言われ溜まっていたものが すべて溢れ出た。

そう言いながら背中を撫でてくれる手は 暖かかった。

10人で出ることに意味がある。

一人かけてたら伝わらないそう思い、 西くんにお願いする。