私はぶりっ子

...ｻﾞﾘ

翡翠凜中学3年生の15歳

今日私はなんとしてでも東京卍會に入ってやる

この小柄な男子は東京卍會の総長 佐野万次郎

そしてこの男が東京卍會副総長の龍宮寺堅

ところで何故私が東卍に入ろうとしてるかというと

それは

東卍の奴らを潰すためだ

だけど1番の目的は...

そうこの女

○○ 悪美

私はこの女と東卍の奴らを潰すためにここに来た

何故かって？

まぁそれは後で説明しよう

とりあえず今はどうにかして東京卍會に入る

耳に響く甲高い声

すると、それまで黙っていた佐野が口を開いた

こいつこの女に惚れてんのかよw

嬉しい？そんなこと微塵も思って無いだろうが

と、聞いてくる龍宮寺

私はここへ来る前から色々この女を潰す作戦を立てていたのだ

まずはこん女の大切な東京卍會からこの女を追い出してから後からジワジワ苦しめる

そういう作戦だ

だから、まず東卍の奴らを私の虜にするんだ

虜にするためには

あざと可愛い女子が良いらしい

という訳で私は今日からぶりっ子になる

さぁ、ジワジワ潰してってやるよ

...なんか思ってた反応と違うけど、まぁいいか

何かボソボソと話し合っているみたいだけど

私を東卍に入れる以外選択肢は無いからな

なんて偉そうに言ってるが別に私は東京卍會なんてものに興味はない

ただ、こいつらを潰せればいい

我ながら気持ち悪いキャラだ

ちょっとキャラミスったかもしれない

まぁいいだろう

明らかに嫌そうにしてるが…気にしないでおこう

名前なんてとっくに知ってるよ

その醜い笑顔、全部崩してやるよ♡

と、私に目もくれず言い放つ

呑気にキャッキャッしやがって

あー

早く潰したい

アイツらが去った後私も神社を出た

そして私は今あるところに向かっている

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

何回も聞きなれたチャイム

この人は私の親友のお母さん

私には両親がいない

そんな私にいつも優しくしてくれる人だ

ｺﾝｺﾝ

...

返事は帰って来ない

これはいつもの事だ

朝比奈春

私の幼なじみでもあり親友だ

両親を亡くした私にいつも寄り添ってくれた私の大切な人

明るくて優しくて世界で1番綺麗な笑顔を私に見せてくれる人

だけどその笑顔はもう1年くらい前から見せてはくれない

私にとって宝物だった

なのにその笑顔はあっさり奪われた

そう、その笑顔を奪ったのが

あの女、○○悪美だ

あの頃、私達は新学期が始まり中学2年生だった

私達は中学が違った

それでも春と私はずっと一緒だった

その時の春は満面の笑みでそう言い本当に楽しそうだった

でも、段々とその笑顔はボロボロと崩れて言った

ある日おばさんから電話があった

春が

春が飛び降り自殺をしたと

ﾋﾟｯﾋﾟｯﾋﾟ

運が良く死には至らなかった

だけど色々な器具で繋がれた春はあまりにも痛々しくて見ていられない程だった

おばさんから何故春が飛び降りをしたかを聞いた

それは、あまりにも残酷で悲惨だった

新学期早々春は女子から人気の高い男子から告白をされた

春は女でも惚れるような魅力があり容姿も凄く可愛らしいのだ

だからそこら辺の男が惚れるのはよくある事だ

でも春は男が苦手なのだ

だから毎回断っている

この時からだった

春の笑顔が崩れていったのは

そう、この女が春に近寄った時からだ

悪美は新学期早々春に告白してきた男が気に入っていたのだ

だが、自分の気に入っている男が春に好意を持っていたと知って春に嫉妬したのだ

まだ最初はよくあるパシリや古臭いいじめのようなものばかりだった

だけどそれも段々エスカレートしていき春は見えないところに傷がたくさん溜まって行ったのだ

ｼｭｯ

毎日春は放課後呼び出され傷つけられた

耐えきれなくなった春はそれをクラスメイトや先生に言った

だが

悪美は先生や他のクラスメイトには猫を被っているため春は相手にもされなかった

もう春は心も身もボロボロだった

それでも春は私にそのことを相談しなかった

そんな時

佐野達に出会った

春は佐野達に出会ってから段々と笑顔が戻ってきた

だが、春は佐野達にも相談をしなかった

何故相談しなかったのかはきっと心配させたくないからだろう

しかしその幸せもつかの間

あの女がまた動き出した

悪美が春がやってもないことを写真の合成など使って佐野達を騙したのだ

それを知った佐野達は

こうして春の笑顔は消えた

もう春は限界だった

春はフェンスを登り

飛び降りた

こうして春は学校はもちろん外さへも出られなくなった

私は春が大好きだった

声も笑った顔も全部私の宝物だった

なのにあいつらのせいで私の宝物は消えた

許せない

絶対に許さない

私は時間がある日など大体春の家に来て春に喋りかけている

もちろん返事は来ない、でも春が生きているならそれでいい

私は両親を亡くしてから心に穴が空いたように過ごしていた

でもその穴を埋めるように寄り添ってくれたのが春

どれだけ春に救われたか

だから今度は私が絶対に助けてあげる

春の笑顔を取り戻せるんだってら何だってする

そう言って私は春の家を出た

外を出ると辺りはもう日が暮れている

私はどうしてもあの女を許せない

絶望する顔が楽しみだ