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待ちに待った給食時間。 一日で一番楽しみな時間。

日直

手を合わせましょう

日直

いただきます

クラスメイト

いただきます!!

俺も箸を出し、お弁当の蓋を開け、 無言のもぐもぐタイムに入る。

放送

こんにちは。放送部です

放送

これから、お昼の放送を始めます。

放送

第一曲目は〇年生からのリクエストです

放送

それでは聞いてください

クソ野郎

〇年かよ。絶対あいつらやん

放送

♪~ 何十年未来だって 君で満たされたいんだ

流れたのは大好きな推しの曲。

やばい、めっちゃうれしいだけど。

俺は後ろにいるないちゃんに親指を立てる。

するとないちゃんは、ウインクして指ハートをくれた

クソ野郎

また?

ゴミ

飽きたんやけど

消えろクズ

何回同じ曲かけるん

クソ野郎

〇〇ー 音量ゼロにしてー

マジ、道徳1だろ

いい加減にしろよ

クラスメイトの口から出る言葉や 行動は最悪。

曲が聞こえないようにしようと大声を出したり 音量をゼロにしたり、悪口やディスを言ってきたり。

うんざりだ。それでも自分を抑えられたのは まろちゃんのおかげ。

まろちゃんは幼馴染で、ジャニオタ。 俺たちの気持ちを理解してくれたし、 クラスメイトにも一緒に反感してくれた。

でも今日は違った。

If

ディスられるってわかってるん
やったらCDなんか持ってくんなよ

まろちゃんの口から発された言葉に、俺は絶句した

いや、まろちゃんが本気でそう思ってるはずない。 きっとみんなを宥めるために言ったんや

そう自分に言い聞かせた。

放送

♪~ 好きだよ

放送

♪~ 何十年未来だって 君で満たされたいんだ

ああ、ちゃんと聴けてないのに終盤までいっちゃった

その気持ちを紛らわすように、 俺はひたすら弁当を食べた。

放送

次は、〇年生のリクエストです。
それでは聴いてください

放送

♪~ 1分1秒も キミから離れたくないよ

あ、ないちゃんの推しやん。 しかもないちゃんがリクエストしたやつ。 よかったね~

ちらりと後ろを向くと、 ないちゃんは無言で悶えていた。 めっちゃ幸せそうw

クソ野郎

またこれ?

消えろクズ

何回目やねんこれ

ないこ

え、4回目。

4回目w そんなリクエストしてたんやw

ゴミ

ほんま、いい加減にしろよ

存在意義なし

ちょ、今から放送室乗り込みに行こっかな

マジ、道徳1だろ

なな○り不倫~

カス

お前センス終わってるやろw

ないこ

は? 人の推しどうこう言うんじゃねぇよ

キレ気味のないちゃん。

If

だからさ、ディスられるってわかって
るんやからCD持ってくんなよ

またもや、まろの口から酷い言葉が出る。

それが本当にまろが言ったと信じたく なくて、俺はご飯を口に掻き込んだ

放送

♪~ 残さずちょーだい

放送

♪~ ねぇ n

プツッ

一番いいところで曲が途切れる。 時計を見ると、放送終了の時間だった。

マジ、道徳1だろ

ナイス~!

ないこ

は だっる。一番好きな歌詞のとこ今からじゃん!

クソ野郎

ないこ乙~

消えろクズ

おつかれさまでぇす!

めちゃくちゃ煽ってくるクラスメイト。

今度本気で殴ってやろうかな

曲が止まっても、クラスメイトからの 暴言やディス、悪口が止まることはない。

ないこ

そんな悪く言うことないじゃん!

ないちゃんが反感する。 俺も言お

初兎

人の推しなんやからさ、その人の事
ディスったり悪く言ったりしてその人を
推してる人がどう思うかとか考えへんの?

初兎

絶対嫌な気持ちになるってわかるやろ?!

If

え だから、さっきからずっと言ってるやん。
ディスられたり悪口言われんのが嫌なん
やったらCD持ってこんかったらいいだけの話やし、
家で聴けばいいやん。お前ら推しをディス
られたいん? てかCDとか存在価値ないやろ。

プツリ、と何かが切れる音がした。

初兎

お"い、今なんつった?

俺はまろの胸ぐらを掴んで問う。

If

は、なんなん?

初兎

なんなん ちゃうやろ。
なんて言ったか訊いてんねん

If

ディスられたくないなら家で聴けっつってん

初兎

その後や

If

CDの存在価値ない

初兎

お前だってジャニーズのCD
買ってるくせによぉゆうわ

If

は、俺が買ってんのはほとんどDVDやし

初兎

んなわけないやろ、しょっちゅう
リクエスト出してるやん。

If

最近出してへんし

初兎

そこちゃうやん。前出しとったって話。

If

前の話とかどーでもいいねん。
こっちは今の話してんねやから

悠佑

まあまあ、二人とも落ち着けって。

突然、悠くんが割り込んでくる。

悠佑

初兎は、推しがディスられてイラ
つくのはわかるけど落ち着いて。

悠佑

まろも、何が気に食わんのかわからんけど、
そういうのは家で言うか心の中で言っとき。

If

心の中だけで抑えられんく
なったから口に出してるんやん

初兎

だからってわざわざ口に出す必要
ないやんか。紙に書いたりなんなり
他にも方法あるやん。そんくらい我慢しぃや

If

だから! 我慢できんくなったんやんか!

初兎

お前が我慢できひんからって俺とないちゃんが
傷つく必要ないやん! お前一人が我慢すれば
いいだけの話なんやから我慢ぐらいしろや!

If

いや言っとくけどさ、この中でお前らの推しが
好きなのってお前とないこぐらいやんか。
別に他の奴らは好きじゃないし、なんなら
嫌いやねん。せやから少数派が我慢しろって
言うならお前が我慢しろよ。

初兎

こっちは既にめっちゃ我慢してんねん!

初兎

推しをここまで否定されてさ、俺が内心
どんな気持ちやったか知らんやろ?!

初兎

我慢せんでいいんやったらこっちは今すぐにでも
お前らの事ぶん殴りたいしお前らの推し全否定
したいわ! リクエストだって家にあるアルバム全部
持ってきて全部リクエストしてもいいねんで?!

初兎

それをここまで抑えて我慢してんのに
なんでさらに我慢しなあかんの!?

初兎

お前らは俺らの推しを言葉で否定してさ。
なんも我慢してへんやろ! お前だって
ついさっき我慢できんくなって全部口に
してたやん! それやのにまだ俺らに我慢しろ
って言うん? 本格的に頭おかしいやろ

If

は? 俺らだってまだ我慢してんねん!

If

ほんまやったらお前らの推しの曲がかかった
瞬間にでも放送室言って放送止めたいねん!

初兎

ほんま頭悪いな。毎回毎回音量ゼロにして
結果的に 聞こえんくしてるやろ!

If

結局最大まで音量上げるやんか!

If

我慢せんくていいんやったら
こっちだって本気で放送止めるで

初兎

じゃあ勝手にやってれば?

初兎

その代わり俺らも我慢せずにやらせてもらうから。

If

じゃあ次からお互い我慢しいひんってことで

そう言うと、まろは友達の方に行った。

俺も自分の席に戻る。

-hotoke-

まあまあ、落ち着きなって

-hotoke-

言ってることはどっちも間違ってないから

-hotoke-

僕どっちかっていうと向こう側だけど
しょうちゃんが言ってること理解できるよ。

-hotoke-

ていうか今どういう状況?

初兎

わかってなかったん?w

-hotoke-

うん。

初兎

まあいろいろあって

初兎

てか消しゴム返して?

-hotoke-

教えてくれたら返す。

初兎

んー… まあ簡単に言ったら、
俺とないちゃんvs.その他みたいな?

-hotoke-

それまでに何があったのw

初兎

ん-と…

りうら

ねえしょーちゃーん

りうちゃんがやってくる。

初兎

ん、どしたん?

りうら

理科のノートどこやった?

初兎

ロッカーに片づけたけど?

りうら

え~ ガン細胞増殖させたかったのに~

初兎

言い方怖いからやめてw

りうら

じゃあこれに描いていい?

と、国語のワークの回答冊子を指さす。

初兎

いいけど

てか俺が言ったことガン無視するやんw

-hotoke-

ねえ、いふくんたちのことどう思ってる?

初兎

人権ないクズ。消えろゴミ。マジ死ねやクソが

俺は大声を張り上げる。

-hotoke-

あー おもしろww

なぜか笑っているいむくんと、 「きーえーろー」と言いながらなかなかホラーな イラストを回答冊子に描くりうちゃん。

まろたちが後ろでなにか話しているのを 無視して、自分の作業に取り掛かろうと したところに、悠くんが来た。

悠佑

これからまろとどうするん?

初兎

ん? 絶交。もう口利かんつもり。

俺は笑顔で答える。

悠佑

そ。

というと、悠くんは去っていった

終学活、帰る準備をするため ロッカーにかばんを取りに行くと、

悠佑

まろのことどう思ってる?

すれ違いざまに悠くんに問われる

なんで今そんな質問を...

初兎

別に。何の感情も抱いてない。

俺はできるだけ平常を装って答える

悠佑

そ、っか

日直

さよーなら

クラスメイト

さよーなら!

今日部活あるけどめんどいから行かんでいっか☆ りうちゃんに強制連行されそうやからさっさと帰ろ

そう考え、俺はそそくさと教室を出た。

If

しょにだ! 一緒に帰ろ!

まろが話しかけてくる。

は、コイツなんなん? 昼休みあんだけ 喧嘩したのに一緒に帰ろ とかやばいやろ。

俺はまだ怒りが収まってなかったし、 今まろと話すのはプライドが許さないため、 頻りに話しかけてくるまろをガン無視した。

If

なんかすげー 卵焼きの匂いする

独り呟くまろ。

俺はなにも反応しない。

するとまろは、諦めたのか 急ぎ足で帰っていった。

なんかすげー 卵焼きの匂いする

なんかすげー 卵焼きの匂いする

なんかすげー 卵焼きの匂いする

なんかすげー 卵焼きの匂いする

まろの声が頭の中で繰り返される。

胸が締め付けられるような感覚がする

これから俺たちはどうなっていくんだろうか。

▲▼▲▼ 次に続く ▼▲▼▲

拗れた関係、渦巻く気持ち

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