テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
No.9
蜂蜜に濡れた月
北斗side
松村北斗
自室に入るとベッドに寝そべる 〇〇が頬杖をついて 窓の外を眺めていた。
松村北斗
〇〇
松村北斗
〇〇
へぇ、と覗いた窓の外は 思ったより明るくて、 千切った和紙みたいな雲が 大きな月を取り囲むように 無造作に並んでいる。
雲の流れが早くて、 今日は風が強い日だったなぁ、 と思い返した。
松村北斗
〇〇
松村北斗
〇〇
たしかに綺麗だな、と 〇〇の隣に並んで。
月光浴でもしてみよう。
ぽっかりと穴が空いたみたいな まん丸を見て、綺麗だな、と 呟くと〇〇は笑った。
〇〇
松村北斗
〇〇
松村北斗
〇〇
松村北斗
ちらりとこちらを見た君が、 そういうもの?と聞くので そういうもの。と返す。
それから少し沈黙の時間を 味わって、そういえば最近、 空が綺麗だな、なんて、 そんなことすら思わない日々を 過ごしていたなと反省した。
空が青いことすら 忘れるところだ。
松村北斗
〇〇
松村北斗
〇〇
松村北斗
〇〇
下手したら腹を抱えて 馬鹿にするんじゃないかと 思っていたけど、 大きな誤算だったらしい。
〇〇がわたしはさ、と 言葉を続ける。
〇〇
松村北斗
〇〇
松村北斗
〇〇
変な会話をしていたからか、 月は雲に隠れてしまった。
うっすらと明るさだけを残して
ほんのりと俺達を照らして。
松村北斗
〇〇
〇〇
絶対嘘だろ。 仰向けになった彼女は 眠たそうな視線を窓の外に 投げて。
これじゃカーテンも 閉められない。
東向きの朝日が これでもかと入る部屋だ。 明日は半熟の朝焼けをパンに 乗せて食べることに決めて、 俺も大人しく寝ることにしよう
''I love you''
''Yours''
……やっぱり、 言葉がない方が俺達らしい。
コメント
3件
月トーストにあうのかな...(笑) 続きが楽しみです!