お父さんが心を込めて作りました
2時間前
警察官
あやか
高2の夏、同級生れいなを殺してしまったが、私がその時れいなからいじめを受けていたこと、また私が未成年ということもあり、刑期は3年と短かった。
その間、お父さんやお母さんが面会に来てくれたりしたので、寂しい思いはあまりなかった。
あやか
お母さん
お母さん
あやか
あやか
お母さん
お母さん
私がれいなを殺してから、父はよくりんごを育てるため、岩手の実家から青森のりんご農園までよく行くようになっていた。
りんご農園、そこはれいなのおばあちゃんが営む農園だった。
3年前
??
お父さん
??
??
お父さん
お父さん
お父さん
お父さん
れいなの祖母
れいなの祖母
れいなの祖母
お父さん
れいなの祖母
自分の孫が殺されたというのに、こんなに客観的に 私の起こした事件を見られる人が他にいるだろうか。
このようなやりとりがあったと母から聞いた時は、最初は全く信じられなかった。
それから、れいなのおばあさんはよく家にたずねて、父とよう話をするようになったという。
ただ1年ほど前から、そろそろ私が帰ってくるのに、自分がここにいては、怖がられてしまうということで、父をりんご農園のある自分の家に招くようになった。
罪滅ぼしの気持ちもあったのだろう。父はそこを週に1度はたずね、りんごを育てる手伝いをするようになっていった。
あやか
お母さん
お母さん
あやか
お母さん
お母さん
あやか
お父さんが仕事をやめたことは初耳だった。
お母さん
あやか
お母さん
そこには、「ジュース用」と書かれたりんごがあった。
あやか
お母さん
お母さん
あやか
あやか
お母さん
あやか
ジューサーは私が高校に入った時に、わがままを言って買ってもらった。もともとにんじんやトマトを丸ごと入れて、ジュースにして毎朝飲んでいたが、りんごを丸ごと入れるのは初めてだ。
あやか
りんごを手に取ろうとした時、箱に小さなメモ紙が貼ってあった。そこには
お父さんが心を込めて作りました
あやか
お母さん
私はそのメモ紙をポケットにしまい込んだ。
そして、りんごの皮を向いて、丸ごとジューサーに放り込んだ。
ヴィィィィィィ
おいしそうなジュースになっていく
あやか
1口味見をしてみる
あやか
あやか
お母さん
結局6つ入ってたりんごを4つ使って、2人分のりんごジュースを作った。
あやか
お母さん
あやか
お母さん
あやか
服役中にすっかり忘れていた
りんごジュースというものを
目の前にあるこのいちごオレのような色の飲み物が
りんごジュースだと信じて疑わなかった。
あやか
ポケットにしまっていた紙がひらひらと床におちていく。
メモ紙の裏に何かかいてある
気がつかなかった。
りんごジュースの味の違和感も。メモ紙の裏の文字も。
お父さんの心臓を込めて作りました
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!