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息抜きのつもりだったのに悲しすぎる話を書いてしまった
小綺麗なリビングが紅く染まる
そこに立つのは一人の男
そして彼の足元には2人の屍が転がる
絶望の空間に1人立ちつくす男はこの状況で自分の今までの行いを思い起こす
人を殺すことでしか自分が生きてるという実感が出来なかった
ナイフで刺すたびに自分にかかる深紅の血しぶき
体にその血の温かさが伝わり刺された人間の悲鳴で快楽を得ていた
自分でもわかっている
俺はこの世に存在しては行けない存在なのだということ
人を殺すなんて倫理観に欠ける行為を平然と行う俺に人としての尊厳はない
そもそも人の作りだした倫理観に欠けるというものもそれ自体人のエゴだ
でもそんなことを言ったところで多数派が正義になり少数派は悪となる
これを肯定すれば殺人を肯定するのと同じことになるから否定されて当たり前
やはり自分は人の形をした人ならざる者
今更自分の行いに罪の意識が芽生えようが否が行った事実は消えない
そう考えながら男はある一点を見る
キッチンには一見誰もいないように見えるがそこまで行くとわかる
小さく蹲ってる一人の少女がそこにいる
彼女の存在を知っているにも関わらず男はその少女を殺そうとはしなかった
それが彼なりの贖罪なのかそれとも別の意図があってなのか
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
今の生き方に疑問を持っている時キッチンの方から物音がした
それとなく視線をそっちに動かすとぬいぐるみを抱えた少女がこちらに寄ってきていた
殺人鬼
殺人鬼
少女
少女
少女から予想のできない言葉が飛び出た
【ありがとう】
人を殺した自分に対して放たれる言葉では無いのは確かな事だ
しかし少女はちゃんと自分を見て誰が聞いてもそう聞こえる声でありがとうと言った
殺人鬼
殺人鬼
少女
少女
少女
その話を聞いたあと少女の体をよく見ると確かに殴られた痕がいくつも見える
少女
少女
少女
少女
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
少女
殺人鬼
男はその少女の境遇に自分に近しい何かを感じていた
こうなる経緯に男も少女と同じく虐待を受けていた
幼少期から愛情も何も注がれないで育ってきていたのだ
その影響で男は考え全てが変わっていった
初めて人を殺したのは自分の両親
優しさをくれなかった両親を殺し自分の境遇を知っていたのに助けてくれなかった
人たちも殺していった
そこから自分が生きてるという証明をするには人を殺すしかない
そんな考えが生まれていたのだ
殺人鬼
少女
殺人鬼
少女
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
少女
殺人鬼
少女
少女
少女
少女
少女
少女
殺人鬼
殺人鬼
少女
殺人鬼
殺人鬼
少女
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
少女
殺人鬼
少女
少女
少女
殺人鬼
少女との生活が始まった
自分が与えられなかった優しさや温もりを彼女に沢山与えていった
日が経つにつれて彼女は出会った頃とは比べられないほど笑うようになった
それと同じように自分にも優しさや温もりを与えることの大切さが分かってきた
自分の行いがこの行為で許される訳では無いそれは確かな事だ
でも、それでもこの時は贖罪をしてる気持ちになれた
そんな幸せはいつしか終わりを告げる
当然の報いだとしか言えなかった
ある日突然玄関が強く叩かれその勢いに耐えきれずドアが蹴破られた
そこからぞろぞろと人が入ってくる
武装をした人が前に出てあるひとりの人物を守るような形をとっている
殺人鬼
殺人鬼
警察
殺人鬼
殺人鬼
警察
警察
警察
殺人鬼
警察
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
殺人鬼
警察
警察
殺人鬼
殺人鬼
警察
少女
少女
少女
少女
殺人鬼
殺人鬼
少女
警察
大の大人に子供が勝てる訳もなく
少女は抱えられて外にと連れ出される
殺人鬼
警察
殺人鬼
武装した数名が男に向かい銃を乱射する
彼は最期の最期に涙を流しそして笑っていた
温もりと優しさを少女に与えたこと
また自分でも与えられるということに満足したような顔で息を引き取った
警察
警察
警察
警察
警察
警察
警察
警察
男の遺体を武装した数名に担がせその人は直ぐにと退出していく
その時彼が一滴の涙を流したのは本人以外誰も知らない